パン・ド・カンパーニュの部屋

自分で作ったおいしいものを中心においしい話を!

槍ヶ岳登頂記(1日目)

2005-08-04 06:50:52 | 山登り
7月28日(木)。いよいよ、この日がやってきた。

普通に仕事をこなし、7時45分くらいに終了。
すぐに夕食、今晩はもらいものの真空パックのうなぎの蒲焼。妻の心遣いに感謝。
シャワーを浴びて、最後のひげ剃り。なにせ、あと3日はひげを剃れないので念入りに。

だいたいの荷物は、昨晩、ザックに詰めておいたが、こまごまとした食料などは直前に詰める。

なんだかんだで、もう、9時近くになってしまった。よねやんとの待ち合わせ時間は、新宿に10時。ああ、バスで駅に行っていては間に合わない。妻に駅まで送ってもらう。ちょうど特急に乗ることができた。

10時少し前に新宿に到着。待ち合わせ場所は、いつもの通り、交番前。ん、まだ、よねやんいない。急いで来たのに。
10時を少し過ぎて、よねやん到着。その足で、高速バスのターミナルへ直行。乗り場の確認をする。

そして、例のごとく、チョコレートパフェを食べるべく、喫茶店へ。さっそく注文、いつものお店と違うので、少し内容が違う。バナナが多すぎ。これではバナナパフェだ。でも、コーンフレークよりはましかな。いつもの儀式はとどこおりなく終了。10時半閉店とかで、お店を追い出される。しょうがない、バスの待合室で待つことにする。

バスは、直前にならないと来ないらしい。11時少し前にバスが来る。トランクにザックとストックを入れ、座席に座る。定時を少し過ぎ11時10分頃、発車。おいおい、ちゃんと時間通りに平湯に着くのかい? 急いでくださいよ、と、心の中でつぶやく。バスは中央道にのり、一路、高山方面へ。

八王子の停留所までは、乗り込む人がいるとかで、明かりはつけておくとのこと。寝ようとするが、前のおばさんの話し声で、なかなか眠れない。静かにして欲しいな。八王子で、やっと、運転席の後ろのカーテンが閉じられ、明かりも暗くなる。おばさんも静かになったが、やはりなかなか熟睡できない。

うとうとしているうちに、休憩場所の双葉SAに到着。トイレに行き、自動販売機で冷たいものを買い、喉を潤す。バスが発車、やっと寝ることができ、平湯に到着するとのアナウンスで目が覚める。寝覚めがよい。あれだけの睡眠時間だったが、熟睡できたのだろう。よかった。

平湯到着、29日(金)午前3時40分。
外はまだ真っ暗。迎えのタクシーはまだ来ていない。トイレに行っている間に、タクシーが来ていた。

タクシーで、新穂高温泉のバスターミナルまで行く。途中にクマ牧場の看板が。ここは、学生時代に来たことがある。まさか、将来、山登りのためここを通るとは、そのときは考えもしなかった。

新穂高温泉に4時25分到着。登山届を所定の箱に入れ、いざ出発。
予定通り、4時30分。

ここからは、しばらく林道を歩く。

5時45分、わさび平小屋に到着。



朝食を予約してある。6時にと頼んでおいたので、まだ、できていない。水を汲んだり、よねやんが冷やしトマトをかじったりして(ここは水槽にいろいろな果物や野菜を浮かべて売っている、自分も昨年はりんごを、一昨年はきゅうりを食べた)、それまで時間をつぶす。おおっ、よしず張りの下に、小さくよねやんの姿が。トマトをあさっているのだろう。6時になり、やっと朝食にありつける。写真が朝定食、1300円なり。



一休みして、6時40分に出発。
河原を歩き、いよいよ登りの登山道になる。ここから、小池新道。双六小屋のオーナーの小池氏が双六小屋への近道として作ったのだろう。それまでは笠ヶ岳の稜線を通って双六へ行っていたのだろうか。これから、えんえん5時間の行程。がんばろう。

秩父沢という沢を渡る。立派な木の橋ができている。毎年、橋を作り変えるので、いつも新しい。沢の上流には雪渓が見える。写真を撮り、一休みしていたら、雨がポツリと降り出してきた。急いで雨具を上下着る。5分くらい歩いたら雨がやんでくれた。もう、暑くてたまらないので、雨具を脱ぐ。ああ、これだけで涼しい。歩調も気のせいか早まる。

この先のイタドリが原にも雪渓があり、雪渓の上でしばし休憩。天然のクーラーだ、涼しい風が吹き、熱い体に心地よい。


昼食は、この先の鏡平山荘でカレーを食べる予定でいたが、あと少しのところで、シャリばて。菓子パンを食べて、お腹を少しだけ膨らませる。シャリばてにならないように、今回は飴を常時、口に入れていたのに、だめだった。
カレーのために、もう少しだけ、がんばって歩く。やっと、鏡平に到着。

カレーと、定番のキリンラガー。



写真は、鏡平山荘。



天気がよいと、鏡池から槍ヶ岳が見える。これは、昨年撮った写真。今年はガスがかかってだめだった。 残念。



これは、池のそばに咲いていたコバイケイソウ。花がまるで妖精のように、かわいらしい。



さてさて、ここから弓折岳への稜線までが、今日の最大の難関。急坂が稜線まで続く。息が切れる。まだかまだか。やっと稜線にでる。ここで休憩。高山植物のお花畑が広がる。今までの苦しさを、いっぺんに忘れさせてくれる自然のプレゼント。自然は偉大だ。

ハクサンイチゲの群落



ここから先、双六小屋までの稜線は高山植物の宝庫。なかなか目を楽しませてくれる。

イワカガミ



ハクサンフウロ



クルマユリ



クロユリ



シナノキンバイ



お花畑の先に双六岳が見える。思わずうっとり、パン・ド・カンパーニュさん。
これは、よねやんに撮ってもらったのだが、よねやん、いい迷惑。私が、顔を見えそうで見えないように撮れと難しい注文。でも、よねやん、うまい。希望通りの角度で決まり。ふふふ、皆さんごめんなさい。今日はここまで。



あっ、そうそう、今回のこのザックの重さは、出かけに計ってきたら12キロでした。今のザックはよくできていて、これくらいなら、そんなに重たいとは思わないで担げるのです。以前、涸沢に紅葉を見に行ったときは、テントを担いで行ったので、18キロくらい、さすがにこのときはへたばりました。家に帰ったら、肩にあざができていたのです。


おおっ、やっと終点の双六小屋が見える。あと少しだ。がんばれ。
昨年登った鷲羽岳、その左向こうに水晶岳が見える。



双六小屋に到着。
ここは登山の要所。烏帽子、野口五郎からの裏銀座ルート、黒部五郎からのダイヤモンドコース、笠ヶ岳からの縦走、槍ヶ岳からの縦走など、主要なコースがこの一点に集中する、まさに、日本橋のようなところだ。



途中、写真を撮ったりして遊んでいたので、2時半に到着。まあまあの時間だ。今年はトレーニング不足だったので、心配だったが、まずまず、一安心。
途中、わさび平は予定より20分遅れて出発、鏡平には予定より20分早く到着。ということは、40分早く歩けたことになる。 バンザイ!

写真を撮ったりしていると、かなりの時間の浪費となるものです。抜かした人に抜かし返されるのもこのとき。悔しいけど、しょうがない。
特に、今回は、よねやんにうるさい注文が多いので、余計に時間がかかる。よねやん、ごめん。でも、よねやん曰く、「いいんだ、時間なんか。それより、ああだこうだ、遊びながら写真撮ったほうが面白いじゃあないか。」と。
よねやん、ありがとう。 だから、よねやん、大好きさ。

これが、明日、槍ヶ岳への第一歩となる樅沢岳。
さてさて、明日はいよいよ、今回の山歩きの核心部分。 いったい何が待ち受けていることやら。




夕飯は第1組目が4時半、自分もこの組になった。早い到着順なのだ。山は、早出早着きが原則。夕飯は3組まであるという、今日は山小屋、大盛況。
オーナーの小池潜氏の顔も見える。ちらちらと小屋の中の様子をうかがって、従業員に指示をしている。山岳写真の写真家でもある。

双六小屋の玄関を入ると、作家・田中澄江の筆による、「双六小屋」の看板が掲げられている。田中澄江は花の山として、この双六岳をこよなく愛していたという。

うっかり、夕飯の写真は撮りそびれてしまった。ごめんなさい。ここの夕飯は美味しいので有名。天婦羅、鳥のささ身のフライなど、揚げ物が中心。あと、一人分のそうめんもあった。

寝るところは、幸運にも我々は二人用の布団に一人で寝られる。ラッキー。他の大部分の人は、布団2枚に3人とか。

今日は、夜行バスで疲れたので、6時過ぎには布団に入り、就寝。
明日の天気を祈りながら、おやすみなさい。(つづく)