Heart Beat

草なぎ剛くんのこと、読書記録など・・・気ままに更新♪(コメント&TBは承認制となっています)

『鬼畜』

2010-07-15 22:51:51 | 読書
2010  No.13  6/18~6/27

作者:松本清張(光文社文庫)

評価・・・★★★★ 4.0

文庫の表紙(グリーティングカードに使われるような紙質、表紙と背表紙の文字が一部銀色で入っているところ)が気に入って、手に取った作品です。
『松本清張の短編全集07』と銘打ってます。

表題作は、だめだめ男が愛人との間の子と妻の間の板挟みになり、追い詰められて子どもを手放そうとする物語でした。人間、追い詰められて思考が麻痺したら、とんでもないことを簡単にしてしまうんだな~、と恐ろしく感じました。

でも、もっとも怖く感じたのは『甲府在番』。なんと、時代小説でした。
失踪した兄の役目を継いで、甲府在番となった弟は、兄の失踪の謎を追ううちに、とんでもない恐ろしい状況に陥ってしまいます。まさに絶体絶命! という場面で、作者の普通の叙述になってしまうので、思いっきり盛り下がってしまうのですが、この短編集で一番心に残った作品でした。
『恐妻の棺』も時代小説ですが、ユーモアと武士の悲哀が感じられて。こちらもなかなかおもしろい作品でした。




『臨床真理』

2010-07-13 17:20:03 | 読書
2010  No.12  5/16~5/19

作者:柚月裕子(宝島社文庫)

評価・・・★★★★ 4.0

タイトルは主人公の職業「臨床心理士」にかけてあります。
受け持った患者の青年が、人の言葉に色を見ることができ、そこからその言葉に秘められた思いを見ぬくことができるということを知った主人公は、彼の亡くなった恋人の死の真相に迫っていく・・・と言う物語です。
途中、主人公は知的障害を持つ青年に襲われそうになるシーンがあるのですが、よく大胆に描いたなとビックリ。いろんな団体とかから非難はなかったんだろうか・・・正直、このエピソードは無くても良かった。
これも後味の悪い作品でした。真犯人は、途中でなんとなくわかったのですが、まさか本当にあの人が犯人だったとは!
あー、後味悪っ

主人公の職業柄、なんとなくシリーズになりそうな作品でした。

『私の男』

2010-07-12 22:48:37 | 読書
2010  No.11  5/15~5/16

作者:桜庭一樹(文春文庫)

評価・・・★★★★☆ 4.5

直木賞受賞作にして、禁断の愛を描いたということで当時、随分と話題になった作品でしたね。
読んでみての感想は、すごく切なくて後味が悪かった・・・へヴィーな作品です。

6章から成る作品だったのですが、現在からどんどん親子の出会いの時期に遡っていくという通常とは逆の構成で、これが成功しているように思いました。
最後の章で、また現在が描かれるかと思ったら、一切描かれない! 
二人の再会が見たかったのでがっかりもしたけれど、それだけに、第1章のラストと、第6章の最後の一文が心に響いて、花と養父・淳悟の絆の深さと、もう本当に二度と会えないとう現実が切なかった。

でも、いくら淳悟が花を想っていたとしても、幼い花への行動は許せない。それを優しく受け止める花にはびっくりでした。

『妻に捧げた1778話』

2010-07-11 21:46:29 | 読書
2010  No.10  5/9~5/14

著者:眉村卓(新潮新書)

評価・・・★★★★☆ 4.5

来年1月に草なぎ剛くん主演で公開予定の映画『僕と妻の1778の物語』の原作です。

眉村卓さんというと、『ねらわれた学園』などの作品で知られるSF作家。
私は作品を今まで読んだことはないのですが、ドラマ『ねらわれた学園』は小さい頃に、親戚のおにいちゃん宅で一緒に見た記憶が残っています。主題歌のユーミンの『守ってあげたい』が印象的で・・・

で、この『妻に捧げた1778話』は、眉村さんの実体験について書かれた作品です。
ガンで余命1年と宣告された奥さんが、よく笑って免疫力を高め、少しでもガンの進行を抑えることができたら・・・と眉村さんは1日1話ずつ奥さんのためにショートショートを書き始めます。この作品では、それらのショートショート19篇が収められるほか、奥さんとの出会いのエピソードをはじめ、闘病生活などが綴られています。

シンプルな文章ですが、眉村さんは本当に奥さんが好きだったんだなぁ、と感動しました。
また、ショートショートは、これまで私は星新一さんの作品くらいしか読んだことがなかったので、星新一さんの『ボッコちゃん』とかに比べると、眉村さんのショートショートはおとなしい印象ですが、こういうのも味わいがあって良いな、と感じました。
もっともっと読んでみたいと思ったので、眉村さんの他の作品にチャレンジしてみたいです。

春ドラマの感想

2010-07-11 21:34:37 | ドラマ
今年の春ドラマは、おもいっきりはまったものはありませんでした。

残念だったのは、録りだめしていたつもりが、録画に失敗して全然録りだめできなかった作品があったこと! それは『Mother』と『IRIS』です。
『Mother』はすごく反響の大きかった作品だったようで、それだけに残念でした。

一番感動したのは、純粋に春クールドラマとは言えないかもしれませんが、『8日目の蝉』でした。
なかなか楽しめたのは『新参者』、『ヤンキー君とメガネちゃん』。
まあま楽しめたのは『絶対零度』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』。
期待はずれだったのは『素直になれなくて』と『月の恋人』でした。

『素直になれなくて』のオープニング曲と挿入歌の、The Ting Tingsの『Great DJ』と『Be the One』は良かったけど。最初、ドラマのエンドロールやHPを見ても歌手と曲名がわからなかったので、ネットでいろいろ検索してようやく知ることができました。
制作側が伏せていたのは、ツイッターで「あの曲だれが歌ってんの!?」と大いに盛り上がって、ドラマも盛り上がることを期待してたからなんでしょうか。
謎です・・・

『月の恋人』は、せっかく素敵な俳優がいっぱい出てるのに、うまく生かし切れていなかったように思います。
木村拓哉さん演じる蓮介は、ただの生意気な若造という感じしかしなかったので、どうせなら本当に冷酷な人物に設定していたほうが良かったような。蓮介って、なんだかんだいって、みんなに愛されちゃってますもんね。
最近の木村さんの作品で私が感動したのは、『武士の一分』や『華麗なる一族』などで見せた、“かっこいい”だけの人ではない役柄のときです。
いろんなドラマの感想をのぞいても、もっと木村さんのいろんな役を見たいという意見が多いですよね。
木村さんはいてるだけで十分かっこいいので、わざわざかっこいい役を設定せずに、かっこいいとは無関係の役をもっと演じて、いろんな魅力を見せてほしいと思います。次回作に期待してます。

さて、そろそろ夏ドラマが始まっています。
まだビデオに録っているだけで見ていない作品があるのですが、今回一番楽しみにしているのは堺雅人さんのドラマ『ジョーカー』です。裏の顔を持つ刑事・・・堺さんの悪役、かっこよさそ~!
早く火曜日にならないかなぁ