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草なぎ剛くんのこと、読書記録など・・・気ままに更新♪(コメント&TBは承認制となっています)

『鬼畜』

2010-07-15 22:51:51 | 読書
2010  No.13  6/18~6/27

作者:松本清張(光文社文庫)

評価・・・★★★★ 4.0

文庫の表紙(グリーティングカードに使われるような紙質、表紙と背表紙の文字が一部銀色で入っているところ)が気に入って、手に取った作品です。
『松本清張の短編全集07』と銘打ってます。

表題作は、だめだめ男が愛人との間の子と妻の間の板挟みになり、追い詰められて子どもを手放そうとする物語でした。人間、追い詰められて思考が麻痺したら、とんでもないことを簡単にしてしまうんだな~、と恐ろしく感じました。

でも、もっとも怖く感じたのは『甲府在番』。なんと、時代小説でした。
失踪した兄の役目を継いで、甲府在番となった弟は、兄の失踪の謎を追ううちに、とんでもない恐ろしい状況に陥ってしまいます。まさに絶体絶命! という場面で、作者の普通の叙述になってしまうので、思いっきり盛り下がってしまうのですが、この短編集で一番心に残った作品でした。
『恐妻の棺』も時代小説ですが、ユーモアと武士の悲哀が感じられて。こちらもなかなかおもしろい作品でした。