2010 No.16 7/6~7/8
作者:伊坂幸太郎(講談社文庫)
評価・・・★★★★☆ 4.5
何かものものしいタイトルですが、意外にも兄弟愛が温かい物語でした。
“自分の思ったことを相手に語らせることができる”能力が備わっていることに気づいた青年。その頃、世間ではある若き政治家が頭角を現しつつあるが、そこに何か危険な匂いを感じた青年がとった行動は・・・という物語。
作品中では衆議院解散選挙を控えているという設定でしたが、ちょうど読んでいる最中は参議院選挙を控えていたので、ちょっと物語世界と現実世界がリンクしているような不思議な感覚がしました。
しかも、物語世界の中の一般国民のあいだに漂う、政治に対するあきらめに近い空気と、そこに躍り出た“わかりやすい”言葉で国民に訴えかける若き政治家に対する、勢いに任せた期待感といったものに、すごい既視感を覚えて、思わず何年に発表された小説か確認してしまいました。(ちなみに初出は2004年=平成16年)
もう一篇おさめられた作品『呼吸』は、表題作の後日譚となっています。
これらの作品は、何か大きな物語の序章のような感じがしてならなかったのですが、巻末のあとがきによると、これらの2作品に連なるものとして『モダンタイムス』という作品があるそうです。直接的な続編とはいえないということですが、機会があれば読んでみたいです。
作者:伊坂幸太郎(講談社文庫)
評価・・・★★★★☆ 4.5
何かものものしいタイトルですが、意外にも兄弟愛が温かい物語でした。
“自分の思ったことを相手に語らせることができる”能力が備わっていることに気づいた青年。その頃、世間ではある若き政治家が頭角を現しつつあるが、そこに何か危険な匂いを感じた青年がとった行動は・・・という物語。
作品中では衆議院解散選挙を控えているという設定でしたが、ちょうど読んでいる最中は参議院選挙を控えていたので、ちょっと物語世界と現実世界がリンクしているような不思議な感覚がしました。
しかも、物語世界の中の一般国民のあいだに漂う、政治に対するあきらめに近い空気と、そこに躍り出た“わかりやすい”言葉で国民に訴えかける若き政治家に対する、勢いに任せた期待感といったものに、すごい既視感を覚えて、思わず何年に発表された小説か確認してしまいました。(ちなみに初出は2004年=平成16年)
もう一篇おさめられた作品『呼吸』は、表題作の後日譚となっています。
これらの作品は、何か大きな物語の序章のような感じがしてならなかったのですが、巻末のあとがきによると、これらの2作品に連なるものとして『モダンタイムス』という作品があるそうです。直接的な続編とはいえないということですが、機会があれば読んでみたいです。