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銀河のサンマ

何でもあり

ひじきカレー

2020-08-19 | 銀河食堂

 

靴の中に籠るアスファルトの輻射熱って熱い。

ついつい眉間に皺がはいる。

路面の熱い揺らめきなのか、ボクの足元がクラっとする。

「おいおいお前さん・・・」

目が覚めるとボクは椅子を並べた上で寝ていた。

「ひっくりコケんじゃないぞっ」

見覚えのある空間、聞き覚えのある声、久しぶりの古いココは銀河食堂。

「眉間に皺よせて、なに突っ立ってたんだ?」

「ボクは…」と言いかけ

「ほら、食べない」

店主はテーブルに、ひじきカレーを置いた。

ボクは、スプーンを手にし、一礼し、パクッとカレーを口へ運んだ。

「美味いかっ」店主の顔はパーッと輝きを放ち、ボクはウンウンと大きく頷く。

「隠し味に梅ジャムを入れたんだ」店主は嬉しそうに言う。

なるほど。口に運ぶカレーがすすむ。

「店主らしい味。元気がでたよっ」とボクは御馳走様とスプーンを置いた。

「笑ってろ。お前さん笑ってろ。お前さんの隣には、いつも誰か居ると思え」

「え…?」

「おっと、さ、帰ってくれ。早々に店じまいだ」

店主は皿をひくと、ボクを扉の外へ出した。

ービシャンっー ボクの背中で荒々しく戸が閉まり、驚いて目を瞑った。

びっくりしたぁ、瞑った目をそっと開け、戸の方を振り向く。

そこには白い砂浜と青い海が広がっている。

「海だぁ!」思わず叫ぶ。その声が海風に乗ってゆく。

ボクの隣で黄色い向日葵が笑ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020.08.09朝食風景

 

 

 

 

 

 


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