Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

旧武石村余里の自然石道祖神 後編①

2024-07-07 23:49:16 | 民俗学

「旧武石村余里の自然石道祖神 中編」より

余里自然石道祖神⑤

 

 前回の余里上組自然石道祖神④から余里川を下ること、100メートル、これもまた近い位置にあたるが、写真の「道祖神」文字碑が道の左手に見えてくる。台石の上に乗った高さ90センチほどの自然石に彫られた「道祖神」。ほかに銘文はない。この文字碑の脇に、二つのそこそこ大きな自然石が並んで祀られている。ひとつはゴツゴツした石で、もうひとつもゴツゴツしている部分もあるが、凝灰岩系の平滑な表面も見せている。

 

余里自然石道祖神⑥

 

 ⑤から下ること200メートル、ここまでよりは少し離れるが、そうはいっても200メートル程度の同じ道端の三叉路にひとつだけ自然石が立っている。自然石のすぐ前に炭の跡があり、ここでどんど焼きをしたことがわかる。したがって道祖神にまちがいない。道端にあるなんでもない石ころにみえることも事実。

 

余里自然石道祖神⑦

 

 ⑥から再び200メートルほど道を下ると、やはり道左手に台石の上に祀られた自然石の道祖神が見える。やはりゴツゴツしている。台石に乗っているから明らかに祀られたものとわかる。

 

余里自然石道祖神⑧

 

 ⑦からさらに200メートルほど下ると、また道の左手、家の前に三つのゴツゴツした自然石が並んで祀られている。加えてその右手に小さな単体像がひとつ。この単体像について小林大二氏の『依田窪の道祖神』では、「小供像」と表現して、同様に道祖神として捉えている。さらに周囲にはそれらより小さな石もごろごろしていて、どれもこれも道祖神に見えてくるが、どこまでが祭祀物なのかは、はっきりしない。

 

余里自然石道祖神⑨

 

 ⑧から下ること、また200メートルほど、今度は道の右手に自然石が小さな台石の上に乗っている。周囲に石が囲うように並べられていて、中央にある自然石が祭祀物の中心なのだろうが、これらも見ているとどれもこれも道祖神と見えても不思議ではない。石の数は無数である。

続く


コメント    この記事についてブログを書く
« 畔草のこと | トップ | 旧武石村余里の自然石道祖神... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

民俗学」カテゴリの最新記事