Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

遺伝子組み替えイネ

2005-08-29 08:08:34 | 農村環境
 先週の木曜日(8/25)の朝日新聞に遺伝子組み替えイネのことが書かれていた(「消費者の伝言」下)。遺伝子組み替えイネの野外栽培実験が始められたことへの不安を扱ったもので、組み替えイネかどうかは、見た目では判断できないし、知らないところで組み替えられて、知らず知らず安全だと思っていたイネが、実は組み替えイネであったなんていうこともないとも限らないようだ。生協などの協力を得て遺伝子組み替え作物の調査をしたところ、長野県、福岡県など5県で組み替えナタネが見つかったという。長野では高速道路のインターチェンジ近くの花壇や、河川敷などで自生していたという。栽培され報告もないのに自生していたということは、どういうルートで入ってきたものなのだろう。
 このように意図しなくても、自然と交配されて、そうした種が流通するようになったら、安全を目指して作物を育てても、自信をもって人に食べてもらうこともできない。もともと遺伝子組み替えの目的は、除草剤の影響を受けない性質や、害虫・病気に強い性質に組み替えようとするものである。聞いただけで食べる意欲を失うような意図である。家で組み替えイネの話をしたら、「うちは大丈夫。うちのイネは“秋晴れ”で、競って作るコシヒカリなどのおいしいイネじゃないので、組換えまでして品質をあげようなんていう品種じゃない」という。なぜこの品種を作っているかというと、コシヒカリにくらべると、病気に強く、また、台風など風で倒れることも少ないからである。実際コシヒカリを近所では作っているが、その米と、家の米を比較して、どちらがおいしいなどと明確にはわからない。
 さて、知らずとこうした種が入ってくるとなると、いよいよ、全てを自家で循環させないと、100%安全ということはいえなくなるのだろう。そこまでする必要はないとしても、食の安全の背景は、奥が深いとともに、アスベスト以上にその影響は明確でなく、責任の所在が消えてからの判断になるのだろう。
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