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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

魔除け

2021-01-29 23:49:53 | 民俗学

 

 飯島町日曽利のことは今までにも何度か記している。集落の中ほどに集会施設と無住の寺、そして神社がまとまって並んでいる。神社は「日曽利神社」という。小さな神社であるが、集落の規模からいえばうなずけるものかもしれない。全戸で40余戸という日曽利。2015年に「かさんぼこ」を記した。この「かさんぼこ」につけられるハナが、神社の脇に掲げられていた。円形に括られているため、祭典などで配布されるハナと同じだが、ここでは「かさんぼこ」のハナである。「かさんぼこ」は小正月に行われる、いわゆるどんど焼きの行事であるから、まだ半月ほど前のこと。その際のハナが神社にも掲げられていたというわけだ。“「かさんぼこ」考・前編”ても触れたとおり、「地区にある戸数分に集会施設や神社などに飾るものを足して作られている」。そのひとつである。

 家々をうかがうと、玄関先にこれが掲げられている例が多いが、必ずしも玄関先に飾られているというわけでもない。戸数分作ると言っていたから、家によっては玄関先とは異なる場所に飾る家もあるのだろう。そう思ってあちこちうかがうと、蔵の入口に掲げる家もあった。もちろん集会施設の庭には、どんど焼きをした形跡が見られた。


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