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Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

中尾の丸石道祖神

2024-10-17 23:24:31 | 民俗学

伊那市長谷中尾 丸石道祖神

 

丸石道祖神背後の陰陽石

 

 ブログ内検索しても発見できない。ということは、今まで記していなかったのか?、と事実を知るが、そんなことはない、とも思ってまた別のキーワードで探すが登場しない。長い日記なので、どこかで書いているのでは、と思うと、おおかた同じようなものが発見されるが、こういうケースもたまにはある。

 自然石道祖神が現在のテーマであるが、意外にも伊那市長谷中尾の丸石道祖神が発見できない。したがってもしかしたら重複しているかもしれないが、ここで中尾の道祖神について触れる。

 丸石神というと山梨県である。とても丸石の道祖神が多い地域。その延長線上にある諏訪や長谷にあって不思議ではないが、実際はそれほど丸石神は多くない。とくに道祖神となると、山梨型のものは本当に稀だ。その中の一つが写真の中尾のものだ。実はこの道祖神は台石に「道祖神」と刻まれている。したがっていわゆる無銘の自然石というわけではない。もちろん球形の本体には文字がないが…。この丸石神の周辺に陰陽石がいくつかある。2枚目の写真がそれらで、背後にあるから、もともとはこれらが道祖神で、丸石神が祀られたことで背後に追われたのかもしれない。左端は頭にまさに頭のように石が載せられていお地蔵さん風になっているが、本来は上の石は無かったもの。右側の二つは、いずれも男根である。亀頭冠は以前にも触れたように硬い鉱物の部分が残って輪状になったもの。故に男根に見える、というわけである。

 だいぶ石の表面が苔むしていて(というか黒ずんでいて)石質がはっきりしない。しかし、丸石神は風化の状況から明らかに花崗岩である。不思議なことに、三峰川下流域では上流域の違った石を好んで祀っているのに、ここでは逆に中央構造線谷にはない花崗岩をあえて祀っている。どこから運んできたのかわからないが、こういうケースもあるんだと気づかされる。


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