Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

描かれた図から見えるもの㉕

2020-12-03 23:14:31 | 地域から学ぶ

描かれた図から見えるもの㉔より

 近ごろ民俗の会の例会を案内する記事も、既成の図を利用したり、あるいはグーグルマップを利用するようになって、かつてのような自前の図を見なくなった。仕事がら略図を描くのはふつうの人よりは得意かもしれないが、図のレイアウトが良かったり、きれいだったとしても、見る側が理解できないような図では意味がない。そう思って次回から、民俗の会の例会に使われた略図を、過去にさかのぼってみたいと思うが、その前に、ちょっとばかりネット上を徘徊してみることにする。

 「町内会の図」と検索して、図の一覧を閲覧してみるが、やはりという具合に、今どき楽しい図などあまり登場してこない。何を言っているかといえば、前述したように既成の図では面白くないので、あえてその町会用に描かれたものを探してみた。が、わたしの望むような事例は多くない。そもそも町内会といえば、集落としてはまとまっているから、その町内が図にうまく収まるように描かれるのは当然。そして何と言っても北向きの既成図を利用する例が多いが、独自の略図もたまに見かける。しかし北向きのものは多い。

 横浜市南区大岡1丁目地区に平成3年から発足した第一大岡町内会は公式ホームページを公開している。前傾の「町内会の地図」を閲覧していて真っ先に目に留まった図が、ここの「旧町内会地図」(以降「旧図」という)である。旧図と令和2年5月に更新された「新町内会班別区分地図」(以降「新図」)の違いがページには紹介されていないので、あくまでもここでは図のことだけ注視してみる。旧図には方位が示されていて、左下に北が向いている。なぜこの配置になったのか、あくまでも想像だが、町内会を横に展開して描いたら左下に北がきた、ということかもしれない。あるいは図上に象徴的なモノがあるのかないのかはわからないが、鉄道(横浜市高速鉄道1号線)が図の下側エリア外にあり、マチから見ると町会を上に描いている、とも考えられる。ただ、新図では既成の図を利用しており、旧図とは向きが異なり、左側を北に配置している。縦長になるにもかかわらず、配置方法を変えたところに意図があったのかどうかはわからない。

 旧図があえて北を向いていなかったことで目に留まったが、図そのものに特徴はそれほど見られない。あくまでも平均的視線で作成された、と言えるだろうか。参考にグーグルマップがここでいう第一大岡町内会のあるところだ。真ん中の大きな建物がプレミスト弘明寺である。

続く


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