Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

車窓から思うもの

2008-08-02 15:05:07 | つぶやき
 「東京へ」で久しぶりの電車での東京行きについて触れた。まさに雑感なるものを記録しておく。

 かつても諏訪地域を走る電車は、急行だろうが特急だろうがよく駅に停まった。仕方ないのはマチの中心に駅があって、それぞれのマチがそこそこ大きいから、停めないわけにはいかないということもあっただろう。それは今もそれほど変わらず、特急は諏訪地域内では頻繁に駅に停まる。ところが小淵沢を過ぎると次はいっきに甲府である。30年も前の車窓には見えなかったのであろうアレチウリが、小淵沢から甲府の間では目につく。車窓に韮崎警察署が登場し、思い出すのはかつてその警察署の中に入ったことがあることだ。悪事を働いて入ったわけでも、トイレを借りに入ったわけでもない。知人がかつてそこの警察署長をしていたといって、寄り道をした際に寄ったくらいのことである。

 かつて車窓に富士山を確認した記憶はない。そしてそれは今回も同じで、雲の中に隠れている。そういえば高速道路を走っていても、めったにお目にかかることはない。

 かつて中央本線を利用した時代に特急に乗った記憶はなく、その当時どうだったかは知らないが、現在の特急の構成をみると指定席車両がほとんどだ。10両以上あるというのに、3両程度。自由席しか乗らない人たちにとっては、もっと自由席車両が多ければ良いのにと思うだろうが、おそらくこのあたりは、違う公共交通と比較する際に利用してもらう策になっているのだろう。指定席といっても一人客の場合は、混雑していなければまず臨席は空白である。ビジネス利用者の多い平日にいたっては、一車両の約半分しか人は座っていないことになる。「東京へ」の中でも触れたが、バスの狭い空間と比較すれば、明らかに電車の方が選択できるものとなる。それでいて早ければ、ビジネス客のように身銭を切らない人たちにはもってこいとなる。利用者の求めるもの、そして提供する側、とその環境を見ると、食料自給率が40パーセントを切りながら、安い農産物を輸入してもよいといっている人たちと農家との関係に近いものを感じるわけだ。

 さて、四ツ谷から赤坂見附まで待ち合わせのために歩く。迎賓館横の道端に植栽されたツツジの株から丈の長い雑草がヒョイヒョイと飛び出ている。見た目はとても良くはないが、歩く人の少ない道でそんな姿を認識する人は少ない。ほとんど透明度のない堀の周辺に鬱蒼としているのはクズである。アレチウリでなくて良かった。新宿・池袋と構内を歩く。同僚ではないが、「こんなに人を見るのは久しぶり」というのも実感である。空くことのない人の波は、田舎なら全人口を寄せ集めても成り立たない。少しくらい田舎に住めよ、と思うがそうはいかないのがこの国の現実だ。

 帰路の車窓から眺めていると、以前にも触れたように、鉄道敷にはオレンジ色の花が目立つ。それは山梨県から長野県まで中央本線上のすべての間で見られる。いかにカンゾウにとって環境のよい空間であるかが解る。また辰野あたりまでくると、菜の花畑のごとく黄色い花を咲かせる転作田が2枚ほど見られた。オミナエシである。すでに満開に咲いているところから出荷用でもなさそう。一面に咲いているから自然に生えてきたものでもないだろう。なかなか壮観なものであった。

コメント    この記事についてブログを書く
« 東京へ | トップ | 人の手を介す »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

つぶやき」カテゴリの最新記事