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ある「常会」の記録より⑮

2019-07-12 23:29:35 | 地域から学ぶ

ある「常会」の記録より⑭より

 引き続き昭和57年の記録を紐解いていこう。

 初めて記録に登場したが、元旦に行われるお日待ちの準備を大晦日の12月31日に行ったと記されている。「準備品」として「万竹・さかき三本 長さ約一米二百・酒 清酒六本・鰯二本・塩・洗米・野菜」と記録されている。そして翌元旦午後1時半より、そのお日待ちが始まる。「常会長が神官を一時十分に第十常会へ迎えに行って来る」とあるから、この地域では「お日待ち」を元旦に行うところがほかにもあることが解る。ちなみに、神官には1戸当たり当時400円「お札代」として納めている。

 「どんど焼き」は前年同様1月15日に実施されており、50名が参加して「盛大に行われた」と記されている。

 前年の12月21日に行われた年度末常会での議題が、年頭の話題になっている。それは常会所の改築を行ったところ、施工した工務店より契約外の部分があったとして、追加請求を受けたのであ。その金額約10万円。資金借入などの問題もあり、簡単には支払えない問題だとして、次の常会に問題は持ち越されたのである。1月21日の新年初めての常会で、このことが検討されている。「常会内長老の意見を聞く」、あるいは「常会の改築には各人がある程度犠牲的精神をもってかかったのが、はじめの考え方だったと思う」などその際の様子が書き込まれている。結局、この件に関した小委員会を編成し、検討することとなった。2月、その小委員会が3回開催されている。請け負いで実施されたものであるから、「支払う必要はない」というような意見の末、追加請求内容を精査し、支払うべきものを検討して方針を打ち出している。最後の委員会の記録に、「今まで何回も委員会を開いてきたのは、この件について常会内にしこりを残さないようにとの配慮から、細心の注意を払ってきたので、今後常会内が円満に行くように、とくにお願いします」とある。常会内に施工にかかわった大工が在住していたこともあっての地域内の配慮があったものとみえる。

 7月8日の常会記録には、「農休みの夕は、七月十七日に小学校にて映画を行なう」とあり、当時「農休み」に映画が実施されていたことがわかる。同日の常会では、常会対抗ソフトボール大会へ参加することが決定され、7月から8月にかけて練習が3回行われた記録がある。さらに8月は盆野球へ参加しており、この時期の記録にはそれら記録が続く。そのせいか9月10日の常会記録には、「常会全員でソフトボール大会をしたらどうか」という提案が発せられ、9月19日に行なうことで決定している。結果的に19日は雨天のためソフトボールは中止され、慰労会のみ実施されている。

 同じく9月10日の常会には注目すべき記録がある。「集金常会をしたらどうかとの意見が出る」というもの。集金常会はこの常会で現在も継続されているが、もっと古い時代に始まったものと思っていたが、実は40年満たないということがわかった。そして「集金常会を毎月二十七日 午後こ八時より(冬は七時半)常会所で行なうよう決定」とある。そして早速、9月27日に「集金常会」が行われており、以後毎月の常会は「集金常会」と変わる。

続く


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