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ある「常会」の記録より⑭

2019-06-28 23:27:43 | 地域から学ぶ

ある「常会」の記録より⑬より

 

 引き続き昭和56年の記録を紐解いていこう。

 前々回記したように、常会の戸数は14戸となっている。元旦の新年会に用意された酒は4升。午後1時に始まった新年会は、午後3時50分に終了している。新年会には夫婦で参加しているが、この4升が多いのか少ないのか、今後の記録を紐解きながら解いていきたい。

 4月20日にはお花見を行っている。常会所、いわゆる集会施設で行っており、午後5時30分に始まったお花見は、午後8時30分に終了している。この際用意された酒は、新年会よりさらに多い6升。

 6月22日の常会では「街灯について」話し合いがもたれている。この中で、前年街灯を常会内に設置したが、さらに希望があれば区に申し込むように説明がされている。そして、常会内では飛び地な存在の遠いところに1軒ある関係で、そこへ通じる道路に街灯を設置したらどうかと提案され、1灯設置することで合意されたが、「常会では全部ではなく、半分のの負担とし、残りは〇〇氏が負担する」と決定している。この決定が正しいものかどうかを、ここでわたしが問うものではないが、遠隔地であるから、これまでの街灯と異なり、「半分」の負担しかしないとしたら、たまたま遠隔地にあった家への差別とも受け取られる。ちなみに精算額は33,080円、うち常会から16,540円が支払われている。

 9月5日の常会では、正月の「お日待ち」について議論されている。この常会には二つの隣組があり、元旦にそれぞれお日待ちを行っていた。このお日待ちについて、「一緒の日に行ってはどうか」という提案があった。そして了承され、次のお日待ちからは合同で行なうことが決定されている。

 10月26日の常会では、運動会が議題となっている。常会において、出場選手が選出されており、年代ごとのリレー選手が選出されている。この時代の記録には、毎年選手名が並んでおり、ほぼ毎年同じ人が選出されている。さらにこの年は、各種目の選手がすべて記録されている。運動会の準備品の中にある「酒二升」に目が留まる。また、当然のことであるが、終了後慰労会が実施されており、「酒三升」が追加されている。この記録からわかることは、運動会の中で酒2升が飲まれたことになる。

 さて、これまでの常会記録をみてきて気づくことがある。あくまでも常会の記録であるから、個人のことは書き込まれないのは理解できるが、例えば常会に新たに入った人(例えば嫁にきた、婿にきた)の紹介はまったく登場しない。隣組ではなく常会だからと言われればそれもわかるが、まったく現れないのは、なぜなのか。通常なら他所から入ってきた人の紹介があってよいはずなのだが…。

続く


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