Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ワカサギを釣る人

2011-01-16 18:43:56 | 西天竜

 西天竜幹線水路の深沢川サイフォンの吐き出し口に、最近人影をよく見る。釣竿をたらしているからといってゴミを吊っているわけではない。このごろは地方新聞に西天竜幹線水路にゴミが多いという報道がよくされていた。深沢川サイフォンの出口に大きな物が浮き上がっている光景も時おり見る。そして管理のために水を止めたときが見事なもので、サイフォンのような場所にはゴミが集中する。釣り人曰く、「西天竜ではここが(釣りには)一番」らしい。考えてみれば、ここから中央道横断橋を渡るところまでは勾配も緩く、流れはゆったりとしている。何より断面が矩形ではなく、台形で水面は広い。かつての造成時の幹線水路も同様に上が広く、下が狭い水路だったが、昭和時代に改修された際にほとんど矩形に変更された。浮上しないためには矩形の方が有利だ。しかし、水路の流れという面では台形の方が同じ流れの断面内において流速に差が出る。したがって水面近くの流速は矩形よりはゆったりとする。そんな区間が吐き出し以降に続くことから、そして吐き出し口が広くなっているということもあって、魚たちにとっては住み安い空間と言えるのかもしれない。釣り人に言わせると「今日はまったく・・・」らしい。なぜ日によって違うのか問うたが「それは解らない」という。釣れるときには2時間程度で50匹以上のワカサギが釣れる。この日はポリバケツの中に20匹弱だっただろうか。もちろん諏訪湖からやってくるワカサギである。ここならば鑑札もなく吊ることができる。「天竜川はどうなの」と聞くと「水量が少なくてダメ」らしい。別の場所でも釣り人がいたが、そこはふつうの流れの途中だった。素人でもここの方が釣れそうだということは解る。

 さて、先ごろ「長野日報」に「不法投棄絶対ダメ!」という記事が掲載された。伊那小学校の4年仁組の取り組みは「水」の勉強だったようだ。身近な「水」という捉えの中で西天竜幹線水路を対象にした。伊那小学校に流れ下ってくる水は西天流の水だから(それ以外の水もあるが)、確かに身近な「水」の一つである。学んでいく中で西天竜幹線水路にゴミが多いことを知った。まとめとして新聞風に各自テーマを絞った文章で綴られたものと、不法投棄防止のためのポスターを作成した。それらのコピー版が辰野町から南箕輪村までの幹線水路沿いのフェンスにこのほど掲示された。とくに昨年の夏、布団が絡んで分水口が詰まった場所にはたくさん掲示された(伊那インター東側)。記事に「悪い人がたくさんいるんだ」という子どもたちのコメントが掲載されているが、なんとも情けない話しである。


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