Graceful Distortion

ゲイの管理人が発信する平々凡々な日々の出来事&映画その他興味のある事

未解決事件の闇(1)

2005-01-25 00:00:00 | Weblog
今日のトピックは本です。

自分はそんなに本は読まないんですけど、たまにふと
読むことがあります。今回取り上げるのは一橋文哉氏
著書の“闇に消えた怪人”です。最近高村薫原作の
“レディー・ジョーカー”という映画が公開されて
いますが、その作品のモデルとなったのが本作で
取り上げられている「グリコ・森永事件」なんです。

ではグリコ・森永事件とは・・・・

1984年にグリコ社長が入浴中に何者かによって
拉致され、その後現金10億と金塊100kgを要求する
脅迫状が届けられる。数日後社長は犯人の隙を見て
監禁場所から脱出に成功。しかし犯人はグリコ製品に
青酸カリ入りのお菓子をばら撒き、グリコ食品に
脅迫を続ける。その脅迫の手はその後森永製菓、
ハウス食品、不二家などにも広がり、結局1年半後
犯人から一方的に終結宣言が発せられ、その後何の
動きもないまま2000年に時効を迎え、事件は
闇に葬られる。

・・・・ま、こんなところです。

自分はこの時中学生でした。たしか事件は金曜日だった
ような気がします。土曜日の朝刊にグリコ社長の誘拐の
記事が新聞一面に飾っていたにも関わらず、その日の
夕刊にはそのことに触れた記事が1行も無かった事に
物凄い違和感があったのを覚えています。当初は何かの
トラブルに巻き込まれた拉致事件だと警察やマスコミが
思っていたからなんでしょう。しかしその後身代金の
要求があった為、その後慌てて報道規制を敷いたんで
しょう。

この本とにかく面白いです。

企業恐喝という犯罪はこの事件が原点だったようです。
大量生産、大量消費の時代の始まりで、遺留品から
犯人に結びつく証拠が見つからず、現代社会の盲点を
ついてきています。また数多くの参考人、重要参考人と
グリコを結ぶ点と線。そしてその延長線上に浮かび上がる
ある存在・・・・。一瞬ちょっとフィクションを加えて
いるのでは?と思う節を感じるほど緊張感ある
ルポルタージュです。

実は自分はこのような未解決事件の話には興味があるんです。
なぜ解決できなかったのか?闇の先に何があるのか?
ということに自分の好奇心がくすぐられるからでしょう。