ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

26-20 「それはクレアとフランシスだから」だって?意味分かんないよ!

2023年03月07日 | 第26話 婿になった修道士
 

 クレールさん、
犬に好かれるタチのようで、
すぐカッカとなって吠える
年下わんこ男子にも
まとわりつかれて大変です。

 で、パリからも逃げて
来たんでしょうか?


 年上のハリソンさんには
(ちなみにハリソンさんも今までに登場した
女性キャラ達からは 「わんこ待遇」 
だったような…気が…😅)
助け船を求めているだけ
なのかもしれませんが、
「クレールとフランシスだから」
―とは謎めいています。

 一同の中である人物だけが
クレールさんの言っている事の
意味が分かったらしく、
次ページで自信たっぷりに
語る事になるのですがー。

🌱 続きは明日。



 

26-19 メアリーとイーゼット、ティルシとハリソン

2023年03月07日 | 第26話 婿になった修道士


 25話のラストで
ハリソンさんはクレールさんが
白い犬を連れて来ていると知り、
おかみさんを通して
会わせてほしいと頼んでいました。



 けれども、おかみさんが
ホールへ戻った後の話の流れの中で、
その事をすっかり忘れてしまい、
ハリソンさんに返事が伝わっていません。

 クレールさんはOK出したのに、
ちっともハリソンさんが来ないので、
迎えに来てしまったようです。

 クレールさんとエクトル氏は
同じ時期にパリの英語勉強会で
学んでいた事があり、
互いを英語変換名で呼び合っていました。

 クレールさんの洗礼名は
マリクレールなので、
頭のマリーを英語化してメアリー。

 エクトル氏は姓の直前の名が
イゼシェルで、英語ではイズキールとなり、
Ezekielの綴りの頭2文字からイーゼット。

 ちなみに白わんこ・ティルシ君の名は、
ルネサンスに書かれ、
後の時代も絵画やオペラの原作として
人気のあったトルクァート・タッソ作の
牧歌劇「アミンタ」から。

 主人公アミンタの親友で
恋の相談役となる人物の名から
付けられています。

 🌱 続きは明日。



 

 

 



26-18 今時の勇者は剣では戦わねぇんだっての!

2023年01月28日 | 第26話 婿になった修道士


 ハリソンさんからすれば、
決闘は17世紀位までならまだしもねぇ〜
な、古臭×短絡的問題解決手段
なのでした。

 18世紀も60年代の今では、
カツラ+法衣の方々が方々にいるし、
新聞や雑誌やパンフ、小説やオペラや演劇で
不正や不平不満を訴え世論を味方に付けるが良し。
何を自ら剣を振り回す必要など
あるんだろうか?と。

 すぐカッカとして
〈愛〉でも〈憎〉でも即実力行使。
英国人を「愛にも理屈をこねる冷てーヤツら」
と決め付ける、
誠にもってフランス人らしい解決法だと。

 そんなハリソンさんでも、
四面楚歌に開き直り凶暴化、
毒舌絶好調な閣下のお言葉には流石にムカッ腹。

 …それでも、流血の惨事にはならない。

 世に流行中で、自分も書こうと思っている
旅行記の未来の大ヒットを更に心に固く誓い、
「成就した暁こそが真の我が勝利の時」
とハリソンさんは思うのでした。

🏔️ 続きは来週以降。

26-17 股引丸見えでもカッコいい男?!

2023年01月25日 | 第26話 婿になった修道士


 修道院の方々、
年端の行かない子供達からは
「茶色いおじさん達」と呼ばれていました。
リュシエンヌも父親から再三
注意されてはいましたが、
幼少時からずっとそう呼び続けています。

 デノワ氏自身も修練時代に
そう呼ばれてショックを受けた事が
あったのでしたが、
今話冒頭、英国の牧師さんからは
もうハッキリ「糞坊主」と
英語で罵られちゃってます。


 当時は道路状況も悪く、
舗装されて無い道は
雨が降ったらなかなか乾かないドロドロ泥道。

 舗装が良くてもゴミや汚物まみれ、
雨天時には川みたくなってしまう。
そういった場合、裾の長い服を着ていたら
最悪まくり上げるしか無くなります。

 で、茶色いおじさん達、
そういうのに備えて、
下には股引履いていました。

 托鉢や宣教、ボランティアや
その他の労働等で外歩きが多いため、
そういう事が起こりうるのを前提に、
サン・フランソワ様存命の頃から
「制服は股引込みでの支給」
これまたわざわざ規則となっていたのでした。

 ウィリー・スーパー(ギョーム・シュペール)
氏はその事をからかっています。

 ノアイラさんの願いにも関わらず、
次ページではハリソンさんと侯爵閣下が
バッチバチの睨み合いとなってしまいます。

🏔️ 続きは週末。

26-16 制服で品定めをする娘

2023年01月06日 | 第26話 婿になった修道士


 若い頃のデノワ氏、
今話の冒頭で茶系の服着てるので、
サン・フランソワ会の分派、
カピュサン会系列の院で修行していたようです。

 他の修道会は白や黒を基調とした
シックな出で立ちなのに、
全茶だとリュウさんには
垢抜けてなく見えるようで、
「高校や企業の制服」「イケてる坊さん」
のノリでぶっちゃけちゃってます。

 サン・フランソワ会設立者は
イタリアの裕福な布商人の長男で、
若い頃は色鮮やかだったり、
最近の日本の芸能界でも見かける
左右非対称服みたいな、
つまりド派手服を好んで着ていました。

 騎士階級への憧れの夢破れ、
重病を転機に回心し、修道生活に入ると
上記服装の趣味やら
パーティピープル生活してた事
やらの反省から、
質素で地味過ぎる服装・生活
をするようになりました。

 「服が破れたら布切れで繕うように」と
わざわざ会則に書いてあったり
しているのでした。

 設立者の死後、
清貧へのこだわりがエスカレートして
拠点の地から追放するよう
教皇から当地の国王へと要請があった
オンボロ装束の分派すらあったようです。

 リュウさん、
カルム会はカッコいい方に入れてますが、
この会もフランスに出現した13世紀中頃は
制服がダサいと当時のパリジャン&パリジェンヌから
「縞坊主」と呼ばれ虐げられていました。

 会の方では
度重なる暴言暴力には決してめげず、
教皇からのデザイン変更の要求も
1287年まで突っぱね続け、
他国の会員の中には次世紀初期まで
縞柄の服装で通したツワ者もいたようです。

 ウィリー叔父さん、
ラブレーやノストラダムスが生きていた頃や、
ルイ14世時代のプロテスタント民の
ような態度を取ってはいませんが、
所々でカトリックの不可解さに首を傾げ、
表明しています。

 そして、デノワ夫妻はこの後、
フランソワ会との間にまた問題が起こるかも
しれない事に全く気が付いていないのでした。

🍁 続きは来週以降。