ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

26-16 制服で品定めをする娘

2023年01月06日 | 第26話 婿になった修道士


 若い頃のデノワ氏、
今話の冒頭で茶系の服着てるので、
サン・フランソワ会の分派、
カピュサン会系列の院で修行していたようです。

 他の修道会は白や黒を基調とした
シックな出で立ちなのに、
全茶だとリュウさんには
垢抜けてなく見えるようで、
「高校や企業の制服」「イケてる坊さん」
のノリでぶっちゃけちゃってます。

 サン・フランソワ会設立者は
イタリアの裕福な布商人の長男で、
若い頃は色鮮やかだったり、
最近の日本の芸能界でも見かける
左右非対称服みたいな、
つまりド派手服を好んで着ていました。

 騎士階級への憧れの夢破れ、
重病を転機に回心し、修道生活に入ると
上記服装の趣味やら
パーティピープル生活してた事
やらの反省から、
質素で地味過ぎる服装・生活
をするようになりました。

 「服が破れたら布切れで繕うように」と
わざわざ会則に書いてあったり
しているのでした。

 設立者の死後、
清貧へのこだわりがエスカレートして
拠点の地から追放するよう
教皇から当地の国王へと要請があった
オンボロ装束の分派すらあったようです。

 リュウさん、
カルム会はカッコいい方に入れてますが、
この会もフランスに出現した13世紀中頃は
制服がダサいと当時のパリジャン&パリジェンヌから
「縞坊主」と呼ばれ虐げられていました。

 会の方では
度重なる暴言暴力には決してめげず、
教皇からのデザイン変更の要求も
1287年まで突っぱね続け、
他国の会員の中には次世紀初期まで
縞柄の服装で通したツワ者もいたようです。

 ウィリー叔父さん、
ラブレーやノストラダムスが生きていた頃や、
ルイ14世時代のプロテスタント民の
ような態度を取ってはいませんが、
所々でカトリックの不可解さに首を傾げ、
表明しています。

 そして、デノワ夫妻はこの後、
フランソワ会との間にまた問題が起こるかも
しれない事に全く気が付いていないのでした。

🍁 続きは来週以降。






 




 

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