江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

国際リニアコライダー(ILC)の九州誘致を求める決議

2013-06-20 16:00:55 | 鳥栖市議会
国際リニアコライダー(ILC)の九州誘致を求める決議が賛成多数で可決されました。
賛同いただいた議員の皆さんには感謝申し上げます。


決議案の提案理由説明は以下の通りです。

天桜会の江副でございます。ただ今議題となりました決議第1号国際リニアコライダー(ILC)の九州誘致を求める決議(案)について私の方から提案理由の説明をさせていただきます。
ILCが目指すものは何か、ILCがもたらすものは何か、ILCを迎える準備が九州で既に進んでいること、そして九州・脊振地域を建設候補地として日本が国際プロジェクトに参加するようにとお手元の決議案には綴られております。
ここで若干補足説明させていただきますと、世界経済のけん引役はアジアであるという経済分野の姿だけでなく、ILCが所属する物理学の分野においてもアジア地区研究者の活躍が昨今著しく、その貢献も大きいことから、今回のILC建設はアジア地区において出来ないかという希望が欧米諸国の研究者の中にも強いとの記事をよく目にします。一方現在までのところ日本及びアジア地区にはこうした強大な施設を要する国際研究所というものは未だ設置されておりません。九州はご存じのように歴史的にアジアへのゲートウエーとしてその役割を果たしてきたものであり、また現在アジアから多数の留学生を受け入れアジアの国から支持されている地域でもあります。このILCが九州・脊振に設置されれば九州がアジアのセンターとしての位置付けをさらに確かなものにし、そして未来への大きな礎となるものと期待されます。
言うまでもなく鳥栖市は九州シンクロトロン光研究センター、佐賀国際重粒子線がん治療センターが既に設立されており、一足先にまさに先端加速器がある街となっておりますし、そうした物理学の研究者が少なからず既に活躍されている街でもあります。そして鳥栖市としては九州・山口の産学官政が一体となったILCの推進組織である「ILCアジア―九州推進会議」のメンバーでもり、その普及推進を既にしている立場であります。この国際プロジェクトの全容を理解するのは内容が専門的で大変難しいものですが、候補地決定前と言われているこの時期にご賛同いただける議員の皆様には心より感謝申し上げたいと思います。
以上のような状況において、鳥栖市議会においても国際リニアコライダー研究施設の九州・脊振地域への誘致を国において正式に決定することを強く求めるとともに、鳥栖市議会は誘致実現に向けた活動を強力に推進することとの決議をご提案いたします。ご賛同の程宜しくお願いいたします。


また、決議案の文面は以下の通りです。

国際リニアコライダー(ILC)の九州誘致を求める決議(案)

万物の質量の起源とされる「ヒッグス粒子」や「超対称性粒子」などの未知の粒子を探索し、宇宙の起源の解明に挑戦する国際リニアコライダー(ILC)研究所の建設の検討が進められており、その国内候補地の一つとして、九州の脊振山地が挙げられている。
第一線の科学者や技術者が世界中から集まり、様々な最先端の研究開発を行なうILC研究所の日本での実現は、先端分野において、世界のイノベーションをけん引するとともに、日本の未来にとっても若者にとっても重要なものであると考える。
九州・脊振地域では、地域が持つ充実した都市機能や大学・研究機関の集積が進んでおり、国際リニアコライダー研究所の立地に際しても、同地域が持つこうしたポテンシャルを最大限活用できるものと確信するとともに、世界の頭脳が集まることで、九州が世界の知の拠点となることはもとより、新しい産業の集積や技術革新など、九州から日本、さらには世界に貢献し、全体に大きな波及効果をもたらすことが可能である。
さらに、世界の中で唯一設置される施設が立地することで、地域に暮らす子供たちをはじめ市民が、世界最先端の科学や世界的な研究者を身近に感じる機会を得ることができ、それによって、基礎科学や理科の分野における学習意欲や関心が高まることも期待できるものである。
こうしたことから、九州では、社団法人九州経済連合会や九州大学、佐賀大学など、産学官が連携して、ILC計画実現の具体像を示した「ILC立地による国際研究教育都市構想(サイエンスフロンティア九州構想)」を策定したほか、九州・山口の産学官政が一体となったILCの推進組織である「ILCアジア―九州推進会議」を設立するなど、一体となって九州・脊振地域への誘致を目指している。
よって本市議会は、国際リニアコライダー研究施設の九州・脊振地域への誘致を国において正式に決定することを強く求めるとともに、鳥栖市議会は誘致実現に向けた活動を強力に推進するものである。

以上、決議する。


平成25年6月20日

鳥 栖 市 議 会