Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

Winter Wonderland

2011-01-08 | 
 
 情緒が不安定だ。
 気分の浮き沈みが激しい…
 年明けから「躁」と「鬱」が南氷洋の荒波に翻弄される小船のように
 日替わりで襲ってくる…かなり気分が滅入る(今日は鬱か?)

 気分転換に皿ヶ嶺の「冬の森」へ出かけてみた。
 それも、なかなか踏ん切りがつかないままに、出発したのは9時半過ぎ。
 こんな時間じゃ、霧氷も落ちてるだろうなぁ…

 おいわさんお千代さんの皿ヶ嶺情報から、今年は例年になく雪深いのは知っていた。
 上林集落の一番上辺りの道路脇にバイクを停めて、
 そのまま農道を突っ切る形で、ログハウス手前まで出る。
 路面は白く雪を被り、轍はカチカチに凍結。
 でもカーブを曲がると雪も少なく路面が乾いている。
 車道から登山道へ入ると、やっぱり雪景色。
 ふかふかの雪の方が歩きやすい。
 トレースは、ずっと風穴まで続いている…
 路面の凍結する冬期は下から登る人がグッと増えるようだ。
 水の元まで来ると積雪は30cmを超えるくらい。
 見上げる皿ヶ嶺の森が白く霧氷に覆われている…ヤッホー!

  
   
  

 風穴から上に来ると積雪は50cmを超え、吹き溜まりは腰まで埋もれる。
 ミズナラの大きな樹のあるカーブからトレースは消え、久し振りのラッセル。
 皿ヶ嶺で、膝から腰まで埋もれるラッセルをするなんて…まったく記憶にないくらいの驚き。

 しばらく雪と格闘していると、下山してくる人と出会う。
 「これから上は、トレースもあり大丈夫ですよ」と声をかけてくれる。
 「えっ?」その顔をみて、びっくり!
 「Nさん、お久し振り。ご無沙汰しています」
 皿ヶ嶺の生き字引、その頭脳には、この森のあらゆる知識が詰まっている。
 皿ヶ嶺リピーターでNさんを知らなかったら、
 はっきり云って、まだその人はビギナーだ(笑)
 マロンさんの話では、Nさんのファンクラブもあるらしい。
 ひとしきり再会を喜び、お互いの近況を語る。
 しばらく皿ヶ嶺通いが続きそうだ。
 またNさんから、たくさんの森の話を聞こう。
  
   
   
  
   
  
  
        
 竜神平も一面の雪野っ原。
 愛大小屋の扉も雪に埋もれている。
 雪原へ一歩踏み出すと膝まで埋もれる…ははっ~なんだか楽しくて笑いが込み上げてくる。
 日没まで雪野っ原の竜神平で、沈みゆく夕陽に刻々と変わる光の行方をカメラで追い続けた。
 水の元まで下りてくると真っ暗。
 ヘッドランプを取り出しての下山となった。

 雪山は晴天の日帰りでも、予期せぬアクシデント(天候の急変など)に見舞われる。
 ある程度のリスクを想定して、最低必要限の装備で入山したい。
 新年5日の石鎚遭難報道は、そんなことを改めて思い知らされた。
 山歩き、ましてや雪山において絶対安全なんてことはありえない。

 それとも私自身の遭難体験が、報道に対してナィーヴに反応し過ぎるのでしょうか?

 

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
凄い積雪 (青嵐)
2011-01-08 20:34:36
「なんだか楽しくて笑いが込み上げてくる」気持ちが良く分かります。
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麗しの森 (千代)
2011-01-08 21:43:51
わ~い♪ waiwai隊が行った時より、霧氷も多くていいですねぇ~。ただ、私は沢筋の落ちて来ているサラサラの雪は苦手です。あれさえなければ、毎日でも行きたいです~。

やっぱり、朝陽か夕日の頃に行きたいけど・・・、なかなかです。

タイトルは、3月の日本山岳写真協会関西支部展に展示する写真(皿ヶ嶺のブナ)の題です。もう一枚石鎚山の写真も展示します。四国に帰ったので四国の写真で。(*^_^*)
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最高の癒し (kyo-chan)
2011-01-09 00:22:14
身体を動かし、美しい荘厳な自然界に入り込む。
最高の癒しですね。しんどいときに鼻歌が出る。こんな事って小生にもありましたが、まさに雪との格闘のなかで「ははっ~なんだか楽しくて笑いが込み上げてくる」この気持ち。同じでしょう。

充実した日が過ごせて良かったですね。本日は3連休中最も穏やかな日だったとか。
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Unknown (落葉松の霧氷)
2011-01-09 00:44:32
青嵐さん、今シーズンの皿ヶ嶺は面白そうです。
だいたい皿ヶ嶺は雲がかかることが多いので、
霧氷の発生率は高いのですが、雪深い山ではありません。
それが、この雪です。
本当、笑ってしまうくらい嬉しい誤算。

この間話していた竜神平から望む落葉松林の霧氷、
今年は何度か狙えそうです。
返信する
写真展開催間近 (ランスケ)
2011-01-09 01:09:04
お千代さん、写真展「白き神々の山」の開催、間もなくですね。
楽しみにしています。

へぇ~皿ヶ嶺のブナを山岳写真協会展を出品されるのですか。
お千代さんの切り取った「麗しの森」が、どの辺りか気になりますね(笑)

たぶんお千代さんが、最も皿ヶ嶺に近い場所に住んでいる
ようですから、是非もっと足繁く通ってください。
青嵐さんのコメントに対する返信(署名を忘れました)
でも触れたように、今シーズンの皿ヶ嶺は面白そうですよ。

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身体を酷使して森のなか (ランスケ)
2011-01-09 01:30:09
kyoichさん、部屋にこもって本を読んでいるとダメです。
あらぬ方向へ意識が飛んだり沈んだり…
母の喪失が今頃、レバーブローのように効いてきています。

仰る通り。
身体を動かして自然の只中に身を置くことが一番だと思います。
でも毎日遊んでいると干上がってしまいますね(苦笑)
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静寂 (鬼城)
2011-01-09 12:47:16
すごい雪、素晴らしい写真、ありがとうございました。
休みに家にいるのは行動派には良くないですね。
自分にも強く言い聞かせます。(笑い)

しかし、皿が峰にラッセルが必要なくらい積もるのは久しぶりではないですか。
遙か昔、大学時代に経験しました。
手作りのスキーで斜面を滑ったことがありました。

ランスケさんの雪便り、これからも大いに期待しています。
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皿ヶ嶺で山スキー (ランスケ)
2011-01-09 22:18:42
鬼城さん、先週はお世話になりました。

お城山の切り株に対する私の疑問に対するEメールでの
丁寧な回答ありがとうございます。
宇和島伊達藩と共に年輪を重ねてきた歴史の生き証人のような存在の巨樹。
それを私たちの世代で伐ってしまうのは、あまりにも傲慢に思えました。

樹木は地球上の生命で、最も長寿な存在。
私たち人間の10世代も20世代にも渡る長い歴史を生きながられてきたこと
を想像するだけで気が遠くなるような命の尊さを覚えます。

鬼城さんにとって皿ヶ嶺は、石鎚と共に学生時代の思い出の地ですよね。
皿ヶ嶺で山スキー…ははっ~こちらの方がもっと楽しそうですね。
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嬉しい予想外の雪 (カタックリ)
2011-01-11 18:06:51
ランスケさん 
皿に行かれましたか~。
凄い雪だったでしょう。
私も こんな積雪の皿は 初めてでした~。
ちょうど 私が行った3日は 千代さんと
ニアミスで 私たちは千代さんから確認できたと思いますが 私は 千代さんを知らないので
今度 15日に写真展に行って ご挨拶をしてきますね~。どんな写真展か楽しみです。

>なんだか楽しくて笑いが込み上げてくる。

ランスケさん 楽しい笑いがでてきて このランスケワールドのみなさんも喜んでいると思いますよ~。私も 嬉しいです。まだまだ 悲しみからの脱出は難しいでしょうけど 少しずつ時間をかけて抜け出ましょうね。
マロンさんや私をいつか 石鎚山の穴場に案内してくださいね。楽しみにしています。
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たびん大丈夫 (ランスケ)
2011-01-11 19:20:50
うん、カタックリさん、もう大丈夫だと思います。
部屋中、仏壇のある居間も含めて両親の写真だらけです(笑)
散歩に連れ出す度に遺影に使うからと言って撮っていました。
それが本当に良かったと、二人の様々な表情を毎日眺めることで納得しています。

身体を動かして自然の只中にいることが、やっぱり最高の癒しですね。
母の四十九日と納骨を終えれば、石鎚解禁です。
また御一緒しましょう。
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