goo blog サービス終了のお知らせ 

VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

桃花徒然 その69

2022-12-02 12:16:33 | 永遠の桃花

枕上書  番外編より

 

東華の禁制バリアを攻撃していた神仙たちは 少し

休憩しようとしていたところであったが、突然

目の前に現れた小さな子供が、なんの苦も無く

バリアを通って  、いとも簡単に門を開けるのを

呆然として見ていた。自分たちが  渾身の力を

振り絞っても 開けられなかったバリアを難なく

通って行ったのみならず、 49人の心血と知恵を

注ぎ込んで、千と九十五日の昼夜をかけてもなお

触る事の出来なかった門を開けた・・・

 

門を通り抜けたゴンゴンは  慣れた足取りで小舟に

乗ると、花木の海を抜け  石宮の前まで来たが

その時  ようやく  何かが違う事に気が付いた。

石宮の右側、海につながる花園は見当たらず

代わりに 鬱蒼と茂った小さな林があった。

また 昨年 父君と一緒に作った玉の看板ではなく、

自分の知らない文字が書かれたものが  門に

掛かっていた。

 

しばらく考えていると  見た事のない哥哥が目の前に

飛び降りてきた。彼は自らを碧海蒼霊の筆頭仙者と

名乗った。(字を出すのが大変なので 以下 従者と

します)

ゴンゴンは混乱した・・・この名前は聞いて

知っていた・・・現在の父君の従者 重りんの

祖父の名前だ。ゴンゴンの知る限り  彼は

十数万年前に羽化していた。

 

彼から どうやってこの場所に入って来たのか

尋ねられたとき  ゴンゴンは  生まれて初めて

どもってしまった。

「ぼ・・僕は  父君  つまり  帝君・・すなわち

東華帝君・・ぼ・・僕は  彼の息子 ・・ 名は

白ゴンゴンという・・・」

それを聞いた従者もまた  ひどく頭が混乱

してしまったが  この小仙童を  丁重に案内

する。

父君の元へと行く道すがら  ゴンゴンはずっと

思いを巡らせていた。

三年前、崑崙虚で大きな事件があった。その時、

少かんが大昔に人間を凡界に送り込む時、 自分の

身を呈して協力し、死んだと思われていた光神

祖媞(以下 祖ていとします)が戻って、後  彼女は

連宋叔父の元極宮で閉閑していた。(蛇足ですが

祖ていが死んだはずなのに、26万年後に復活した

という事は  少かんも もしや・・・?)その為

連宋叔父は元極宮全体を法陣で覆ったという。

ゴンゴンはその朝 うっかりその法陣に

触れてしまったのだろう。そのせいで 時空を超えて

しまったに違いない。そのような話をゴンゴンは

白浅姑老姥姥の本で知っていた。

祖てい神の得意分野は時空を超えるわざだった。