昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

わたしの見た、おフランス・パリcity (旅行記) 四十九

2013-08-04 14:32:54 | よもやま話

(四十九)

一つ、ブティックの事で言い忘れていました。大事なことです。

商品構成が、とても少ないらしいです。そして商品の大半が、ウィンドウに飾られているとか。
お店も広くありません。少人数のお客さんでも、ごった返し状態になるとか。

まあ、ないとは思いますが、万引きをされても対処できないのかもしれませんね。
ですので、店内での物色は厳禁だとか。
ウィンドウで品定めをして、「これください」といった調子らしいですよ。

添乗員さんの言葉を思い出しました。でも、なんでわたしに教えてくれたのでしょう? 
ブティックになんか行く顔、してませんよ、わたし。

えっ? プレゼントして欲しかったの? 添乗員さん。
なんだ、そうならそうと、はっきりくっきり言ってくれなくちゃ。いけずぅ!


情けないです、はい。コンシェルジェリ、結局、パスしました。
小一時間の散歩(?)で、これほど疲れるとは。

元気凜々で、十分な体力回復がなったと思ったのですが、どうにも……。
ウィンドウの中の品定めに、ちぃとばかし疲れたようで。

色々と妄想を巡らせし過ぎましたかな。小説のネタ探し的なところも……
あの節などは、そのまま小説としてしまってもいいような……

あ、決して、作り話ではありませんぞ! 
間違いなく、あのような洋服が並んでいたのですから。

写真を撮るのは、ちと憚られますしね。
フランス語が話せれば、オーナーとお話をしつつの撮影もあり得ましたが。

そうそう、コンシェルジェリです。
実のところは、行きたくなくなったのです。

アントワネット妃が最期を送られた牢獄など、見たくなくなったのです。
自分の好きな女性(ひと)が苦しんだ場所など、あなた、見たいですか? 

「小説にするのなら、事実確認はしなければ」

痛いところを突きますね。確かに、それも一理あります。
でもわたしは、そこのところに触れるつもりはありませんのです。

そしてまた、ひょっとすると、[アントワネットに恋した男]そのそものが、大幅に遅れるかもしれんのです。
悪い癖です、わたしの。新しい構想が浮かびまして、そちらの方に……

加藤登紀子さんが悪いのです! 彼女が、[百万本の薔薇]などというシャンソンを聴かせるからいかんのです。
いやその前に、ムーラン・ルージュにおいて、シャンソンを堪能させてくれなかったら、だから、帰国してから猛烈にシャンソンを聴きたくなり、越路吹雪さま、岸洋子さま、そしておときさんこと加藤登紀子さんの楽曲を聴いたのです。

[ラストダンスは私と][ろくでなし][希望][愛の賛歌]そしてそして[百万本の薔薇]
しびれました、ほんとに。実に、良い! 

胸が締め付けられる思いでした。

貧乏な絵描きが全財産をなげうって、女優のために薔薇を買い求めたというのに。
部屋の前の広場に、その薔薇を敷き詰めたというのに。

どんな思いで敷き詰めたことだろうか。
一本一本を、女優への愛を口にしながら、熱い熱いベーゼを夢見ながら敷き詰めたろうに。

あろうことか、金持ちの道楽だと勘違いしてしまうとは。ふざけてる、と思うとは。
あぁ、なんと、人生の無常なことよ! 神の無慈悲なことよ! 

待て待て、どうして絵描きは、自分だと名乗らない? 
一文無しになってしまったゆえか? 愛のために、全財産をなげうってしまったゆえか?

彼のロートレックも、ムーラン・ルージュの一人の踊り子に入れあげてしまったと言う。
毎夜毎夜、足繁く通ったという。

[百万本の薔薇]
小説にしよう。現代版の、[百万本の薔薇]を書こうじゃないか。

貧乏な絵描き、格差社会における貧乏人。
派遣社員として、将来(さき)の見通せない青年が、フラメンコダンサーに恋をしてしまった。

仇役は、当然に金持ちだ。
一瞬の判断で損得の決まる、投資の世界に居るデイトレーダー。

そしてそして……これ以上は、内緒! 
どちらが、彼女の愛を勝ち取るのか。そしてまた、百万本の薔薇がどう絡むのか。

むふふ……、意欲が湧いてきた。けれども、その前に、この旅日記を終わらせねば。


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