いやあ、参っちまいました。
「6月に誕生日を迎えられたので、身体検査をしますなんて、月一回の定期検診でいわれました。
「体重は……。あらあ、大台ですねえ、80.5kgです」
「身長は……。あらあ、縮んじゃいましたねえ、171.3cmです」
「あらあ」が、口ぐせの看護師さん。
すこし、ショックが和らぎましたけど&hel . . . 本文を読む
杉の大木はもう年だった。
その皮は、年老いた老婆のそれのごとくに、ひからび、今にも崩れ落ちそうな……。
日当たりのよい縁側に、深く背を曲げて、ひなたぼっこを楽しむ老婆。
その背に漂う満足感。と共に、そこに悲しさを見る、この私。
杉の大木を見上げる。私の背の何十倍もの高さ。
今また、新たな感動で見上げる。
「いつかきっと……」 . . . 本文を読む
ーええ! そりゃもう。
おそらく、ボーイフレンドは二、三人はいると思うんです。
でも、そんなことは問題じゃない。
あの子はあの子であり、俺は俺。
ボーイフレンドの多いということはとりもなおさず、チャーミングということですからね。
=なるほど、道理だ。うん、いいぞ!
そんなおまえには、何ともいえない若者の美しさがあるよ。
やっぱり、人間は恋してる時がいい。
もっともっと恋をしろ!
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=Existence Value=
”Existence Value”ということを意識しはじめたのは、高一の後半だったろうか? 頂点は、高二の夏休みと思う。
そのころ某大学内において、ガン細胞を植え付けたハツカネズミどもの世話(バイト)をしていた。「くれぐれも気をつけて!」と、毎日のように言われていた。
わたしを気遣ってのことではない。
ネズミの世話で手を . . . 本文を読む