(三)
「茂作さん、ほんにおめでたいことで。
日の本一のおむこさんをお迎えなすった。
ご本家さんにも、鼻が高かろうて。
色々ありなすったものな。の、の、の。」
「婿さん、ありがとうございますの。
こんなに豪勢な祝宴に呼んでいただけて。
それに、子どもらにも気を使うてもろうて。」
「ほんに、ほんに。
見たこともない菓子をもらって、大喜びしとります。
ただ娘たちが、小夜子さぁに続けとばかりに、の。
『あたしも行きたい』なんちゅうて、困らせますわ。」
新郎である武蔵の下に大勢の村人が集まってきた。
皆が皆、一応に武蔵を褒めそやす。
武蔵は、娘婿である。
本来ならば喜ぶべなのだが、茂作の機嫌はすこぶる悪い。
「この男は実に情けない。
軍隊時代、厠の掃除ばかりさせられていての。
皆に馬鹿にされていたのよ。
大正生まれの、軟弱男よ。」
「茂作さん、ほんにおめでたいことで。
日の本一のおむこさんをお迎えなすった。
ご本家さんにも、鼻が高かろうて。
色々ありなすったものな。の、の、の。」
「婿さん、ありがとうございますの。
こんなに豪勢な祝宴に呼んでいただけて。
それに、子どもらにも気を使うてもろうて。」
「ほんに、ほんに。
見たこともない菓子をもらって、大喜びしとります。
ただ娘たちが、小夜子さぁに続けとばかりに、の。
『あたしも行きたい』なんちゅうて、困らせますわ。」
新郎である武蔵の下に大勢の村人が集まってきた。
皆が皆、一応に武蔵を褒めそやす。
武蔵は、娘婿である。
本来ならば喜ぶべなのだが、茂作の機嫌はすこぶる悪い。
「この男は実に情けない。
軍隊時代、厠の掃除ばかりさせられていての。
皆に馬鹿にされていたのよ。
大正生まれの、軟弱男よ。」
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