三部構成の、大長編です。
どうぞ気長に、読んでください。
実はこれ、まだ執筆中なんです。
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「公私の私だよ、今は。
遊びに来たんだよ、分かっているのかな?
浮世の垢を落とすために来たんだよ。
ねぇ、佐伯君。
君は、分かってるよね?」
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実はこれ、まだ執筆中なんです。
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「上よ! アイディイアと、イントネーションを強くしろよ。
それにドはないぞ、ドは。」
「ここは日本国だ。
アメリカ国じゃないんだ!
日本のアクセントで良いんだ。
なあ、上ちゃん。」
珍しく正三が、他人をかばった。
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津田の話に、慌てて山田と坂井の二人が止めた。
「その話はやめろ! 機嫌が悪くなっちまう。」
「終わったんだ、その女性とは。
お前、聞いてないのか!」
「性悪女だったんだよ、二股なんかかけたりする。」
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「あれ? 誰だ、彼女は。
手招きしてるじゃないか、行かなくちゃならんのかな。」
と、車の行き交う中に飛び出さんばかりにする正三。
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杉田の先導で、きらびやかなネオンサインの下を初めて練り歩く正三。
キョロキョロと辺りを見回す正三に、
「坊ちゃん、まるでお上りさんですよ。
恥ずかしいからやめてくださいよ。」
と、上本が正三の袖を引っ張った。
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ホテルのロビーでの一件は、少なからず正三のプライドを傷付けた。
“確かに連絡をしなかったのは僕の落ち度だけれども、
あんな公衆の面前であれほどに罵倒されるとは。
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(九)
「キャバレー? こりゃ意外だ。
佐伯くんの口からそんな言葉を聞けるとは。
好きですよ、キャバレー。
実を言うと、その方が良いんです、あたしは。
今ね、口説いてる女給がいましてね。」
「それは好都合だ、そこにしましょう。
是非にもその女給さんに会ってみたいものです。
課長の好みの女 . . . 本文を読む
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「課長。
局長への報告、済ませてきました。」
乱雑に積み上げられた書類の陰から、くぐもった声が返ってきた。
小柄の五十を数える杉田課長で、正三に頼りきっている。
「ありがとう、ご苦労さんでした。
佐伯くんが行ってくれると助かるよ。 . . . 本文を読む
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入省したての頃の正三ならば、こんな横柄な口の利き方はしなかった。
しかし今は、一段見下ろしての言葉遣いになっている。
「あぁ、あれね。
先月済んでる、入学許可証も届いているよ。 . . . 本文を読む