昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

原木 Take it fast! (十四)遅くまで討論

2024-08-22 08:00:18 | 物語り

 その日は、三人で遅くまで討論をした。
そして、六項目-ほどの問題点にまとめあげた。
そのうち、四項目が学校側の不てぎわに思えた。
もっとも、噂話が真実だという前提なのだが。
女子生徒からの情報も、幾分あやふやではあった。噂ばなしの元がわからないのだ。
はっきりしたのは、女子生徒だけが知っていて、男子生徒の誰も知らないことだ。
そして、一部の教師のあいだでも噂には上ったらしいのだが、職員会議での議題にはなっていないらしい。

 予測していた事とはいえ、腹わたの煮えくりかえる思いを、三人とも感じた。
もし、この教室にその教師がはいってきたら、有無をいわさず行動派はなぐりかかったろう。
そして、ヒネクレ派も手つだうだろう。
が、真面目派だけは、それをじっと見守り、つぶやくだろう。
「これだ、これが原因だ。弱体化している。
教師がホワイトカラー化している。事なかれ主義のまんえんが問題だ」

 三人は、不きげんだった。
そろって校門をくぐって歩き出しても、ムッツリと黙りこくっていた。
なにも、解決していない。
生活指導の教師に、噂ばなしの真偽を問いただしても、
「そんなことはない! あってはならないことだ!」と、建前論で押し切られてしまった。

「生徒の立ちいる問題ではない!」と、一喝されてしまった。
たしかに、その通りだった。はっきりとした証拠もないのだ。
あくまで噂ばなしなのだから。
 教師に片思いをしている女子生徒の、願望にもにた夢ものがたりが、尾ひれがついての噂ばなしかもしれないのだ。
女子生徒の間だけの、しかも三年生の間だけの噂ばなしというのも、おかしくはあるし。

 



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