埼玉のかあちゃん社長奮闘記_サステナブルな毎日

起業して20年超。藍染めを傍らに太陽や風、星や花の声を聴きつつ埼玉とみなかみを行き来する埼玉のかあちゃん社長奮闘記です。

田舎の学校が楽しいわけ

2006-02-09 11:47:26 | ライフ&ワーク
「ママー、学校が楽しくてどうしよう!」ご飯を食べながら、ニコニコして言う娘。「どうして?」と聞き返すと、「だってできるんだもん!」との答え。そんなこと自分で言うか?とはいえこの娘、それほど勉強ができるわけじゃあない。スーパーにお買い物に行っても怪しい足し算の連続さ。それなのに、なぜ?

2月8日(水)、文部科学省の諮問機関である中央教育審議会の教育課程部会が審議経過報告書案をまとめた。これは2007年に実施予定の学習指導要領の見直しに反映させる方針らしい。どうやら「ゆとり教育」を見直すことになるようだ。私は、「生きる力」をつけるため、地域の力を教育に取り入れる地域2日制を目指した学校5日制の「ゆとり教育」が目指した方向は間違っていなかったと思う。ただ、当時の文部省が描いた理想のようには「地域」に力がなく、学校が閉鎖的だった。そのために、先生方が苦労したわりにたいした成果が出ない「ゆとり教育」が実施されてしまった。だから多くの子どもに生きる力はつかなかった。

子どもたちが悪いのではない。私はひとりの大人として自分の周りを少しでも変えたいと思ったけれど、いや今でもそう思って行動しているけれど、そんなに簡単に世の中は動かない。だから本当に申し訳ないけれど、私は自分の子どもにだけを田舎の学校に転校させた。山村留学だ。私の場合、離婚して田舎に住むことに決めちゃったんだけどね。

2003年にOECDが行った国際学力調査では「我が国の学力は、全体として国際的に見て上位。ただし、読解力など低下傾向にあり、世界トップレベルとは言えない状況。授業を受ける姿勢は良いが、学ぶ意欲や学習習慣に課題」とのまとめがされている。この調査で上位にあるのがフィンランド。私は自分の専門であるメディア教育という視点でこの国の教育と出会った。人が宝だという小さな国フィンランド。おちこぼれを作らない、丁寧な教育をしている。

さて、わが娘の学校。
まさに、フィンランドの教育に近い教育をしていると思う。ただの山の小さな公立小学校なんだけどね。もともと一クラスの人数が少なくて27人程度。同じ学年は2クラス。この2クラスがごちゃごちゃっと一緒に行動する。算数や国語は少人数学級となる。ひとクラス十数名で3クラスの編成。理科の時間は娘いわく「実験ばかり」やっている。実体験を通して子どもたちが学ぶ機会がとても多い。

それから、すごいのが地域の力。
もともと狭い村なので、子どもたちのことを回りの大人が良く知っている。学校だよりが回覧板で回ってくる。だからとなりのお嬢さんの作文やらを村の皆が読んでいる。我が家のアイドルは6年生の「あいみさん」だ。作文がとても上手!1日20人にあいさつをしよう、と学校で勧めている。それだからか子どもたちはニコニコしてあいさつをして通り過ぎる。村の有線放送では、小学校からの放送の時間がある。クラスごとにまわってくるのだが、子どもたち一人ひとりが「自分の夢」を」語ったりする。村の人たちはそれを聞いている。

少子化。
子どもたち一人ひとりの「生きる姿」を大人がどう見守るか。教育は学校の問題ではないと私は思う。わが娘を見ていて、「自分ができる」と思うことや、自分を見守り励ます大人がいることが子どもをどんなに勇気付けているかを実感している。子どもたちに生きる楽しさを感じて欲しい。

【写真】文部科学省「国際学力調査」に関するホームページ

とんさんち
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1 コメント

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なんて、 (輪太郎)
2006-02-09 23:03:52
素晴らしい環境でしょう。
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