かなまら祭は10時に始まるのですが、日曜日で早起きできず、京急大師線川崎大師駅に着いたのは11時前になりました。大師線の乗客の殆どがこの駅で降りました。中には半纏を羽織ったお祭りモードの人たちも見られましたが、何より目立つのは外人女性客の姿が異様に多いこと。彼女たちはいったいどこでイベント情報を仕入れてくるのだろう。最近は外国人の方が面白スポットをよく知っていたりします。
人の波に従って進むと、「金山神社」のある「若宮八幡宮」の境内の桜は嬉しいことに満開。お祭りとお花見、一粒で二度美味しいイベントになりました。曇空が気になりますが、そんなことを気にしない参拝客は既に境内を埋め尽くし、Tomotubby は人をかき分けながら奥に進みました。す、すると...
![](http://4travel.jp/img/tcs/t/pict/lrg/10/82/69/lrg_10826904.jpg)
いきなり目に飛び込んだのがピンク色の御神体。うわー。
これが名にし負う「エリザベス神輿」、前回の動画でお見せした御神輿なのでした。亀戸にあった(その後、浅草橋に移ったらしい)女装クラブ「エリザベス会館」の女装愛好家の方たちが寄贈したものだそうです。Tomotubby は、このような巨大な御神体を密かに「MaxMara」と呼ぶことにしました。イタリアのアキーレ・マラモッティさんの始めたブランド名とも似ていますが、勿論他人の空似で何の関係もなく、決して嫌がらせの類いではないことを最初にお断りしておきます。
「若宮八幡宮」は、もともと八幡塚六郷神社(東京都大田区)の氏子たちが大師河原干拓のために移り住んだとき、御祭神を分祀したのが由来で、治水・干拓工事の守護神として、淀川の工事を完成させたといわれる「仁徳天皇」を祀っています。「かなまら祭」主宰の金山神社は、若宮八幡宮の境内社として祀られている神社で、もとは大師河原の守神として別の場所にあったのですが、大師河原の再開発により移転を余儀なくされ若宮八幡宮内に合祀されることになったそうです。金山神社の祭神は「金山比古神」(かなやまひこのかみ)と「金山比売神」(かなやまひめのかみ)の二神で、両神は、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)の妻の伊邪那美神(いざなみのかみ)が、火の神である「火之夜芸速男神」(ひのやぎはやおのかみ)またの名を「火之迦具土神」(ひのかぐつちのかみ)を出産した際に陰部を火傷してしまいます(これがもとで伊邪那美神は死んでしまい、伊邪那岐神は火神を殺します)。火傷に苦しむ伊邪那美神の嘔吐物(たぐり)から生まれた神が、「金山毘古神」と「金山比売神」の二神、通称「かなまら様」で、伊邪那美神の火傷の治療、看護をした神とされています。
金山毘古神、金山比売神は、名の通り「金山」つまり鉱山を司る神で、一般に鍛冶神とされています。伊邪那美神の嘔吐物から生まれたというのは、火の神を出産する伊邪那美神の性器が溶鉱炉を、その嘔吐物が鉱滓(溶解された金属から発生するカス)を連想させたためではないでしょうか。
![](http://4travel.jp/img/tcs/t/pict/lrg/10/82/69/lrg_10826940.jpg)
金山神社社殿内にあった展示物。手前に鞴(ふいご)。中央はヒンドゥーのリンガとヨニ。
鍛冶神が性神「MaxMara」に姿を変えたのは、同じ古事記に登場する別の鍛冶神「天津麻羅」(あまつまら)との混同があったのではないでしょうか。「天津麻羅」は太陽神「天照大神」(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れて世界が真っ暗になってしまったという「岩戸隠れ」の伝説に登場する鍛冶神ですが、名前に「麻羅」が含まれるため、仏教とともに広まった「摩羅」とさらに混同され、鍛冶に用いる槌や鞴(ふいご)を「摩羅」に見立てて、このような「MaxMara」が生まれたのではないかと想像します。また、陰陽五行の五行相生の思想では「金は水を生む」存在(金属の表面に水滴が生じる)であるため、鍛冶神は大師河原の守護神として水害を抑え、さらには治水の神である若宮八幡宮との「金水和合」までが果たされたのでしょう。こうしてみると「神道」「仏教」「陰陽道」が入り交じって今日の「MaxMara」に至ったあたり、なかなか奥が深いです。
つづく
人の波に従って進むと、「金山神社」のある「若宮八幡宮」の境内の桜は嬉しいことに満開。お祭りとお花見、一粒で二度美味しいイベントになりました。曇空が気になりますが、そんなことを気にしない参拝客は既に境内を埋め尽くし、Tomotubby は人をかき分けながら奥に進みました。す、すると...
![](http://4travel.jp/img/tcs/t/pict/lrg/10/82/69/lrg_10826904.jpg)
いきなり目に飛び込んだのがピンク色の御神体。うわー。
これが名にし負う「エリザベス神輿」、前回の動画でお見せした御神輿なのでした。亀戸にあった(その後、浅草橋に移ったらしい)女装クラブ「エリザベス会館」の女装愛好家の方たちが寄贈したものだそうです。Tomotubby は、このような巨大な御神体を密かに「MaxMara」と呼ぶことにしました。イタリアのアキーレ・マラモッティさんの始めたブランド名とも似ていますが、勿論他人の空似で何の関係もなく、決して嫌がらせの類いではないことを最初にお断りしておきます。
「若宮八幡宮」は、もともと八幡塚六郷神社(東京都大田区)の氏子たちが大師河原干拓のために移り住んだとき、御祭神を分祀したのが由来で、治水・干拓工事の守護神として、淀川の工事を完成させたといわれる「仁徳天皇」を祀っています。「かなまら祭」主宰の金山神社は、若宮八幡宮の境内社として祀られている神社で、もとは大師河原の守神として別の場所にあったのですが、大師河原の再開発により移転を余儀なくされ若宮八幡宮内に合祀されることになったそうです。金山神社の祭神は「金山比古神」(かなやまひこのかみ)と「金山比売神」(かなやまひめのかみ)の二神で、両神は、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)の妻の伊邪那美神(いざなみのかみ)が、火の神である「火之夜芸速男神」(ひのやぎはやおのかみ)またの名を「火之迦具土神」(ひのかぐつちのかみ)を出産した際に陰部を火傷してしまいます(これがもとで伊邪那美神は死んでしまい、伊邪那岐神は火神を殺します)。火傷に苦しむ伊邪那美神の嘔吐物(たぐり)から生まれた神が、「金山毘古神」と「金山比売神」の二神、通称「かなまら様」で、伊邪那美神の火傷の治療、看護をした神とされています。
金山毘古神、金山比売神は、名の通り「金山」つまり鉱山を司る神で、一般に鍛冶神とされています。伊邪那美神の嘔吐物から生まれたというのは、火の神を出産する伊邪那美神の性器が溶鉱炉を、その嘔吐物が鉱滓(溶解された金属から発生するカス)を連想させたためではないでしょうか。
![](http://4travel.jp/img/tcs/t/pict/lrg/10/82/69/lrg_10826940.jpg)
金山神社社殿内にあった展示物。手前に鞴(ふいご)。中央はヒンドゥーのリンガとヨニ。
鍛冶神が性神「MaxMara」に姿を変えたのは、同じ古事記に登場する別の鍛冶神「天津麻羅」(あまつまら)との混同があったのではないでしょうか。「天津麻羅」は太陽神「天照大神」(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れて世界が真っ暗になってしまったという「岩戸隠れ」の伝説に登場する鍛冶神ですが、名前に「麻羅」が含まれるため、仏教とともに広まった「摩羅」とさらに混同され、鍛冶に用いる槌や鞴(ふいご)を「摩羅」に見立てて、このような「MaxMara」が生まれたのではないかと想像します。また、陰陽五行の五行相生の思想では「金は水を生む」存在(金属の表面に水滴が生じる)であるため、鍛冶神は大師河原の守護神として水害を抑え、さらには治水の神である若宮八幡宮との「金水和合」までが果たされたのでしょう。こうしてみると「神道」「仏教」「陰陽道」が入り交じって今日の「MaxMara」に至ったあたり、なかなか奥が深いです。
つづく
少ないでしょうし、ご利益あるでしょうね。
Tomoさん、すんごい情報網ですね。
また、寄贈したのが「女装愛好家」というのも驚きです。
「MaxMara」ですか?
前の彼女がイタリアの本店関係で働いていたので、これ聞いたら、怒りそうだけど、
面白ネタなので、笑い飛ばしそうですね
MaxMaraはどうも大きめサイズのイメージなので、ともたびはMaxCo.の方が好きかな。
ふたつ並べてみると、MaxCo.というブランド名も微妙.....(-_-;
「山内マーラさん。自己紹介をお願いします」
「山内マーラでーす。マーラという名前は、両親が25年間も過ごしたケニヤを流れるマラ川から付けられました」とか、言うんでしょうね。やはり。
前に教えてもらった「くらもとまい」さんの話も不謹慎だけど笑ってしまいました。あはは