モノを捨てられない人（１）

他でもないわが家人である。

家の棚という棚の表面はそのすべてがモノに覆い尽くされている。
棚表面が露出することはまずない。

しかもその上にさらにモノを積み木のように重ねていく。
バランスなど考えてもいないらしく、何かをそこからとろうものならガラガラと崩れてしまいそうだ。

冷蔵庫しかり、空箱になってもまだ入ったままだ。空気を冷やしてどうする！

おき場所もモノによって大体決まりそうなものだが、毎回置く場所が変わる。

「マーガリンはどこだったろうか？」と覗いても毎回場所が違っている。
奥には何時ごろ買ったのか分からないような怪しいものがあったりする、恐ろしいので触らないことにしておこう。

TVのCMではないが”賞味期限が昭和です！”なんてのはないだろうなあ～

長々と文句をいったのにはわけがある。別荘に持ち込まれる家人のモノだ。

とにかく物置代わりに使いたいらしく、私にとってはゴミのようなモノを次から次へと持ち込むのだ。

かくして別荘の引き出し、押入れは家人のゴミ持ち物であふれる・・・

人間はおのおのものの見方を持っている。そして同じ一人の人間でも、時が変われば同じ対象に対して違った見方をする。
ベッカリーア　「犯罪と刑罰」