大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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地材地建 「鶴居小学校屋内運動場」

2008年12月08日 | 旅行・ドライブ
さてさて、先週金曜日は大分県の県北にある中津市に行きました。

中津市は、みんな大好き福沢諭吉さんの生家があるところで有名です。


目的は、市内の鶴井小学校の屋内運動所(簡単にいえば体育館ね)
の新築工事に伴う荷重試験の見学です。


これは、建築士事務所協会中津支部の木造勉強会が主催した公開実験なんですが、

よくある集成材と接合用金物を利用した建物ではなく、
無垢材と在来工法を主架構に利用した建物なんです。


今回の実験は三分の一の大きさですが、それでも結構な大きさなんですよ。
 


気になる小屋組みは、和小屋でも洋小屋でもなく、
日本でも初となる工法だそうです。





写真だと解りにくいのですが、木組事体は石橋をのような組み方です、
下に掛かる荷重をうまく左右斜め下方向に分散させて、
お互いを支えると言えばいいのでしょうか?

継手には変則の金輪継を利用しています。



スケッチアップのモデルをダウンロード


二段もしくは三段に梁を重ね、ダボで緊結します。
それぞれに、継手の位置をずらしているので、
継手に掛かる荷重を分散しているのがポイントです。



見ていて、関心させられたり、少し???と思う点もあるのですが、
なにしろ初めてということで、素晴らしい挑戦ですよね、
半年間の長期荷重試験の結果が気になるところです。


行ってみて一番ツボに入ったのはタイトルにもある、「地材地建」という言葉です。


地にある材で、地に密着した建物を建てるという、
基本的なことを表わしたシンプルなキーワードですね。

伝統に縛られることなく、新しい試みにチャレンジした結果、
林業や建築業ひいては伝統を守りことにつながり、
何より子供たちにも優しい建物になることですね。

今の子供がうらやましいですね~



自分たちの故郷は自分たちで作るという気概が勉強会の皆さんや大工さんから感じられ、
このような建物が増えていけば、在来工法が見直してもらえる
いい機会になれば良いなと思いながら、
中津宝来軒本店でラーメンを食べて帰りました。



おしまい。

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2 コメント

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Unknown (あっちゃん)
2008-12-09 00:37:48
アーチ材・・・

基本は洋小屋の変形と見た。

確かに加重が均等に分散され柱に伝わりそうに感じますね

棟木に対しての方杖・・・・仕上の時はどうするのでしょうか?

やっぱり化粧かな?

だとすると、吹き降り雨が降ると方杖を伝って、束に行き、その後妻梁に雨水が到達するでしょうね。

となると、雨仕舞いが難しいですね

最終的にはコーキングで逃げようって刃そうになるのかな?

金輪の変則・・・あそこに、シャチを打つ必要性があったのだろうか・・・・

どうせなら、側面からの大栓打ちの方が抜けに対しての補強になるのでは・・・・・

名付けて、金輪大栓継ぎ・・・・・なんてね
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あっちゃんへ (TOM-P)
2008-12-09 17:32:25
 そうですね~、確かにいろいろな???が沢山ある訳ですよ、実際に見ると更になんだけどね。

刻みや棟上げなども見に行く予定にしているので、その都度アップします。

その時にまたお願いしますね。~
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