大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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大工さんの年齢構成まとめ

2011年09月29日 | お知らせ
さてさて、今回の統計情報のまとめは、大分市の大工さんの年齢構成です。

資料の作成は大分建設労働組合さんの加入者数をもとにさせていただきました。

よって、実際の数とは異なるでしょうが、県内の加入者数も含め、似たような割合になっております。


そういうことで、最初の棒グラフです。

最も多い加入者の棒グラフが60歳~64歳の82人になっております。

自営業とはいえ、サラリーマンだったら既に定年を迎えてもおかしくないこの層が最も多いのです。

なんと、20代の加入者数は6%しかいません。

そして興味深いのが45歳~49歳の世代が極端に少ないということです。この世代が就職する1980年代というのは、バブル経済に向けて、景気がどんどんうなぎ昇りの状態でした。

お金がお金を生み出す時代に、わざわざ苦労して大工になるという人が少なくなったんでしょうね。


そして、時は流れ今現在は彼らが高校新卒から~20代前半の親世代となっているわけです、必然的に大工の子どもさんが
入校するというのが少ないわけはこれで納得。


これから40代前半から大工さんは少し回復基調になっているので、これから10年後のためにも訓練校は残さないといけませんね。




そして、円グラフにまとめると・・・・






なんと、50歳以上の加入者数の割合が、70%を超えているのです。


この状況があと、10年も続くと、大工さんというのは絶滅危惧種に指定されるかもしれませんね。





政府は地球温暖化対策の一環として、木材の活用を進める公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を作りました。


しかし、それを取り扱う大工さんがいなくなってはどうするつもりでしょうか?


逆にこのライバルが少ない状況をチャンスと捉え、大工になってくれる若者が増えてくれればいいのですが、そんなに簡単なものでは無いのです。(その話はまた今度にしますね。)


仕事自体は非常にやりがいはあるのでしょうが、労働環境や業界の体質ともいえる社会保障の問題や賃金形態など、若者が安心して働ける環境を作ってやらなければいけません。


行政が言うほど、たやすく理想的な環境になるとは考えていませんが、魅力的な業界にするために皆で智恵を出し合い、大工さんの社会的な地位向上を目指さないといけませんね。




おしまい。

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