大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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研修旅行’11

2011年09月16日 | 建物探訪
さてさて、今年の研修旅行のお話です。

ちなみに今までの研修旅行はこちら



今年も建築関係者なら涎物の内容になっています。

まず最初は市内にあります、藤丸建設さんの新築完成住宅。


今年の6月に完成した物件、木のぬくもりが本当に心地よく、施主様もお気に入りということが伝わってきます。




そして、その隣の工事中の現場です。

足場にかかる大工さんの集合写真、20名を超える若い社員大工さんが頑張っています。昨年は訓練生一名を採用していただきました。ハウスメーカーの中には自社に大工さんを抱えていないところがほとんどですから、これは本当にすごいことなんですよ。






棟梁は25歳、大工さんも20歳ですが、きれいな現場は仕事ができる証し、先ほどの住宅も棟梁の仕事です。さすが一級技能士です。



藤丸建設さんの素晴らしいところは、その社員教育。いつでも現場を見学させてくれて、その時は必ず大工さんが案内をしてくれます、それが次の仕事につながる事を、みんなで共有しているのです。



次は、西大分にある浄土寺の見学です。


管理を請け負っている、夢和詩生伝統建築研究所の福嶋先生による講義を受けた後、中を見せていただきました。





 


いま模型などでつくっている、丸太梁が幾重にも重なっています、これが大変な仕事だということが解るだけでも大したものです。






お昼を挟み、一行は日出町に

暘谷城、二の丸の館も大きな丸太組を見ることができます。






現在、修復工事中の隅櫓です。



施工の上野建設さんと発注者の日出町教育委員会文化財課と管理をしているYO設計のスタッフの方が丁寧に説明をしてくださいました。




隅が面取りされているのは、この建物が鬼門(北東)に位置しており、さらにその北東側をこのように面取りしているのです。

全国でもこのように加工しているのは大変珍しいとのことです。



現在、暘谷城跡地には小・中学校建っており、その移転も含み天守閣の再建まではまだ長い年月が必要とのこと、でも町民がその姿を望んでおり、何時かは本当の城下で城下カレイを食べれる日がくるかもしれませんね。




さらに、杵築市まで足を運びました

大原邸

茅葺屋根が特徴的です







能美邸は昨年再建されました、修了生もたくさんいる高原建設さんの仕事です。



最後は一松邸です。


昭和初期に建てられたこの住宅、なんといっても贅の限りを尽くした作りとなっており、現在の価値で5億はかかるとのこと。


黒柿の床柱は今では1000万でも見つからないシロモノだそうです、コラ~気やすく触るんじゃない!


こちらの桐の欄間も大変貴重なものだそうです。



とまぁこんな感じですが、日頃学んでいるものが一体どんなものなのか? 少しはわかったかな?


若い棟梁や大工さんに刺激を受け、自分もこんな建物を建てたいといった感想が終了後のアンケートで見られました。

正直容易い道ではありません、でも頑張ればこれほど楽しい仕事も無いですね、今回案内してくれた皆さんは、福岡や日田などから、わざわざ来てくれました。

説明をしてくれるその表情から、本当に建築が好きなんだな~ということが感じられ、ちょっぴり羨ましかったです。

みなさんありがとうございました。



おしまい。







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