大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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統計資料まとめ 大分県住宅着工数の推移

2011年09月10日 | お知らせ
さてさて、本日から大分県の建築に係る統計資料などの、まとめを報告しようと思います。


データーのソースは国土交通省や各種機関です。(住宅着工統計)

なお、これらの情報や解説は公式発表ではなく、僕の個人的なまとめや感想を書いたものなので、勝手に引用して構いませんが、
一切責任は負いかねますのでよろしく。



今回は国土交通省がまとめた、住宅着工件数をグラフにしたものです。


大分県はこのような形になります。(クリックで拡大)






着工数、最大のピークは赤棒の昭和48年18,723棟です。

主な出来事は・・・・
日本国内での出生数ピーク(209万人)でしょうか。まさにベビーブームのピークです。

ちなみに僕もこの年に生まれました。

やっぱり家族が増えるので家を建てようか?ということでしょうか?




それから昭和55年(オレンジ)、12,157棟と前年(15,668棟)と極端に着工数が落ち込みます。経済白書によると(昭和55年労働経済の推移)原油高騰におけるデフレが起こり、住宅着工の落ち込みが顕著になります。


その後バブル景気が起こり、平成2年(黄緑)には16,521棟にまで持ち直します。



バブル経済はアッという間に終わりを告げるのですが、その後も景気対策=住宅のテコ入れというような状況が続きなんとか、10,000棟前後を推移していきます。

僕もこのころ某建築会社就職したのですが、社内旅行が海外だったりボーナスも結構いただけましたし、ずーと休めなかったり、忙しい印象しかなかったですね。


平成8年14,507棟(紫)消費前上げのまえの駆け込み需要で多少持ち直します。



平成9年消費税率3%→5%引き上げ、それから不況がはじまり、平成14年(8,916棟)に初めて10,000棟を割り込むのですが、
そこから徐々に持ち直し、平成20年には9,550棟まで回復してきました。

そこにあの平成21年(黄色)リーマンショックがおこり、その影響でなんと5,840棟!まで落ち込みました。


前年比40%減という恐ろしいまでの低下ぶり。確かに派遣関連の寮などの打撃が大きいという事情があるにせよ。
アメリカの住宅金融システムが大分の住宅事情に此処まで悪影響を与えるとは・・・・

おそらく、恩恵はほとんど受けていないので、その理不尽さに閉口してしまいます。



それから3年いまだに景気回復の兆しは見えるはずもなく、今年の震災が追い打ちをかけ、大分県の住宅事情に明るい材料はあまり見当たりません。




ピーク時に比べ3分の1にまで落ち込んだ状況、さらにはプレカットや乾式工法による省力・低価格化ということで、大工さんを取り巻く環境は厳しさを増します。



しかし、このような状況下でも必ず住宅というものは必要だし、無くなることはありません、またすべてを工場で生産することは不可能だし、自然志向や地域密着型の工務店で成功しているところはたくさんあります。


これから減り続けるというのは現実的ではないし、きっと一万棟前後が大分県のアベレージと思うのです。


もう5,840しか仕事がないというか、まだ5,840も家が建っていると考えるか?


工務店も淘汰され、ピーク時の3分の1以下になっていると思います。

やり方次第ではまだチャンスはあると思うのです。


今年度はこちらに載っています。
7月末で2,127棟なので少しずつ持ち直してきているような感じですよね。


頑張っている工務店さんの少しでも助けになるように、行政も頑張らないといけませんね。





おしまい。




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