しじまに聞いて

深い眠りに入った時の気分で。昼間の喧騒も懐かしく-。

霧の向こうに見えるのは~青峰山 正福寺

2011-09-09 22:17:45 | お寺巡り

重陽。
菊の節句だ。
ハイボールに花びらを浮かべるか。

また、一つ亡き母を偲ぶのに相応しく。
酔う程に涙も枯れ果て
一人、
淋しい秋の夜を過ごそう。

   

そうだ。
夏の終わり
伊勢方面での旅の
締めくくりとして
青峰山を書いておこう。
海抜336m、目だって深い山が
無い鳥羽では珍しい観光地だ。

 朱印帳には自分と母の名を記している。
だから一緒に巡っているつもり。

ひと時バケツをひっくり返したような雨の為に
霞んで寺の全貌が捉えられない。

ごうごうと水が音を立てて流れ落ちるのは行場か。
豪雨で水量が増しているのか。
まるで天上界の様相、山門へ向かうのもたじろいだ。
見事な山門をくぐる。

数人の若者が野外コンサートの準備をしていた。
その向こうに写真の金堂、聖天堂太子堂が見えた。

本尊十一面観音は補陀洛山より鯨に乗ってやってきたとか。
荒れ狂う時化から漁師達を守る。
豪快な仏様の笑い声が聞こえてきそう。

金堂の、何とも言えない古い木の匂い、
噎せ返るように。懐かしさに足を止めた。
奈良時代、夢のお告げに従い行基に創建を命じた
聖武天皇も東大寺伽藍を無事に整えられ
見た事もなき南海への思いをいっそう強くしたであろう。





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