人生幾ばくぞ

冷えたビールが旨い季節に。
景気の悪化で家計を預かる主婦の財布も固く、
ビールではなく、発泡酒しか飲ませてもらえない亭主の嘆きを聞く。
「おまえさんよ、まだ飲ませて貰えるだけマシだぜ。」となだめる。

酒は好んで飲まない。でも強い方だと思う。
酒が好きだった祖父は逆だった。
酒を飲んでクダをマイテ・・・。のタイプでは無くて陽気な酒だったらしい。
医者に止められても酒はやめられなかった。
母の結婚を見届けるまで生きる事ができなかった。
母の父でもあるその人と叶うなら酒を汲み返したい。
彼が飲んでいたよりももっと上質な酒で。
　
酩酊状態になるなど、もってのほかだー。
そんな自負などある自分でも
一度だけべろんべろんに酔った経験が。

もう高田川畔の桜は花イカダになっているだろうなぁ。
この時期になると思い出すほろ苦さ。

職場の連中と夜桜見物。宴会の主役は酒だ。
上司とサシで飲んだ酒の量って計り知れない。

何とか終電でたどり着いた駅のベンチで
長い事寝ていた。
寒かった記憶だけが残った。