東経大ラグビー部へ
シーズンを終えて
安部泰人
今年のシーズンも終わりとなった。だが、終わったのではない。終わりがあれば始まりがあるのである。
「終わりが大事」ということわざがある。類句として、「百里の道を旅ゆくものは九十九里を以って半ばとすべし。終わりを慎む(つつしむ)事始めの如くんば則ち敗事無し」とある。
今シーズンを振り返り、様々なことについて考え、また、次のシーズンへと期待すべきことも多くあるはずである。そうしたことを繰り返しながら伝統は創り、築かれていくものであると考える。
さて、今年の良かった点は、牛歩ではあったが着実に力をつけてきたことである。たとえば、ゲーム感覚の作り方などは良く練習をしたからではないかと感心した。ややもすれば、東経大ラグビーとして本来持っていたチームカラーを捨て、独自なラグビーだと自慢しているものもいるが、それは間違いである。チームの伝統というものは目には見えないが長年かかって築かれていくものであり簡単には消え去るものではないのである。今年も新しい1ページを作ったことに誇りと自信をもってもらいたい。
今年は、南半球のラグビー王国ニュージランドでW杯があった。すべてのゲームを観戦したわけではないが、優勝したNZのpowerful rugbyは,過去に見たことのない、ラグビーを見せつけてくれた。
今回のW杯大会は様々な面からみて新しいラグビーといってもよいほどのラグビーのあり方を考えさせた大会ではなかったかといえる。それは、プレヤー全員が良く走り、タックルし、頭を使ったラグビーを展開したということである。つまり、心、技、体と云われる日本の武道にも似た精神性を高め、高度な技術を駆使して、優れた体力を生かしたラグビーには、ただただ驚いた、の一言に尽きる。
大学対抗戦ラグビーも最終盤戦となったが、早くもW杯で得た技術や戦法を使っている大学もあったようである。
こうした推移の中で、次々年のWC大会を予定している日本にとって、日本のラグビー-はどのような方向にラグビーを創り上げていくのか、大きな課題が出された感がする。
世界のラグビーが様々な変化をしようとしているように、東経大ラグビーも今まで以上に、一歩も二歩も前に進んだラグビーを研究して、次の来るシーズンに向けて進んでいかなければならないと考える。
したがって、今から緻密なラグビー強化対策としての計画を立て、着実な歩幅で活動していくことに徹していくことではないかと考える。
ラグビー部員の諸君は、学年末を控え何かと忙しいところであろうが、勉学も怠りなく進めていくようにしてもらいたい。 健闘を祈る。