Nintento Switchプロセッサー更新
任天堂、「Nintendo Switch」も新SoCとNAND搭載か - PC Watch
Switch's next Tegra X1 looks set to deliver more performance and longer battery life - Eruogamer
記事中ではNVIDIA Tegra X1からTegra X2への更新の可能性に言及しているが怪しいところである。もしTegra X2に変更になる場合は機能の一部を無効化したものになるだろう。しかし、Eurogamerの推測が正しいとすればTegra X2ではなく恐らく新開発の他のプロセッサーとなる。
Tegra X1(TX1)は2015年に登場した組込用プロセッサーで、Nintendo Switchの登場した2017年には後継のTegra X2(TX2)が登場している。
TX2のTX1に対する最大の違いはNVIDIA Denver2 x2コアであるが、詳細はPC Watchの後藤氏の記事を参照頂くとして癖の強いプロセッサーで最適化が難しい可能性があるが、TX2にはTX1と同じArm Cortex-A57 x4コアも搭載されており、A57を使用することで高い互換性を達成できるだろう。GPUは同じNVIDIA製であるがTX1はMaxwellファミリー・TX2はPascalファミリーと1世代異なるものの共に256コアで共通である。
そのため、もしSwitchのプロセッサーをTX2に置き換えると仮定するとDenver2は無効化することでTX1と高い互換性を実現できる。PlayStation 4に対するPlayStation 4 ProのようにDenver2を有効化してTX2搭載機種をTX1搭載機種の上位機種とすることは不可能ではないがパフォーマンスの違いが小さ過ぎるだろう。
ではTX1からTX2に更新する場合のメリットは何か?というと消費電力である。
TX1はTSMC 20nm SoCプロセス・TX2はTSMC 16nm FinFETプロセスで製造されており、NVIDIAの開発キットでもTX1の消費電力最大10Wに対しTX2はCPU・GPU共に動作周波数を引き上げた状態で7.5Wとなっている。もしDenver2の無効化やPascal GPUの動作周波数引き下げをすればTX2でTX1の半分以下の消費電力を達成することは難しくない。
しかし、EuroGamerの記事が正しいとすれば新プロセッサーはTX2ではない。新プロセッサーがT214だとすればTX1(T210)の系列でTX2(T186)の系列とは考えにくい。
トランプ大統領が「Facebook仮想通貨リブラは信頼できない」と言及
トランプ大統領「Facebook仮想通貨リブラは信頼できない」。公聴会前に初言及 - 仮想通貨Watch
ビットコインとLibraは何が違うのか? - ITMedia
私個人はトランプ大統領について経済や金融に強いイメージもないが、それでも氏の仮想通貨に対するコメントには賛成できる。私の理解では仮想通貨は専ら投機目的で所有されており、その価値は米ドルのような現実の通貨に換金されることで初めて担保されている。後者についてはFacebookのLibraの通貨バスケットも同様である。仮想通貨は通貨に必須とされる三大機能すら提供しておらず、このことはその分野のプロも言及している(例:「仮想通貨は通貨にもならないし、価値の保存としても機能しない」UBSのエコノミストが酷評)。
個人的に不可解なのは、政府から警戒視されてまでFacebookが仮想通貨を新設する理由である。
Facebookは世界中でやり取りされているから、ネットでPayPal・実世界でWesternUnionが提供するような通貨の相互交換サービスが便利であると想像できる。例えば、豪州に住んでいる人が米国に住んでいる知人にFacebook Messengerで連絡を取り代金を送金して米国製品を送ってもらうようなケースを考えると、現状で豪ドルを米ドルに両替する際に発生する手数料が、共通通貨を使えば不要になる――というのはPayPalの登場した1998年から既にあるアイデアである。
しかし実際はというと、日本生まれで欧州で生きる私に言わせると、そのような隔たった地域での送金は日常的でないし、逆に英ポンド⇔欧ユーロのような近隣国の通貨ペアの交換は現状でも全く不自由が無い(取引量が多いので銀行手数料も低いことが多い)。
FacebookのMessengerにLibra電子ワレットが統合されメッセージを送受信する感覚で金銭をやりとりできることを考えれば、古典的な銀行(寡聞にして最近の日本の銀行の動向は知らないが)から大きな飛躍と思われるかもしれないが、PayPalや最近でてきたRevolutやMonzoのような新種の銀行と比較すれば違いはアプリが統合されているかだけである。
なお、RevolutやMonzoなどは現実の通貨を取り扱う銀行なので現地当局の規制を受けている。世の実業家はこのような「当局の規制」に嫌悪感を示すが、これは法定準備預金など当局が定める経営の安全性基準を満たしているという意味でもある。トランプ大統領は「フェイスブックや他の企業が銀行になりたいのであれば、彼らは銀行設立免許を求めなければならず、他の銀行と同様に全ての銀行業務のルールに従う必要がある」と言っているそうだが(記事中より引用)、まったくその通りで、Libraが銀行でないのであれば仮に破綻したとしても政府は無視するだろう。
# 個人的には、恐らく中国あたりの資産家の預金に使われるのではないかと思う。
# 通貨バスケットのおかげで途上国人でも米ドル・欧ユーロ・日本円の安定性にタダ乗りできる可能性がある。