轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ボルボ XC40

2018-04-27 19:02:40 | VOLVO
助手 「ボルボが凄いコトになってますね。」

所長 「調子いいみたいじゃな。」

助手 「調子いいみたいどころじゃないですよ。主要なカーオブザイヤーを総なめですよ。」

所長 「なんかそんな話みたいじゃの。」

助手 「あんまり興味なさそうですね。」

所長 「前にも言うたと思うんじゃが、今のカーオブザイヤーに期待しとらんし、選ばれたクルマが必ずしもいいモンとは思わんしの。」

助手 「言わんとしているコトはわかりますけど、それをわかった上でもやっぱり凄いと思いますよ。去年の11月にXC60が日本カーオブザイヤーを受賞したのを皮切りに、今年に入って1月に北米カーオブザイヤーのトラックSUV部門も獲って、3月にはXC40が欧州カーオブザイヤーの栄冠に輝いてですね、4月にはワールド・カーオブザイヤーですよ。前代未聞じゃないですか。」

所長 「まぁ、確かに凄いのぉ。じゃが日本、北米、欧州で評価が高かったんじゃからワールドは獲って当然のようにも思えるがの。反対に違うクルマが選ばれたら、どういう基準で選んどるのか疑問じゃろ。」

助手 「それはそうかもしれませんけど。」

所長 「だいたい世界が狭くなり過ぎたってコトなんじゃろうな。昔は北米と欧州では支持されるクルマがまったく違っとったじゃろ。それがグローバル化かなんか知らんが、似たような感じになってきたってコトなんじゃろ。」

助手 「ま、欧州だけはひと回り小さいXC40が受賞してますし、違いは残ってるんでしょうけど、どっちでも売れるクルマが増えたのは間違いないですね。」

所長 「じゃな。」

助手 「あと一昨年の北米カーオブザイヤーのトラックSUV部門はXC90が選ばれてますし、日本でもRJCのカーオブザイヤーの輸入車部門では一昨年がXC90で昨年がV90と2連覇してますしね。ホント新世代のボルボの評価ってうなぎのぼりですよね。」

所長 「ま、ボルボの評価が高まったのは間違いないじゃろうな。」

助手 「ですよね。2015年のXC90以降、トールハンマーを採用してからのボルボは変わりましたよね。」

所長 「新規のプラットフォームになって、デザインの制約がなくなったのと、フォルクスワーゲンから来た新しいチーフデザイナー、それと何といっても親会社になった中国の吉利(ジーリー)がうまくコントロールしとるんじゃろうな。」

助手 「ですね。最初は中国資本ってマイナスのイメージが強かったんですけど、フタを開けてみたら潤沢な資金を持つスポンサーがついたコトで、一気に改革が進められたってコトなんでしょうね。」

所長 「そういうコトなんじゃろうな。ジャガーやランドローバーを買収したインドのタタなんかもそうじゃけど、最初は中国やインドなんかのいわゆるクルマ後進国に何ができるって冷ややかな目で見とったモンじゃけど、開発に関してはこれまで通りメーカー主導を維持しとるワケじゃし、変にプラットフォームの共用なんかの効率化を進めとったフォード時代よりもメーカーごとの個性が強調されていい方向に進んどるんじゃろ。」

助手 「言えてますね。それにしてもどうして急にここまで評価が高まったんでしょうね。噂ではチャイナマネーが裏で暗躍してるとか言われてますけど。」

所長 「もちろん自社製品をよく見せる活動はやっとるじゃろうけど、それってどこのメーカーでもやっとるコトじゃろうし、たいしたコトないクルマじゃったらすぐに化けの皮がはがれてしまうじゃろうな。」

助手 「そうでしょうね。じゃあやっぱりデザインの変化が一番大きいんですかね。」

所長 「それは大きいと思うぞ。今の体制になる前までは、昔の角ばっとったデザインから、モダンな感じに移行を進めとったんじゃが、思ったように効果が上げられとらんかったように思えるんじゃ。」

助手 「そんな感じでしたよね。」

所長 「ワシなんかからすると昔の角ばったのに戻した方がいいんじゃないかって思ってたモンじゃが、そうじゃなかったようじゃな。」

助手 「ボクもボルボって言えば未だに角ばったイメージが強いですけどね。」

所長 「ワシが思うにボルボのイメージよりも、スウェーデン製って部分をより前面に出してきたんじゃないかって気がするんじゃ。」

助手 「スウェーデン製ですか。」

所長 「そうじゃ。スウェーデンを含めた北欧って響きって、何か魅かれるモンがあるじゃろ。」

助手 「確かにありますね。北欧家具とか、と言っても白木ぐらいしかイメージが湧きませんけど、いいモノって感じはありますね。」

所長 「何て言うか、雄大な自然をバックボーンとしとって、ヨーロッパの他の地域やアメリカなんかのような、ケバケバしさは微塵も感じんじゃろ。」

助手 「確かにありますね。」

所長 「それでいてヨーロッパらしいデザインのセンスも持ち合わせとる、そんな感じかの。」

助手 「わかります、わかります。」

所長 「そういう北欧のイメージとボルボのデザインが、これまであんまりマッチしとらんかったんじゃないかのぉ。」

助手 「そうですかね。」

所長 「あくまでワシのイメージの話じゃけどな。で、新世代のボルボってそこをうまくついてきた気がするんじゃ。これまでのボルボの持つ安全性とか堅牢なイメージに洗練された北欧のデザインが加わったって感じかの。」

助手 「洗練されたっていうのはわかるような気がしますね。」

所長 「デザインに明るくないんで適当な表現が思いつかんのじゃが、これまでのボルボと比べて洗練されたって部分が一番の違いのような気がするんじゃが。」

助手 「言わんとしてるコトはわかりますけど。」

所長 「北欧ってあんまり悪いイメージはないじゃろ。」

助手 「確かにそうですね。北欧が嫌いなヒトって見たコトないですしね。まぁ、あんまり知らないだけかもしれませんけど。」

所長 「そういうのが今のボルボの支持されとる理由の根底にあるんじゃないかのぉ。」

助手 「また抽象的な話ですね。」

所長 「特にドイツ車がのさばっとる現在の高級車市場で、それがウケとるような気がするんじゃ。」

助手 「確かにアンチ・ドイツ車のヒトって結構いるような気がしますね。」

所長 「今のドイツ車って押し出しの強さばかり目立っとって、質実剛健の押し売りのようになってきとるじゃろ。それに辟易しとるモンにとっては格好の存在なんじゃないかのぉ。」

助手 「わかるような気がします。」

所長 「まだまだこれからじゃろうから、カーオブザイヤーの高い評価には、実車の出来以外に期待の高さもあるのかもしれんの。」

助手 「2015年のXC90を皮切りに2016年にS90とV90、2017年にXC60とXC40、今年に入ってV60がデビューと続々と新世代に代わってきてますしね。」

所長 「昨年の日本でのボルボの販売台数って16,120台なんじゃけど、ここ数年は台数を増やしとるんじゃが、1万5、6,000台って90年代の終わりから2003年ぐらいまでコンスタントに出しとった数字なんじゃ。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「850が売れとった最盛期には2万台を超えとったコトを考えると、販売的にはまだまだこれからじゃろ。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「今のボルボは1車種に人気が集中しとるんじゃなくって、ドイツ車のようにブランドに人気が集まっとるから各車コンスタントに売れるじゃろうし、まだまだ伸びるんじゃないかのぉ。」

助手 「ですね。」

所長 「個人的には次のV40がどんな風になるか楽しみなんじゃがな。」

助手 「現行モデルもカッコいいですけど、新世代のV40も見てみたいですね。」

所長 「車名も40、60、90のサイズ展開とS、V、XCのボディ形状ですっきりとしたしの。」

助手 「言えてますね。」

所長 「・・・・。」

助手 「あのう・・・。」

所長 「ん、何じゃ、終わりじゃないのか。」

助手 「いや、肝心のXC40の話がまだ・・・。」

所長 「XC40の話じゃったんか。そうじゃな、今のボルボのデザインと小型サイズのカジュアルな感じをうまく表現しとるんじゃないか。ちょっとアウディのA1なんかと近いような気がするんじゃが。」

助手 「フレンチブルドッグがモチーフって話ですけど、上のクラスよりもヤンチャな感じがしていいですね。」

所長 「ワシはXC60の落ち着いた感じの方が好みじゃけどな。」


参考資料
ボルボXC40(ボルボ・カー・ジャパン株式会社)
ボルボV40(轟クルマ文化研究所)

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7 コメント

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Unknown (ぽん太)
2018-05-15 07:37:54
初めまして
いつも楽しく拝見させて頂いております。

ディーラーでXC40の実車の見てきましたが、素直にカッコよかったですね。
ボルボの最近の勢いはすごいですね。
ブランドイメージも急激に上がっている感じですね。
マツダがやりたがってることを全部やられてる気がして、マツダユーザーとしては残念です。
http://kunisawa.net/diary/マツダ車、販売現場では値引き始まる。cx-5、30万円/
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Unknown (宇垂)
2018-05-15 19:20:12
ぽん太さん

どこかで見たようなコメントですが(笑)

ほんとにボルボ、絶好調ですね。
今のところ、SUVがけん引しているように見えますが、セダンやエステート、ハッチバックが続けばホンモノですね。

マツダも十分頑張ってるように思いますよ。
これ以上ブランドイメージが高まれば、庶民の手が届かなくなりそうな気が。

同じコメントが2つありましたので、ひとつ削除させていただきますね。
返信する
Unknown (ぽん太)
2018-05-17 22:09:57
すいません、別の巡回先ブログでもXC40の記事に同じコメントしています(汗)
XC40の実車を見た興奮のままについつい同じコメントをしてしまいました。失礼しました。

マツダですが、確かに頑張ってはいると思います。
デザインも技術も。
スカイアクティブXなんて今から楽しみですからね。
でも、ハイパワーモデルもない、スポーツ四駆もない、モータースポーツもやってない、となると、なかなかこれ以上になるのは難しいんじゃないかと思ってしまいます。
営業面でも、ずっと担当してもらってるマツダの営業さんよりもVOLVOの営業さんの方が好印象でした。まぁこれは、当たりはずれもあるのでしょうが…
マツダは「クルマは単なる道具ではない」と謳っていますが、そこに至るにはまだ何か足りない気がするんですよね。
VOLVOでも「マツダさんから乗り換えてくれる人が結構います」と言っていましたが、今のままだとプレミアムメーカーへのツナギとなってしまい、マツダがなりたいマツダにはなれないのではないかと心配しています。
それでいいんだと割り切っているのならばいいのですが…
返信する
Unknown (宇垂)
2018-05-18 19:05:43
ぽん太さん

個人的には、ハイパワーモデル、スポーツ四駆、モータースポーツなど、あるに越したコトはないと思いますが、必ずしもなければいけないとも思いません。

「他社がやっているからやる」というのではなく、マツダの考えるいいクルマをつくり続ければいいんじゃないでしょうか。

資金的な問題もあると思いますし、「2パーセントのシェアだから出来るコト」っていうマツダの気概に期待してます。
返信する
Unknown (Unknown)
2018-12-07 23:24:27
吉利の統治は今の所うまく行っている様に見えます。

先日、スウェーデンを訪れた中国人観光客とスウェーデンの間にトラブルがありましたが、なんだかんだで世界と中国の相互依存は高まっているんですね。

中国インドASEANからトヨタを超えるマンモスは現れるのか。できれば家電業界の二の舞は避けて欲しいですが。
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Unknown (llll)
2018-12-07 23:41:37
名前忘れました。
返信する
Unknown (宇垂)
2018-12-08 18:09:48
llllさん

ネットでは「中華資本云々」と叩かれているのを見かけますが、実際の販売や評価では、まったく問題なさそうですね。

昨日も日本カーオブザイヤーでまさかの2連覇を達成しましたしね。

>中国インドASEANからトヨタを超えるマンモスは現れるのか。できれば家電業界の二の舞は避けて欲しいですが。

ドイツのビッグ3はともかく、アメリカのメーカーなんかはそのうち中国資本になりそうな気も・・・。

日本のメーカーには頑張ってもらいたいです!
返信する

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