
助手 「所長、いよいよ来年、レクサス店が日本にオープンしますね。」
所長 「そうじゃな。8月じゃったかな。」
助手 「どう思われますか、高級ブランドって。」
所長 「うーん、こればっかりはワシにも検討つかんわい。ただ出足は好調に推移するじゃろうな。なんといっても日本人は新しモン好きじゃし。」
助手 「そうですね。で、ライバルはやっぱりドイツのクルマたちになるんでしょうか。」
所長 「まあ、普通に考えればベンツにビーエムじゃろうな。じゃが一番ユーザーを持っていかれるのはトヨタじゃろうな。」
助手 「どうしてですか。」
所長 「まず車種がじゃな、レクサスで売るのがアルテッツァにアリスト、ソアラじゃろ。ほんでもってシグナスにセルシオが遅れて登場というふうに言われておる。これらの車種に今乗ってるユーザーがそのままレクサス店に移る可能性があるわの。」
助手 「まあ、それはそうでしょうね。」
所長 「で、次に考えられるのが、トヨタ車を乗り継いでるお客じゃ。トヨタのクルマを選ぶお客ってトヨタが最高のブランドと考えとると思うんじゃ。」
助手 「メルセデスじゃなくってですか。」
所長 「そうじゃ。ベンツなんかはいくら良くても外車じゃろ。日本の風土や気候、それにお客の好みなんかを考えるとトヨタの方が日本人にあっておるんじゃ。」
助手 「確かに故障に対しての信頼性なんかは国産の方が高いでしょうね。」
所長 「そういうことじゃ。で、トヨタを買ってたお客がじゃな、トヨタのつくったトヨタの上を行くブランドが出来たらどうすると思う。」
助手 「そうですね。クラウンやマークXなんかのステイタスのあるクルマに乗ってるユーザーは移るかもしれませんね。」
所長 「そういうことじゃ。そういう考えのお客は、日産やホンダよりもトヨタ車に乗ってるもんじゃろ。」
助手 「そうですね。」
所長 「じゃが、トヨタもそんなことは百も承知じゃろ。レクサスブランドの方が高いクルマを売るんじゃから客単価が上がるわけじゃし、問題はないじゃろ。」
助手 「でも、販売店からするとたまったもんじゃないですね。」
所長 「そうなるわな。そこで従来の販売店向けに今までと違ったトヨタの魅力を構築せんといかんじゃろうな。そっちの方が重要になるかも知れんのぉ。」
助手 「あと、輸入車はどうですか。」
所長 「そこのあたりがワシもわからんところなんじゃ。ベンツやビーエムを買うお客ってブランド志向が高い客じゃろ、そのお客相手にトヨタのつくった新しいブランドが通用するとは思えんのじゃ。」
助手 「そうですね。突然、今までのトヨタのクルマがレクサスのバッジを付けて高級車ですって言われても、ピンと来ないですよね。」
所長 「そうじゃな。ブランドってつくるモンじゃないからな。長年の信用と実績があってまわりからつくられるモンじゃと思うからな。じゃからレクサスはトヨタのブランド力しかないということじゃ。」
助手 「そうですね。いきなりこのブランドはなになによりも高級ですよって言われても、価格以外に信用すべきところがありませんからね。」
所長 「そういうことじゃ。じゃからレクサスが日本で支持されるようになるまで、やっぱり時間が掛かるじゃろ。それまでおんなじコンセプトで続けられるかが、問題かも知れんのぉ。」
助手 「そうですね。ヨーロッパと日本の違いって継続にあるような気がしますしね。日本の場合、待ちきれないっていうか、売れなかったらすぐに軌道修正しますからね。」
所長 「そこらへんの覚悟が出来てるかどうかじゃな。特にトヨタのように大きい会社の場合、抵抗勢力もあるじゃろうから、結果がなかなか出せなんだら、役員や株主の反対に従わざるを得ん状況も出て来るじゃろうし。」
助手 「そうですね。今までのやり方で利益が出てるわけですし、何もそんなことをしてリスクを負わなくてもっていう意見はありそうですね。」
所長 「あと、お客の問題もあるんじゃ。販売形式なんか気合を入れて考えとるみたいじゃが、例えばお前みたいな貧乏垂れが冷やかしに来たときにどう対処するかが難しそうじゃわい。」
助手 「貧乏垂れで悪かったですね。」
所長 「まあ、まあ、そう怒るな。全然買う気のないお客にでも、最上級の扱いをするんじゃろうな。で、心地よく思ったお客が頻繁に出入りするようになったら、店のイメージが台無しじゃろ。ターゲット顧客の足が遠のいてしまうような気がするわい。」
助手 「確かにそれは言えますね。シティホテルや高級レストランに場違いなカッコをした若い子達がいるとゲンナリしますよね。」
所長 「そういうお客をどう扱うかによってレクサス店の値打ちが決まるような気がするんじゃ。欧米じゃ庶民は絶対に近づかんモンじゃが、日本にはそういう階級意識がないからのぉ。じゃから海外旅行で高級ブティックでヒンシュクを買うんじゃろ。ワシじゃったら場違いじゃということを痛いほど解らせて二度と足を踏み入れたくないようにしてやるんじゃが。」
助手 「でも日本でそういう態度を取るとそれこそヒンシュクを買いますよね。」
所長 「そうじゃろうな。じゃから高級店の構想は日本の風土にあってるとは思えんのじゃ。あれは階級社会の欧米じゃから成り立つんじゃ。日本はみな中流意識じゃから差をつけられると烈火のごとく怒り出すからな。」
助手 「そうですね。」
所長 「じゃから、結論から言うとレクサス店は高価格品を扱う普通のトヨタのディーラーにしかなれんのじゃろうな、日本では。」
助手 「そうですか。じゃあレクサス店構想は失敗に終わりそうですね。」
所長 「それが、そうとも言えんところが難しいところなんじゃ。」
助手 「どういうことですか。」
所長 「さっきも言った通り日本人は新しモン好きな国民なんじゃ。じゃから初めは好調に動くことは間違いないじゃろ。で、そのときにレクサスに対する世間の目がどうみるかじゃ。」
助手 「といいますと。」
所長 「ブームが起こるかも知れんのじゃ。昔のシーマ現象みたいなレクサス現象じゃ。そのときのイメージでレクサスに乗るのは金持ちっていうのじゃなく、頭が良いみたいなイメージが作れれば、爆発する可能性があると思うんじゃ。」
助手 「爆発ですか。」
所長 「そうじゃ。ベンツやビーエムに乗ってるヒトより頭が良さそうに見えるっていうイメージをレクサスが作り出せれば、どうなる。」
助手 「そうですね。今のアメリカでプリウスに乗るのがクレバーに見えるというイメージみたいなもんですね。」
所長 「そういうことじゃ。金持ちに新しい選択肢が出来て、レクサスの方がイメージよく見られるんなら乗り替えるお客も出てくるじゃろ。」
助手 「なるほど、勝算あり、ですね。」
所長 「で、そのイメージが定着するかどうかは、その後の信用の継続が出来るかどうかというわけじゃ。」
助手 「それが一番難しそうですね。」
所長 「そういうことじゃ。じゃからレクサスの成功にとって一番大事なことは、イメージ戦略とそれを裏切らない信用と実績なんじゃ。そのひとつでも欠けると失敗に終わるじゃろ。」
助手 「それは楽しみですね。」
所長 「もう少し言えば、短期的には間違いなく成功じゃろ。自動車雑誌以外でも情報誌や新聞でも大きく取り上げるじゃろうしな。で、本当の結果が出るのが3年から5年ぐらい経ってからじゃろうな。」
助手 「そうですね。来年の10大ニュースには選ばれそうな感じですね。」
所長 「で、それをみてホンダのアキュラが参入することになるじゃろ。でも失敗するじゃろうな。」
助手 「そんな気がしますね。日産のインフィニティーはどうでしょう。」
所長 「まあ、日産は、静観するんじゃないか。Q45で痛い目にあってるからな。」
助手 「そうですね。また参入してコケたら、今度こそ立ち直れないかもしれませんからね。」
所長 「まあ、そういうことじゃな。じゃがトヨタが成功してるのを指を咥えて見てられるか見物じゃがな。」
助手 「では、取り合えず8月スタートですね。」
所長 「うむ。」
参考資料
レクサス(トヨタ自動車株式会社)
レクサス・ブランドその2(轟クルマ文化研究所)
レクサス・ブランドその3(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「そうじゃな。8月じゃったかな。」
助手 「どう思われますか、高級ブランドって。」
所長 「うーん、こればっかりはワシにも検討つかんわい。ただ出足は好調に推移するじゃろうな。なんといっても日本人は新しモン好きじゃし。」
助手 「そうですね。で、ライバルはやっぱりドイツのクルマたちになるんでしょうか。」
所長 「まあ、普通に考えればベンツにビーエムじゃろうな。じゃが一番ユーザーを持っていかれるのはトヨタじゃろうな。」
助手 「どうしてですか。」
所長 「まず車種がじゃな、レクサスで売るのがアルテッツァにアリスト、ソアラじゃろ。ほんでもってシグナスにセルシオが遅れて登場というふうに言われておる。これらの車種に今乗ってるユーザーがそのままレクサス店に移る可能性があるわの。」
助手 「まあ、それはそうでしょうね。」
所長 「で、次に考えられるのが、トヨタ車を乗り継いでるお客じゃ。トヨタのクルマを選ぶお客ってトヨタが最高のブランドと考えとると思うんじゃ。」
助手 「メルセデスじゃなくってですか。」
所長 「そうじゃ。ベンツなんかはいくら良くても外車じゃろ。日本の風土や気候、それにお客の好みなんかを考えるとトヨタの方が日本人にあっておるんじゃ。」
助手 「確かに故障に対しての信頼性なんかは国産の方が高いでしょうね。」
所長 「そういうことじゃ。で、トヨタを買ってたお客がじゃな、トヨタのつくったトヨタの上を行くブランドが出来たらどうすると思う。」
助手 「そうですね。クラウンやマークXなんかのステイタスのあるクルマに乗ってるユーザーは移るかもしれませんね。」
所長 「そういうことじゃ。そういう考えのお客は、日産やホンダよりもトヨタ車に乗ってるもんじゃろ。」
助手 「そうですね。」
所長 「じゃが、トヨタもそんなことは百も承知じゃろ。レクサスブランドの方が高いクルマを売るんじゃから客単価が上がるわけじゃし、問題はないじゃろ。」
助手 「でも、販売店からするとたまったもんじゃないですね。」
所長 「そうなるわな。そこで従来の販売店向けに今までと違ったトヨタの魅力を構築せんといかんじゃろうな。そっちの方が重要になるかも知れんのぉ。」
助手 「あと、輸入車はどうですか。」
所長 「そこのあたりがワシもわからんところなんじゃ。ベンツやビーエムを買うお客ってブランド志向が高い客じゃろ、そのお客相手にトヨタのつくった新しいブランドが通用するとは思えんのじゃ。」
助手 「そうですね。突然、今までのトヨタのクルマがレクサスのバッジを付けて高級車ですって言われても、ピンと来ないですよね。」
所長 「そうじゃな。ブランドってつくるモンじゃないからな。長年の信用と実績があってまわりからつくられるモンじゃと思うからな。じゃからレクサスはトヨタのブランド力しかないということじゃ。」
助手 「そうですね。いきなりこのブランドはなになによりも高級ですよって言われても、価格以外に信用すべきところがありませんからね。」
所長 「そういうことじゃ。じゃからレクサスが日本で支持されるようになるまで、やっぱり時間が掛かるじゃろ。それまでおんなじコンセプトで続けられるかが、問題かも知れんのぉ。」
助手 「そうですね。ヨーロッパと日本の違いって継続にあるような気がしますしね。日本の場合、待ちきれないっていうか、売れなかったらすぐに軌道修正しますからね。」
所長 「そこらへんの覚悟が出来てるかどうかじゃな。特にトヨタのように大きい会社の場合、抵抗勢力もあるじゃろうから、結果がなかなか出せなんだら、役員や株主の反対に従わざるを得ん状況も出て来るじゃろうし。」
助手 「そうですね。今までのやり方で利益が出てるわけですし、何もそんなことをしてリスクを負わなくてもっていう意見はありそうですね。」
所長 「あと、お客の問題もあるんじゃ。販売形式なんか気合を入れて考えとるみたいじゃが、例えばお前みたいな貧乏垂れが冷やかしに来たときにどう対処するかが難しそうじゃわい。」
助手 「貧乏垂れで悪かったですね。」
所長 「まあ、まあ、そう怒るな。全然買う気のないお客にでも、最上級の扱いをするんじゃろうな。で、心地よく思ったお客が頻繁に出入りするようになったら、店のイメージが台無しじゃろ。ターゲット顧客の足が遠のいてしまうような気がするわい。」
助手 「確かにそれは言えますね。シティホテルや高級レストランに場違いなカッコをした若い子達がいるとゲンナリしますよね。」
所長 「そういうお客をどう扱うかによってレクサス店の値打ちが決まるような気がするんじゃ。欧米じゃ庶民は絶対に近づかんモンじゃが、日本にはそういう階級意識がないからのぉ。じゃから海外旅行で高級ブティックでヒンシュクを買うんじゃろ。ワシじゃったら場違いじゃということを痛いほど解らせて二度と足を踏み入れたくないようにしてやるんじゃが。」
助手 「でも日本でそういう態度を取るとそれこそヒンシュクを買いますよね。」
所長 「そうじゃろうな。じゃから高級店の構想は日本の風土にあってるとは思えんのじゃ。あれは階級社会の欧米じゃから成り立つんじゃ。日本はみな中流意識じゃから差をつけられると烈火のごとく怒り出すからな。」
助手 「そうですね。」
所長 「じゃから、結論から言うとレクサス店は高価格品を扱う普通のトヨタのディーラーにしかなれんのじゃろうな、日本では。」
助手 「そうですか。じゃあレクサス店構想は失敗に終わりそうですね。」
所長 「それが、そうとも言えんところが難しいところなんじゃ。」
助手 「どういうことですか。」
所長 「さっきも言った通り日本人は新しモン好きな国民なんじゃ。じゃから初めは好調に動くことは間違いないじゃろ。で、そのときにレクサスに対する世間の目がどうみるかじゃ。」
助手 「といいますと。」
所長 「ブームが起こるかも知れんのじゃ。昔のシーマ現象みたいなレクサス現象じゃ。そのときのイメージでレクサスに乗るのは金持ちっていうのじゃなく、頭が良いみたいなイメージが作れれば、爆発する可能性があると思うんじゃ。」
助手 「爆発ですか。」
所長 「そうじゃ。ベンツやビーエムに乗ってるヒトより頭が良さそうに見えるっていうイメージをレクサスが作り出せれば、どうなる。」
助手 「そうですね。今のアメリカでプリウスに乗るのがクレバーに見えるというイメージみたいなもんですね。」
所長 「そういうことじゃ。金持ちに新しい選択肢が出来て、レクサスの方がイメージよく見られるんなら乗り替えるお客も出てくるじゃろ。」
助手 「なるほど、勝算あり、ですね。」
所長 「で、そのイメージが定着するかどうかは、その後の信用の継続が出来るかどうかというわけじゃ。」
助手 「それが一番難しそうですね。」
所長 「そういうことじゃ。じゃからレクサスの成功にとって一番大事なことは、イメージ戦略とそれを裏切らない信用と実績なんじゃ。そのひとつでも欠けると失敗に終わるじゃろ。」
助手 「それは楽しみですね。」
所長 「もう少し言えば、短期的には間違いなく成功じゃろ。自動車雑誌以外でも情報誌や新聞でも大きく取り上げるじゃろうしな。で、本当の結果が出るのが3年から5年ぐらい経ってからじゃろうな。」
助手 「そうですね。来年の10大ニュースには選ばれそうな感じですね。」
所長 「で、それをみてホンダのアキュラが参入することになるじゃろ。でも失敗するじゃろうな。」
助手 「そんな気がしますね。日産のインフィニティーはどうでしょう。」
所長 「まあ、日産は、静観するんじゃないか。Q45で痛い目にあってるからな。」
助手 「そうですね。また参入してコケたら、今度こそ立ち直れないかもしれませんからね。」
所長 「まあ、そういうことじゃな。じゃがトヨタが成功してるのを指を咥えて見てられるか見物じゃがな。」
助手 「では、取り合えず8月スタートですね。」
所長 「うむ。」
参考資料
レクサス(トヨタ自動車株式会社)
レクサス・ブランドその2(轟クルマ文化研究所)
レクサス・ブランドその3(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
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