助手 「トヨタのアクアが新しくなりましたけど。」
所長 「この間、ディーラーの前に止まっとるのを見たわ。」
助手 「どう思われます。」
所長 「うーん、最近のトヨタらしくイヤらしいモデルチェンジじゃな。」
助手 「イヤらしいんですか。」
所長 「イヤらしいと言うと聞こえが悪いんじゃが、ま、お客の要望に上手く応えとるってコトじゃ。」
助手 「そういう意味ですか。ボクは反対にトヨタにしては珍しく外してるように思えましたけどね。」
所長 「ほぉ、そうか。」
助手 「アクアってデビューが2011年なんで、ほぼ10年のロングセラーモデルなんですけど、10年ぶりのモデルチェンジにしては目新しいトコが感じられないんですよ。目立ったところでは何とかっていうハイブリッドの新型電池ぐらいじゃないですか。」
所長 「まぁ、中身はヤリスとほぼ一緒じゃしな。」
助手 「だいたいアクアと言えばプリウスと同じハイブリッド専用車って言うのが売りでしたけど、ハイブリッド自体がどの車種にも設定されるようになって、特別な存在じゃなくなりましたからね。」
所長 「じゃな。国内でもヤリスが大ヒットしとるし、正直アクアがなくなってもまったく問題ないしの。」
助手 「そうなんですよね。なかなかモデルチェンジしなかったんで、このままフェイドアウトするんじゃないかって思ってたぐらいですしね。」
所長 「アクアって海外ではプリウスCって名前で売っとるんじゃろ。」
助手 「ですね。プリウスαと一緒にプリウスブランドとして売り出してましたよね。」
所長 「あんまりパッとせんかったようじゃな。」
助手 「みたいですね。やっぱり海外ではコンパクトサイズよりもプリウスの方が支持されたようですし、ヨーロッパではすでにヤリスが浸透してましたからヤリス・ハイブリッドを導入してましたからね。」
所長 「ただ日本国内ではバカ売れじゃったけどな。」
助手 「ですね。だから新型はほぼ国内がメインって感じですよね。」
所長 「みたいじゃな。先代の乗り替え需要だけでも相当あるじゃろうし、スポーティになったヤリスで拾えんお客をフィットやノートに奪われんようにするのが主な役割りって感じじゃないかのぉ。」
助手 「そう考えると確かにイヤらしいモデルチェンジかもしれませんね。」
所長 「じゃろ。」
助手 「ところで先代のアクアってよく売れましたけど、どれぐらい売れたか知ってますか。」
所長 「詳しい台数までは知らんが販売期間が長かったこともあるし、相当売れたのには間違いないじゃろ。」
助手 「調べてみたんですけど、正直ビックリでしたね。」
所長 「ほぉ、そうか。」
助手 「新型に切り替わる前の月までの国内販売台数の合計が158万台です。150万台超えってどれだけ凄いかわかりますか。」
所長 「150万台かぁ、それは凄いの。普通で考えると50万台も売れれば大ヒットじゃろ。」
助手 「ですね。月1万台コンスタントに売れれば大ヒットと言えるでしょうし、×12か月で年間12万台。これを4年間のモデルサイクルの間ずっと達成しても48万台ですからね。」
所長 「最近は4年でモデルチェンジするクルマは見んようになったんじゃが、それでも5年目、6年目に月に1万台超えを続けるって相当ハードルが高いじゃろうな。」
助手 「ですよね。アクアの場合、よく売れた年で倍以上の26万台を2年連続、10万台以上を8年間も続けてるんですよ。体操の内村もビックリでしょ。」
所長 「そう考えるとこれまでの歴史の中でも記録的な台数なんじゃないか。」
助手 「そうでしょ。ボクもそう考えて調べてみたんですよ。ただ古いクルマは資料がなかなか見つからないんで、正確かどうかわからないんですけど。」
所長 「で、どうじゃった。」
助手 「よく売れたイメージのクルマと言えばカローラを首位から引きずり下ろした初代のフィットでしょ。あと3代目のワゴンRとか、最近だとN-BOXってとこでしょうか。」
所長 「バブルの頃のカローラとか、マークⅡ、あとクラウンなんかもよぉ売れとったんじゃないか。」
助手 「その辺りまでは何とか調べられました。バブル期の一番売れた90系のカローラが92万台、80系のマークⅡで84万台、130系のクラウンが74万台ですかね。」
所長 「あれだけ売れとっても100万台は行っとらんのじゃな。マークⅡにチェイサー、クレスタを足してたら100万台は超えるじゃろうけど、150万台には遠そうじゃな。ま、当時はきっちり4年でモデルチェンジしとったからの。」
助手 「ですね。で、初代のフィットが98万台、3代目のワゴンRが109万台、N-BOXで114万台ってトコですね。」
所長 「さすがによぉ売れとるの。じゃがそれでもアクアの158万台にはまったく歯が立たんの。」
助手 「ですね。でも現行のN-BOXってすでに90万台を超えてるんですよ。まだ当分モデルチェンジしそうにないですし、ひょっとしたら超えてくるかもしれませんよ。」
所長 「もうそんなに売れとるのか。ついこのあいだ出たばっかりじゃと思ったんじゃがな。」
助手 「言えてますね。けどもう出て4年経ってるんですよ。昔だったらモデルチェンジしててもおかしくない時期ですしね。」
所長 「そんなになるんか。」
助手 「これだけ売れてるアクアですけど、もっと売れてるのがあったんですよ。何だと思います。」
所長 「うーん・・・、あれじゃろ、3代目のプリウスじゃろ。」
助手 「正解です。162万台でアクアよりも3万7,000台ほど上回ってるんですよ。」
所長 「発売前の予約だけで25万台じゃったかの、予約台数を掃くだけで年間1位って考えられん現象じゃったしの。しかしアクアとほぼ同時期のクルマが1、2位ってトヨタとしたら笑いが止まらんじゃろうな。」
助手 「まぁ、あくまでも国内販売台数だけを拾った数字ですし、これがグローバルの台数になるとカローラ、カムリ、シビックなんかがとんでもない台数を出してるんでしょうけどね。」
所長 「言えとるの。しかしなかなか興味深いデータじゃったわ。これだけバカ売れしたクルマを10年も売り続けたからこそ達成した台数じゃし、いろんな事情が重なった結果なんじゃろうな。」
助手 「言えてますね。」
所長 「ま、これからしばらくは先代アクアの乗り替え促進だけで台数が稼げるワケじゃ。スポーティなヤリス、流行りのヤリスクロス、保守層には新型アクアって感じじゃな。」
助手 「そんな感じですね。」
所長 「ただ正直、あんまり興味が沸かんのじゃ。」
助手 「え、そうなんですか。」
所長 「最近のトヨタってグローバルモデルは攻めたデザインが多いんじゃが、国内メインのクルマになると、どれも雑誌のスクープイラストを見とるかのような予想できるデザインばっかりな気がするんじゃ。」
助手 「雑誌のスクープイラストですか。」
所長 「そうじゃ。先代のデザインをベースに今風のアレンジを加えたって感じかの。最近じゃとアルファードとかハリアーとかじゃな。」
助手 「うーん、言わんとしてるコトはわからなくはないですけど、アルファードもハリアーも大ヒットしてるじゃないですか。」
所長 「それがまた気に喰わんのじゃ。お客様の欲しいクルマはこういうのでしょ、みたいな見透かしたトコが何ともイヤらしい感じがするんじゃ。」
助手 「確かにイヤらしいですね。」
参考資料
トヨタ・アクア(トヨタ自動車株式会社)
トヨタ・アクア(先代)(轟クルマ文化研究所)
所長 「この間、ディーラーの前に止まっとるのを見たわ。」
助手 「どう思われます。」
所長 「うーん、最近のトヨタらしくイヤらしいモデルチェンジじゃな。」
助手 「イヤらしいんですか。」
所長 「イヤらしいと言うと聞こえが悪いんじゃが、ま、お客の要望に上手く応えとるってコトじゃ。」
助手 「そういう意味ですか。ボクは反対にトヨタにしては珍しく外してるように思えましたけどね。」
所長 「ほぉ、そうか。」
助手 「アクアってデビューが2011年なんで、ほぼ10年のロングセラーモデルなんですけど、10年ぶりのモデルチェンジにしては目新しいトコが感じられないんですよ。目立ったところでは何とかっていうハイブリッドの新型電池ぐらいじゃないですか。」
所長 「まぁ、中身はヤリスとほぼ一緒じゃしな。」
助手 「だいたいアクアと言えばプリウスと同じハイブリッド専用車って言うのが売りでしたけど、ハイブリッド自体がどの車種にも設定されるようになって、特別な存在じゃなくなりましたからね。」
所長 「じゃな。国内でもヤリスが大ヒットしとるし、正直アクアがなくなってもまったく問題ないしの。」
助手 「そうなんですよね。なかなかモデルチェンジしなかったんで、このままフェイドアウトするんじゃないかって思ってたぐらいですしね。」
所長 「アクアって海外ではプリウスCって名前で売っとるんじゃろ。」
助手 「ですね。プリウスαと一緒にプリウスブランドとして売り出してましたよね。」
所長 「あんまりパッとせんかったようじゃな。」
助手 「みたいですね。やっぱり海外ではコンパクトサイズよりもプリウスの方が支持されたようですし、ヨーロッパではすでにヤリスが浸透してましたからヤリス・ハイブリッドを導入してましたからね。」
所長 「ただ日本国内ではバカ売れじゃったけどな。」
助手 「ですね。だから新型はほぼ国内がメインって感じですよね。」
所長 「みたいじゃな。先代の乗り替え需要だけでも相当あるじゃろうし、スポーティになったヤリスで拾えんお客をフィットやノートに奪われんようにするのが主な役割りって感じじゃないかのぉ。」
助手 「そう考えると確かにイヤらしいモデルチェンジかもしれませんね。」
所長 「じゃろ。」
助手 「ところで先代のアクアってよく売れましたけど、どれぐらい売れたか知ってますか。」
所長 「詳しい台数までは知らんが販売期間が長かったこともあるし、相当売れたのには間違いないじゃろ。」
助手 「調べてみたんですけど、正直ビックリでしたね。」
所長 「ほぉ、そうか。」
助手 「新型に切り替わる前の月までの国内販売台数の合計が158万台です。150万台超えってどれだけ凄いかわかりますか。」
所長 「150万台かぁ、それは凄いの。普通で考えると50万台も売れれば大ヒットじゃろ。」
助手 「ですね。月1万台コンスタントに売れれば大ヒットと言えるでしょうし、×12か月で年間12万台。これを4年間のモデルサイクルの間ずっと達成しても48万台ですからね。」
所長 「最近は4年でモデルチェンジするクルマは見んようになったんじゃが、それでも5年目、6年目に月に1万台超えを続けるって相当ハードルが高いじゃろうな。」
助手 「ですよね。アクアの場合、よく売れた年で倍以上の26万台を2年連続、10万台以上を8年間も続けてるんですよ。体操の内村もビックリでしょ。」
所長 「そう考えるとこれまでの歴史の中でも記録的な台数なんじゃないか。」
助手 「そうでしょ。ボクもそう考えて調べてみたんですよ。ただ古いクルマは資料がなかなか見つからないんで、正確かどうかわからないんですけど。」
所長 「で、どうじゃった。」
助手 「よく売れたイメージのクルマと言えばカローラを首位から引きずり下ろした初代のフィットでしょ。あと3代目のワゴンRとか、最近だとN-BOXってとこでしょうか。」
所長 「バブルの頃のカローラとか、マークⅡ、あとクラウンなんかもよぉ売れとったんじゃないか。」
助手 「その辺りまでは何とか調べられました。バブル期の一番売れた90系のカローラが92万台、80系のマークⅡで84万台、130系のクラウンが74万台ですかね。」
所長 「あれだけ売れとっても100万台は行っとらんのじゃな。マークⅡにチェイサー、クレスタを足してたら100万台は超えるじゃろうけど、150万台には遠そうじゃな。ま、当時はきっちり4年でモデルチェンジしとったからの。」
助手 「ですね。で、初代のフィットが98万台、3代目のワゴンRが109万台、N-BOXで114万台ってトコですね。」
所長 「さすがによぉ売れとるの。じゃがそれでもアクアの158万台にはまったく歯が立たんの。」
助手 「ですね。でも現行のN-BOXってすでに90万台を超えてるんですよ。まだ当分モデルチェンジしそうにないですし、ひょっとしたら超えてくるかもしれませんよ。」
所長 「もうそんなに売れとるのか。ついこのあいだ出たばっかりじゃと思ったんじゃがな。」
助手 「言えてますね。けどもう出て4年経ってるんですよ。昔だったらモデルチェンジしててもおかしくない時期ですしね。」
所長 「そんなになるんか。」
助手 「これだけ売れてるアクアですけど、もっと売れてるのがあったんですよ。何だと思います。」
所長 「うーん・・・、あれじゃろ、3代目のプリウスじゃろ。」
助手 「正解です。162万台でアクアよりも3万7,000台ほど上回ってるんですよ。」
所長 「発売前の予約だけで25万台じゃったかの、予約台数を掃くだけで年間1位って考えられん現象じゃったしの。しかしアクアとほぼ同時期のクルマが1、2位ってトヨタとしたら笑いが止まらんじゃろうな。」
助手 「まぁ、あくまでも国内販売台数だけを拾った数字ですし、これがグローバルの台数になるとカローラ、カムリ、シビックなんかがとんでもない台数を出してるんでしょうけどね。」
所長 「言えとるの。しかしなかなか興味深いデータじゃったわ。これだけバカ売れしたクルマを10年も売り続けたからこそ達成した台数じゃし、いろんな事情が重なった結果なんじゃろうな。」
助手 「言えてますね。」
所長 「ま、これからしばらくは先代アクアの乗り替え促進だけで台数が稼げるワケじゃ。スポーティなヤリス、流行りのヤリスクロス、保守層には新型アクアって感じじゃな。」
助手 「そんな感じですね。」
所長 「ただ正直、あんまり興味が沸かんのじゃ。」
助手 「え、そうなんですか。」
所長 「最近のトヨタってグローバルモデルは攻めたデザインが多いんじゃが、国内メインのクルマになると、どれも雑誌のスクープイラストを見とるかのような予想できるデザインばっかりな気がするんじゃ。」
助手 「雑誌のスクープイラストですか。」
所長 「そうじゃ。先代のデザインをベースに今風のアレンジを加えたって感じかの。最近じゃとアルファードとかハリアーとかじゃな。」
助手 「うーん、言わんとしてるコトはわからなくはないですけど、アルファードもハリアーも大ヒットしてるじゃないですか。」
所長 「それがまた気に喰わんのじゃ。お客様の欲しいクルマはこういうのでしょ、みたいな見透かしたトコが何ともイヤらしい感じがするんじゃ。」
助手 「確かにイヤらしいですね。」
参考資料
トヨタ・アクア(トヨタ自動車株式会社)
トヨタ・アクア(先代)(轟クルマ文化研究所)
ただ身内にも競合多いし先代ほどは売れないでしょうね。
二つほど不満なのは、ライトが奥までつり上がりすぎてるところと、キンニクマンのキンニクハウスみたいに口が丸く開きすぎているところ。
どちらもシャープさは無く、むしろやぼったく速そうに見えない。(特にライト。たいていの会社もモデルチェンジでこのような奥ゆきのあるつり目にしたクルマはだいたい失敗してましたが…)
ヤリスもつり目だけどあちらの方がキャラには合ってる。でヤリスと食い合ってシャープに見えるヤリスに負けるというようなデザインなのかな、と思います。
まだシエンタの前部分をそのまま移植してきた方がマシだと思いました。
それでもフィットほどやっちゃった感は無いから、パッソ以上のものが欲しくてヤリスよりマイルドなもの求める人にはそこそこは売れるでしょうね。
それで女性ウケに特化していき、ジュエラみたいな中途半端な女性向けグレード出して…
ヴィッツの運命と同じようなものを感じます。
アクアが今後バカ売れする未来は見えないです…
スズキの新型エスクード や ホンダe
など所長や助手さんのご意見をうかがえたらいいなーと思います
>かつて革新的な車の代表だったプリウスやアクアが、今では逆に保守的な車の代表になっているのが面白いです。
言われてみればそうですね。ハイブリッドが保守的な車の代表って凄い時代になったものですね。
初代プリウスが出たときにこれだけハイブリッドが一般的な存在になるとは誰も思ってませんでしたよね。
>パッソ以上のものが欲しくてヤリスよりマイルドなものを求める人
かなりニッチなマーケットですが、トヨタならそれでも商売になるんでしょうね。
新型エスクードにホンダeですか、
うーん、どっちもあんまり注目してませんでした。
また見ておきます。