『山の夜に 音さやさやし。
聴こえゐて、夜ふくる山を おもへり。』
『雪ふみて さ夜のふかきに還るなり。
われのみ立つる音の かそけさ 』
***
作者は民俗学探求の旅の途中、宿をとった。
人里離れた奥山の底の宿である。
夜になった。床に入ったが眼が冴えてくる。
山の音。それが耳に冴えてくる。
寝入ったのいつだったか。
作者は一面雪の原に立っている。
それを遠くから見つめている作者がいる。
***
『風の音しづかになりぬ。
夜の二時に 起き出でゝ思ふ。われは死ぬなずよ 』
聴こえゐて、夜ふくる山を おもへり。』
『雪ふみて さ夜のふかきに還るなり。
われのみ立つる音の かそけさ 』
***
作者は民俗学探求の旅の途中、宿をとった。
人里離れた奥山の底の宿である。
夜になった。床に入ったが眼が冴えてくる。
山の音。それが耳に冴えてくる。
寝入ったのいつだったか。
作者は一面雪の原に立っている。
それを遠くから見つめている作者がいる。
***
『風の音しづかになりぬ。
夜の二時に 起き出でゝ思ふ。われは死ぬなずよ 』