釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

雑談:『ゼロリスクの罠』

2013-12-31 15:10:11 | 釋超空の短歌
先日、紹介したホームページの書評を読んでいる。

掲題の本のタイトルは『ゼロリスクの罠---「怖い」が判断を狂わせる』(佐藤健太郎、光文社新書)だが、此の本の書評が当該ホームページの2012/09/24付けで記載されている。
興味あるかたはご覧になるとよい。

本来は此の本自体を読むのがベストだろうが、上記の書評だけでも私には充分である。

以下の文章だけでも、私自身大いに反省すべき点が指摘されていて身に染みる。いくつか引用しよう。

・「危険」は実在するが,「安全」は実在するものではない。

・つまり,「安全」とは幻影にすぎないのだ。

・私達はどう考え,どう行動すべきかについて考察するのが本書であるが,その基本思想は「現実を知り,お伽話を排除し,無知による恐怖を取り除く」ということになると思う。

・このようにして、私たちは常に7000ベクレルの内部被爆を受けているのである。このような事実を無視して、放射能を怖がっても意味がないのである。怖がるのは正しい知識を得てからでも遅くないはずだ。

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この書評を読んだだけでも、いかに私(たち)が、己の無知により翻弄されているかが分かる。

事実、当地の新聞には当地のどこそこの放射能線量が何ベクレルかというマップ掲載されていたし、また食品の放射性物質の検査結果表が掲載されていた。

果たして、私(たち)は此の放射能汚染についても、
『お伽噺』に翻弄され無用な恐怖を煽られてはいないか?

『現実( 真の知識 )を知る』ということが如何に大切か、何よりも私(たち)自身にとって。

それを教えてくれる書評である。

雑談:実に面白いホームページの紹介

2013-12-30 15:46:01 | 釋超空の短歌
既に御存知の方もおられるかも知れぬが下記のホームページが実に面白い。

http://www.wound-treatment.jp/

作者は夏井睦(まこと)というお医者さんだが、御専門の話もさることながら、エッセー、書評、映画評論の面白さは抜群である。

ご存知ない方は是非、ご覧になると良い。

私は暫く此れを読みふけるつもりである。
PCモニターで読むのは苦手だが。

雑談:『ラインの黄金』(ワグナー)

2013-12-24 15:48:28 | その他の雑談
年末と云えば、私はベートーベンの九番でも紅白でもなく掲題の楽劇である。
今年の締めくくりとして此処に書いておこう。
さて来年の年末が私に果たして訪れるかどうか・・・
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私にとっては初めて観たワグナーの楽劇だったので今でも、それを印象深く覚えている。なにごとも初体験というものは、良くも悪くも自身の嗜好を決めてしまうものだが、私にとっては、特に『指輪』の『ラインの黄金』が素晴らしかったので、その後TVで観た他の人の演出のものは物足りないものを感ずる。

特に半神ローゲ役がそうだ。パトリス・シェロー版『ラインの黄金』の半神:ローゲ役のハインツ・ツェドニクは私の大のお気に入りになってしまい、他の人のローゲは物足りないものを常に感じている。

『ラインの黄金』に登場する「神」たちのなかで特に魅力的な登場者が火の神( といっても半神だが )であるローゲなのだ。ものの本によると、ローゲ(Loge)の語源は、Luge(嘘:但し、uにはウムラウトが付く。)だそうだ。

このローゲは火と策略と嘘の神で、トランプのカードでイメージすると、あの「ババ抜き」の「ババー」のジョーカーに似ている。あるいはメフィストフェレス。あるいは皮肉屋の子悪魔。もしくはピエロ。「神」から見下されている半端モノの最下位の神:「半神」。これが、『指輪』で一番魅力的な(半)神だ。

このパトリス・シェロー版では、ローゲは「せむし」姿の黒装束で登場する。長身にして細面(ほそおもて)で痩せ型のハインツ・ツェドニクは、まさに適役だった。

この『ラインの黄金』での特に印象的は舞台は、豊饒と愛の女神「フライア」が羽織っていた白い絹状のショールをローゲが奪い、そのショールをローゲ自身にまとわらせ歌唱する場面。この場面は「アルベリヒ」が「愛」を捨てて「黄金」をラインの乙女たちから奪った、その「いきさつ」を語る舞台だが、これが実に良かった。勿論、音楽も。

白いショールと言えば、母なる大地の奥に住む・知恵の女神「エルダ」が登場する場面も実に良かった。白いショールを、ほぼ全身にまとい、「エルダ」が「ヴォータン」を説得する場面の神秘的な雰囲気の良さ。まさにワグナー的陶酔感を味わえる。

しかし、やはり極めつきは、この『ラインの黄金』の最後の場面だ。舞台の遠くからラインの三人の乙女たちの透明な合唱が聞こえるなか、ヴァルハラ城へと向かう神々に背を向け、ローゲだけが不思議な微笑をたたえながら舞台のカーテンを引いていき舞台を終わらせる。この最後の箇所こそ、ワグナーの音楽特有の媚薬的な陶酔感をひたることができる。シビレルとはこのような体験を言うのだろう。

私はこの『ラインの黄金』を大いに気に入り録画したのだが、あの頃は私はベータ機器で録画していたので、結局その録画を、その後観ることはできなかった。それまで無念の思いを続けていたのだが、一昨年、パトリス・ショロー版の『ラインの黄金』のDVDで発売されたので、すぐ購入したのだった。勿論、すぐ観た。またまたシビレタものだった。おお、ハインツ・ツェドニクよ!!

大変嬉しい再会だった。

雑談:『カティンの森』の教訓 

2013-12-21 14:56:56 | 釋超空の短歌
先日、NHK BSでアンジェイ・ワイダ監督の『カティンの森』(2007年)が放送されたので録画しておいた。昨日、観たが、途中で頭痛がしてきたので全部観るのを放棄した。が、録画そのものは破棄していない。当方の気力が出てきたら、その際、継続して観るつもりだが果たして、どうなるやら・・・・

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スターリンといい、ヒトラーといい、他にも大勢いるだろうが、こうも大悪党となると言語を絶し、小生のような気の弱い人間は目がくらみ、大英雄と区別できなくなってしまう。

『カティンの森』の教訓。『アウシュビッツの教訓』。『ヒロシマの教訓』・・・・
その他、人類史上無数にあるに違いないジェノサイド等の教訓。それは何か?

ミもフタもない回答は・・・事実其れしか回答はないだろうが・・・人類という種の病理に結局、帰着する。『ホロン革命』(アーサー・ケストラー著、工作舎)のプロローグに書かれていることこそ、人類という種の病理として私は首肯せざるを得ない。

雑談:A.タルコフスキーの映画音楽CD

2013-12-20 09:34:50 | 釋超空の短歌
私はA.タルコフスキーの映画ファンの一人だが、彼の映画のサウンド・トラック版CDを私は愛聴している。

このCDのタイトルは『SOLARIS,THE MIRROR,STALKER』だから、このタイトルの彼の映画での音楽がCDに13曲収められている。作曲者は全てE.アルテミィエフ。

その中でも私のお気に入りは「STALKER-TRAIN」「STALKER-MEDITATION」の2曲。

前者はタルコフスキーが亡くなった時、NHK・TVでの追悼番組で武満徹が褒めていた曲で、此の曲がBGMとなっている「STLKER」での映像は私の最も好きな映画映像の中の一つ。

後者「STALKER-MEDITATION」は、私の最も好きな映画音楽の中の一つ。

http://www.youtube.com/watch?v=pP1QXKbhqr4

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以前、2CHで話題になったことだが、タルコフスキーは映画撮影において、馬を実際に殺したそうだ。そして殺した馬は映画撮影スタッフ一同、食べてしまったそうだ。

事実かどうか私は知らないが此の件の正当性の当否が話題となった。

タルコフスキーが生きたスターリン圧政下の時代背景を考えると、タルコフスキーや彼の映画を、単純に「崇める」ことは、あまりに甘いというか「平和ボケ」と言われても仕方ないかも知れない。