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消費生活アドバイザーが食品表示をわかりにくく解説するブログ

消費生活アドバイザーが、食品表示を、妄想や推測、人から聞いた噂などを交えて、わかりにくく解説していきます。

米の産地偽装の続きのお話

2017-07-02 11:47:47 | 表示に関する話題
はい、以前中国産の米を魚沼産コシヒカリに混ぜるという嫌な事件がありましたが。
私も踊らされたものよ…
某週刊誌が勝手に調査に持ち込んだことがニュースになっていたようですね。
一方農林水産省での米トレサ法に基づく調査では産地伝達でおかしなところは見つからず。
ていうか、この記事読むと3年間帳票等を保管する義務があるのに、一部の取引先が3年分保管していなかったことがわかっていますが、こういう業者は放置なんですかね。
週刊誌と名指しで偽装を訴えられた事業者側は現在訴訟になっているようです。

確かに「安定同位体」を使った調査というところでまず「なぜその方法???」みたいな疑問がありましたし。
逆に入手困難な外国産米を混ぜるの大変じゃないのか???みたいな疑問もありましたけど。
ただ、だからといって、この記事が本当に妄想なんだよ、中国産の米なんて全く混ざっていなかったんだよ!と証明するのはなかなかすぐには結論が出ないと思います。
週刊誌がどういった経緯で入手した米を調査したのか?その調査方法は妥当なものであったのか?
対抗する事業者が如何に適正と思われるサンプルを適正と思われる方法で分析し、かつ流通段階を調査し、悪意のある第三者も含め混入させなかったことを証明し…。
たった一つの結果をもとに「あったんじゃないですか?」と投げかけるのは簡単ですが、「ない」ことを証明するのは非常に大変です。

私はたまたまネットニュースで農林水産省が調査した結果を見て、あー、偽装でなかった可能性が高かったのか~と思ったものですが。
逆に言うとショッキングに「中国米混入!」という見出しで当該事業者から米を買うことをやめた人たちはこんなニュースに目を留めないでしょうから、混入していないと証明するのも難しければ、名誉を回復することも相当難しい、という、事業者にとってはかなり痛手の事件ですね。
裁判で損害賠償を請求してお金が戻ったとしても、信用とか色々回復しきれない何かが残りますからね…。

踊らされた私が言うのもなんですか、本当に最近のニュースの不公正さみたいなものはビックリしますよね。
いや、昔は昔で国の報道規制とかあったのかもしれませんけど。
勝手にスキャンダラスな記事を書いた雑誌やネットサイトなどのニュースを、さも事実のように垂れ流す。
ネット上で拡散されることで事実のように定着していく。
情報ソースをきちんと確認しなかった私が悪いと言えばそうなんですけど。

うーん、まぁそれにしても、
BSEの時も「人には感染しません!」どこぞの首相が笑顔で子供とハンバーガーをほおばる→やっぱりだめかもとか
O-157かいわれ大根原因説も国が調査中なのに当時の首相がぱっと発表して収集つかなくなったりとか
国から出たと思わせておいて、やっぱりそうでもなかった!みたいにひっくり返しても、取り返しがつかない、みたいな状態だったりもしますしね。
情報ソースが信用できるはずの筋だとしても、誰かの独断専行だったり、研究が進めばそれすらひっくり返ったり、
ニュースは「その後どうなったか」を見守るのが大切なのかもしれません。

ポリフェノール10mg入り

2017-06-28 19:26:22 | 表示に関する話題
はい、私の目に凄いインパクトをもって現れたとある清涼飲料の強調的表示。
「ポリフェノール10mg入り」

栄養成分の表示の決まりの中で、ミネラルやビタミン、食物繊維といったものは「含みます」などと強調する場合、一定の量含まなければならない、という規定が食品表示法にあります。
凄く少量しか入っていないのに、「入れているから『入り』って書いても良いだろう」という理論は通じません。
昔は通じたかもしれませんが、少なくとも今は通じません。
但し、ポリフェノールなど、ふわっとした、栄養成分???みたいな内容のものについては、どれだけ入っていなければ「含みます」といった表示ができないとかできるとかそういう規定はありません。
つまり、どんなに少なくっても「入り」という事は出来ます。
実際入っていれば、です。
入っていなければ、恐らく、食品表示法ではなく、景品表示法に違反してしまうでしょう。

さて、くだんの商品に戻ります。
例のごとく「10mg」の肩口に「*」マークがついています。
どこかに何らかの注釈がある印ですね。
探してみると、なんと「*1本(1000ml)あたり」
なんと…1Lあたり10mgだというのです。
恐れ入りました。
これ1L飲んだとしても、ポリフェノール10mgしかとれないのに、よく強調しようと思ったよね!と。

世の中のポリフェノールを含む商品のイメージとしては、申し訳ないんですが、3ケタです。
100mg位は入っているイメージです。
まぁ、飴玉とかにはあまり期待できませんが…。
しかしイメージでものを言うのも何なので、はい、国民生活センターのデータを見てみましょう。
国民生活センターのポリフェノール含有食品の商品テスト結果
平成11年、古い!
とはいえ、私は自前でポリフェノールを分析できるほど金持ちでもないですし、この二十年弱で科学が進歩したとしても定量されるポリフェノール量が大きく変わることは恐らくないでしょう。
というわけで、10ページの⑦果汁入り飲料(ブドウポリフェノール)を見ると、100ml 当り50~320mgだそうです。
※因みにこの調査でいう「果汁入り飲料」は100%ジュースも含むため、法における「果汁入り飲料」とは意味合いが若干違うものと思われます。
100mLあたりでもう負けている…
5.評価表の項を見ると、調査した商品の一覧が見られますが、1日当たりの摂取量でみても、一番少ないのがキャンデー15mg/5粒(25g)です。
平成11年ごろの事業者たちが頑張っていた、というのはあるのかもしれませんが、それにしても10mg/1Lで「含みます!」と言い出したこのメーカーはある意味凄いと思います。

国民生活センターの資料の中にも記載があるのですが、確かにポリフェノールを含むし、抗酸化力とかもあるっぽいけれど、実際例えばチョコレートなどは脂や糖を沢山含むので食べ過ぎは良くないとか、そういった注意喚起のようなものもあります。
実際件の商品を1L飲んだとして、摂取できるポリフェノールと他に摂取する何かとのバランスはどうなんだろう?というのはありますね。
ただ、身もふたもないことを言ってしまうと、「抗酸化力があった」というのは、試験管の中などのレベルの話だったりしますね。
迷信程度に飲んでいる、プラセボ効果を期待して飲んでいる、くらいならいいと思いますが、「何か良さそうな成分入ってるっポイ」といって飛びつくのは早計というものなのでしょう。

夏に花咲くチョコレート

2017-06-12 23:21:35 | 表示に関する話題
夏が始まりました。
夏は、チョコレートが花咲く季節です。
はい、何言ってるんだこいつ、ついに頭狂ったか、と思われたかもしれませんね。

最近のチョコレートには「28度以下で保存」といった注意書きが書かれていることが増えました。
何故か。
大抵のチョコレートには注意書きが書かれています。
28度以上になるとココアバターが溶けだし、再び冷えて固まると、粉を吹いたようになる、これをブルーム現象(ブルーミング)と言います。
この現象が起こると、食べられない訳ではないですが、あまり美味しくない、そしてクレームの元になる、という訳で、多くのチョコレートメーカーは
「これは自然な現象だよ、食べられない訳じゃないから返品しないでね、でも美味しくなくなるから、温度上げないでください」という注意喚起をしている訳です。
ブルームと言うと、真っ先に花を思い浮かべる私ですが、実際ブルーム現象についても、「花が咲いたように見える事から」と解説されている方も多く見受けられますし、私もそうだと思っていました。
が、実際には「bloom」という言葉に果物などの表面の白い粉という意味があるらしく、日本チョコレート・ココア協会ではこちらの意味であろう、と記述しています。
しかし個人的には「花が咲いた」と思えば、多少味が落ちていても気持ち良く食べられるんじゃないかななんて。
「食べる」という行為については、人の感情が物凄く影響を与えると私は思っています。

因みに、いわゆる一括表示には「保存方法」を記載することが定められていますが、常温で保存すること、のみの場合は表示が免除されます。
今、私の手元にあるチョコレートの表示を見たら、しっかりと「28度以下の涼しいところに保存してください」と書かれています。
昔は無かったような気がしましたが…。
賞味期限も「美味しく食べられる期間」なのですから、保存方法も「美味しく食べられる保存方法」を書くのが適切なのでしょうね。

目には確かに見えぬ認証

2017-05-31 22:36:17 | 表示に関する話題
さて、現代では「オーガニック」や「有機」は認証されているのが当然、となっています。
「オーガニック」や「有機」と書かれた商品には必ず「有機JASマーク」がついています。
外食は…ちょっとどうですかね???オーガニックカフェ、とか言っても、確かに有機野菜とか使っているかもしれませんし、その辺のおばちゃんが作った野菜をなんとなくふわっとオーガニックとか言ってたりするんじゃないのってちょっと疑ってます。

有機JASマークが出来るまでは、全く有機でもなんでもない商品にやたら「オーガニック」をつけて売る商法がありました。
えー、またまた、そんなこと言って、TKNさんて本当にビッグマウスなんだからー、という人もいるんですけど。
実際2000年より前位はそういう混沌とした時代でした。
「何がオーガニックだ!」と言いたくなるような添加物モリモリの食品を「オーガニック○○」として売ってみる、とかやりたい放題でした。
が、売り手がやり過ぎた結果、すげえ農薬使ってるのに有機とかいったいどういうことだってばよ!みたいな状態になって、規制が入りました。
あれですよね、新しいキーワードを見つけて、よっしゃこれで売ってみよう!→他の業者が真似する→訳わからん商品増える→規制
この流れは鉄板ですよね。
最近では「グルテンフリー」が目を付けられていますが、早めに下火になっておいた方が身の為だよ!と思うんですけど、囚人のジレンマ的な何かで皆引くに引けないのでしょうか。

有機には、畑から育てる部分の認証や加工するときの認証、輸入するときの認証など様々あります。
正直私は全部は把握してないです。
畑の場合は生産記録とか実地検査とかですかね?
加工の場合は原料がきちんと有機認定されているのかとか仕入の帳票記録から生産ラインの検査とかですかね???
輸入とか…混ざらんようにしろよ!とか、変な加工してないだろうな?とかそういうイメージですかね?
なんかふわっと。ふわっとしたイメージです本当にすみません。

購入する側は…信じるしかない…認証が正常になされていると…。

農産品そのものであれば、使っていないはずの農薬が検出されたぞ!とかで判明する可能性もありそうですが。
加工食品になっちゃうと、有機かどうかって判別できるんですかねぇ???

ただ、企業はあのマークを貼る事で付加価値をつけるとともに、責任も持たされている訳ですから。
特別な価値を求める消費者はそれなりの対価を支払って購入する選択肢を持っている訳ですよね。
目には確かに見えない価値がそこにあるのが「認証」というものかなぁと思います。(いや、マークとして目に見えてるんですけどね)

トクホ有効成分が足りない事件

2017-05-22 19:35:50 | 表示に関する話題
トクホの抜き打ち調査で有効成分の不足がある製品が出ました。
まぁ、数日前位の話だと思うんですけど。
片方はまさかの製薬メーカーの商品です。

儲かるかなって健康食品に手を出す製薬メーカーもいるようですが。
その管理の程は、やはり医薬製品ほどではないんじゃないのかなっていう…ことを…感じます。
素人感覚的には、「医薬品メーカーが何か体にいいって言ってるんだから信用できる」みたいなネームバリューを感じる気がしますが。
うっかりすると、その会社の医薬品の信用が落ちると言う諸刃の剣であるように思えますね。

製薬メーカーの名前や大手企業の名前があっても、実際は健康食品を受託契約で製造するメーカーが作っていたりすることも多かったりして。
製薬メーカーだから安心(委託)みたいな…。
私の存じ上げている某メーカーでは割と委託先に厳しい検査を課していましたが。
正直、コスト半端ないんだろうなぁという感想を抱いていました。

しかし、実際のところ、大手が実直にやっても売れないのが健康食品の世界です。
真面目なメーカーもいます!
と宣言しますが。
不真面目なメーカーも多分います…。
そして多分不真面目なメーカーの商品の方が売れやすいのがこの世の運命。
あいつらは「怒られたら撤収」みたいな感覚で広告うってきたりしますからね。
やはり広告の力は凄いですよ。
ステマとかダイマとか、真面目なメーカーが検査にかけるお金を広告にかけた方が売れて当たり前ですよね!っていう。