消費生活アドバイザーが食品表示をわかりにくく解説するブログ

消費生活アドバイザーが、食品表示を、妄想や推測、人から聞いた噂などを交えて、わかりにくく解説していきます。

なんとなくツイッターで呟かれたことに対する企業の対応。

2021-04-11 01:13:09 | 表示に関する話題
OGPイメージ

あけくちの下のレシピが真っぷたつ、消費者に不便では? 販売元「アレルゲンや原材料の情報が切れないためです」

“あけくち”の切り込みに沿って、スープの素のパッケージを裂いたら裏面のレシピが真っぷたつに…。子育て中のイラストレーターのオヨネ(@Dq4O...

gooニュース

 

「“あけくち”の切り込みに沿って、スープの素のパッケージを裂いたら裏面のレシピが真っぷたつに…。」というツイッターのつぶやきが話題になったようです。
これに対するメーカーの反応は
「2017年にパッケージデザインを変更した際、アレルゲンや原材料が切り取られた場合にアレルギーを持つ方にリスクが大きいとの理由で、あけくちを現在の位置に変更しました。その際、作り方がわからなくなってしまう可能性もあるため、小袋にも作り方を入れるようにしています。本商品は2回分入っているため、2回目にご使用の際にもお客さまに重要な情報が残るようにパッケージにも情報を配置しています」
うん、そうなんだよね、消費者の皆さんの気持ちもわかるけど、メーカーの皆さんも意外に色々考えて配置してたりするんですよね…
私も昔食品企業に勤めていた時に、キャンペーンのシールを貼るときに表示が隠れてしまっていは駄目だから、そして製造ラインの都合上~だから、表示をこの位置にして…みたいな調整をしていたのを思い出しました。

で、本題はこの先です。
このつぶやきに対して、
「なんでもかんでもクレーム言い出す人がいるけど、切ったところで切れ目のところでつなぎあわせれば大体読めるでしょ」という呆れの声と
「こうやって声をあげることで消費者にとってより良い商品ができるよ」という喜び?の声と
「単なるネタでしょ」という冷徹な声と
色々な反応があると思います。

多分ですけど、呟いた本人が単なるネタと思ってツイッターに載せたとしても、メーカー側としては「単なるネタでしょ」とスルー出来るかは難しいところだと思うんですよね。
過去に虫が入っていた!とツイッターにあげた例などもありましたが、ツイッター上のクレーム的な案件を企業も無視するわけにはいかない時代になっていますので、自社や自社製品に関するツイートがあればモニタリングしているような企業も多いと思います。
本人が大したことないと思っていてネタとして呟いて、実際大したことない内容だとしても、モニタリングの担当者が「対策しないと!」みたいになって社内で対策する羽目になるなど、メーカーにとっては多大な労力がかかる可能性があります。
それがコストとして製品にのっていく可能性ももちろんあると思います。

そうは言っても包装をちょっと変えるだけでしょ、と思うかもしれませんが、こういったクレームを元に対策をした場合、それを他の製品にも展開することになります。
そうすると、何気なく呟いた一言が大きな仕事に変わっていくわけです。
この場合対策をしようとすれば、レシピもアレルギーも切れないような配置を全ての製品で考え直し、印刷会社とやり取りし、新しい包装資材の表示事項に間違いがないかなどいくつもの部署でチェックする、という作業が生じ、かなり時間と手間と人員がかかります。
それも、沢山製品のある企業であれば、包装資材の在庫を確認し、どの製品から対応していくか決めるなど管理上の手間もかかります。(最悪前の在庫を廃棄するお金もかかるかも)急いで対応しなくて良いのであっても、次回何かのタイミングで変更する、となればその場合対応済みかどうかの情報を保持するなり改版の都度チェックする…とかいう手間が出てきます。

企業側も、ツイッター上の「単に呟いてみただけ」とかある程度不便を感じている客がいるようだが、それよりもっと重要なことが他に沢山ある、などのケースについて、冷静に対応することが求められると思いますが、担当者が本当に冷静に対応できるか、とか、たまに存在する「小さな問題を大きな問題にする」タイプが周りを巻き込んで滅茶苦茶していくパターンもありますので、難しいところですね。
ねがわくば、呟く側の人も、製品名や企業がわかるようなことについて呟くときで、「いいネタだ!」と思ったとしても、それが悪質クレームだ、と思われないような配慮をいただけるといいのでは?とおもったニュースでした。