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消費生活アドバイザーが食品表示をわかりにくく解説するブログ

消費生活アドバイザーが、食品表示を、妄想や推測、人から聞いた噂などを交えて、わかりにくく解説していきます。

日本の狂ったSNS事情(食品表示編)

2023-11-06 17:10:08 | 表示に関する話題

とあるXのポスト

 

 

『日本の狂った表示制度(おにぎり編)

原材料の塩飯の中に合成保存料や化学調味料が入っていても「塩飯」とさえ表示すれば、その塩飯に使われている合成保存料や化学調味料については記載しなくてもOK。

いつの間にかこんなことになっています。

キチンと表示してほしい。って思った方はリツイート。』(2023/11/3午後2:22)

リポストは11/6午後5:13現在で6553。 これについてのコミュニティーノートは以下の通り。

『根拠不明です。

食品に含まれる添加物表示が免除されるのは、栄養強化、加工助剤、キャリーオーバーに該当する場合のみです。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0323-3e.html

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_kakou_additives.html

塩飯の中に保存料や化学調味料が含まれる場合はそれらのケースに当てはまらないため、表示義務があると思われます。記載しなくてもよいとする根拠はみつかりませんでした。』

 

必ずしも使用されている添加物が全て記載されているわけではないのは確かです。

コミュニティーノートの通り、栄養強化、加工助剤、キャリーオーバーは表示されません。

が、コミュニティーノート記載の通り、この事例は「記載しなくてもOK」ではありません。

何故なら味に影響する化学調味料が入っていれば、それはキャリーオーバー出来ないからです。

 

 

栄養強化とは、その名称の通り、栄養を強化するために添加された添加物です。

例えば「ビタミンC1000mg配合!」と言ったときに、添加物としてのビタミンCを表示しなくても良くなるわけですが、実際問題表示しない意味があまり無いので、通常多くの事業者は表示しているでしょうね。

ビタミンC強化と書いてあるのに、原材料にないよ!となると、消費者が混乱しますし、謳わない栄養強化はあまりする意味がないでしょう。

書かない事業者がいたとすれば多くが「栄養強化」と言い訳しつつ、別の理由で添加しているアカン系事業者なのでは?と邪推しています。

ただ、目的が本当に栄養強化であったら、それに対して苦情を言う消費者は少ないのでは?と思います。(だからこそ免除されてるんですかね

 

キャリーオーバーは、最終製品中の量が少なくなって、効果がなくなったものは表示しなくていいというものですね。

キャリーオーバーについてネットで検索すると、誤解されているらしいケースをよく見かけますね。

上記のXのポストもそうです。

副原料として表示しているからと言って、添加物が全てキャリーオーバーに出来るわけではありません。

塩飯として購入しておにぎりに加工した、よって原材料「塩飯」とした場合に、そもそもの塩飯をターゲットにして化学調味料や保存料が使われていたのであれば、それらは形を変えただけのおにぎりでも効果が残るものと考えられますので、表示は免除されません。

塩飯の塩が塩だれの塩だったとして、塩だれにわずかな保存料が使用されていたが、塩飯の中ではもはや量がわずかで効果が無いというのであればキャリーオーバーになるかもしれません。

「最終製品に効果が無い」というのがポイントになるので、基本的に味、色、香り等、五感に影響するものはキャリーオーバーできないと言われていますので、いずれにしろ化学調味料は表示対象です。

炊飯された飯には色々なものが添加されているのに、最終製品ではなかったことにされると主張している方も居ましたが、弁当などの場合では他のおかずなどの添加物とあわせて最後に表示されています。

自分の納品したご飯で表示されるべき添加剤が本当に表示されていないのであれば、Xで呟くより消費者庁へ通報すべき案件です。

 

加工助剤は運動家にとっては悪名高いものが多いですね。

有名なところでミカン缶詰の皮を除去するのに塩酸が使われていて、「そんな危険なものを使うなんて!」とか言われていますが、水酸化ナトリウムで中和したら食塩と水になるんだよなあという…。

工場の人の安全衛生を考えての話であれば「優しいね」と思いますが、「そんな危ない物食べたくない!」という観点であれば、理科の授業をやり直しましょうという話になりますし、「手で剥け!」というなら、この先の人手不足を少し考慮すればミカンの缶詰は超高級品になるでしょう。

抽出等に使われるヘキサンなども加工助剤とされますね。

なお私は学生実験の時はゴーグルも手袋もなしにヘキサンをじゃぶじゃぶ使っていましたが、今でも元気です。(約四半世紀前の出来事です)

これが体に悪くないとは言いませんけども、一応科学に基づいて減圧蒸留などによって除去されているはずです。

ごくわずかでも毒性がありそうなものは許さん!とか、除去されても許さん!というのであれば、多分この世界では生きていけません。

天然自然のキノコを採ってきて食中毒をする人が居るように、自然物にも毒はあり、我々が通常食べている野菜や肉なども「食べてきて取り立てて健康被害が無かったので」という歴史から「無毒であろう」と推測しているだけで、実は自分の持病の原因が生涯食べ続けた食品が原因だった、といった可能性も否定されてはいないのです。

 

私は以前は企業での情報コントロールに係るコストが消費者に跳ね返ることを懸念していた訳ですが。

最近思うことは「多くの情報を開示したところでそれを基に合理的な判断が出来る人がどれくらいいるのだろうか」ということ。

お前は出来るというのか!と言われれば、私も別に科学知識が凄く豊富な訳でもないですし、各物質の有害性の論文などを読み込んでいる訳でもないので、情報あっても判断できません。

大体表示には量的な要素が無いので、ADIなどの情報を持っていたところで厳密には役には立たないなあと思ったりもします。

逆に言えば量的な要素を無視してキャリーオーバーや加工助剤を表示すれば却って判断しにくくなるかもしれません。 

今の表示が最善、と主張するつもりはないですが、では何もかもを出して全ての食品に関する情報がA4一枚くらいになったら、誰が真面目にそれを見るんだろう、という気はしています。

(PL対策表示とかまさに、誰も読んでいないのでは状態…)

 

あと、途中にも書いたけど、本当に違法な表示されているという確信があるなら、SNS上で「こんな世の中だよ!」と言うのではなく、通報しようね!

真面目に法律守って表示している食品メーカーは沢山ありますので、こんな世の中でなく、表示をしていないその企業が問題です。


100%メロン

2022-09-06 23:43:22 | 表示に関する話題

トロピカーナ「100%メロンテイスト」 実はメロン2% 景表法違反(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 キリンビバレッジ(東京都)が販売するメロン味のミックスジュースについて、消費者庁は6日、原材料の大部分がメロン果汁であるかのようなパッケージ表示が景品表示法違反...

Yahoo!ニュース

 


トロピカーナさんはね…いつかこんなことになるんじゃないかなって気がしていました。
私もトロピカーナの100%ジュースは何度か手に取って原材料表示見て棚に戻したことがありますね。

公式はこちら
景品表示法に基づく措置命令に関するお詫びと再発防止策について | 2022年 | キリンホールディングス
『あたかも本商品の原材料の大部分がメロン果汁であるかのように示す表示をしていたが、実際には原材料の大部分は「ぶどう・りんご・バナナ」果汁を用いている。これにより、お客様に実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものであること。』
具体的にはあんま書いてないっすね。

実際にはパッケージを変更して今も販売しているようですので、具体的にどこが問題だったのかを替えられた部分から考えると
・「100% MERON TASTE」→「100% FRUITS JUICE」
・正面の写真を、ちらっとだけバナナ、下の方にちらっとリンゴ断面、ブドウが入っているもの→手前のリンゴ、ぶどうの存在感が強いものに
・正面下部にある果汁割合の表示について、「900mL まるごと果実感 (改行文字サイズアップ) 濃縮還元 メロンテイスト 果汁100%」→「900mL まるごと果実感 メロンテイスト (改行文字サイズアップ) 濃縮還元 果汁100%」としていますね。

ニュースの記事中では『「100% MELON TASTE」「厳選マスクメロン」といった表示や、メロンにストローを刺したイラストが注ぎ口の部分などに表示されていた。』といった記載がされていますが、「厳選マスクメロン」やメロンにストローのイラストは残存。
まあ、2%だろうがその2%果汁がすべて厳選したマスクメロンを使っていれば「厳選マスクメロン」と書くことに問題ないだろうし、他の果物も見えてるんだから、注ぎ口にストロー刺したメロンが入っていたところでメロン100%とは思わないでしょってところでしょうか。

なんとなく企業が考えそうな理論としては
「100%」→果汁が100%なので嘘ではない
「100% MERON TASTE」→英語だから表示というほどのこともない、また、TASTEと述べており、果汁が100%とは言っていない、正面画像も見えにくいが他の果物もうつしている
「濃縮還元 メロンテイスト 果汁100%」→メロンはあくまでテイストであり、果汁100%は法に従った表示であり、メロン果汁とは言っていない
とか言ったところでしょうか。
濃縮還元の後にメロンテイストを置いてから果汁100%と書いていたのも、誤認を招こうという意図はあったけど、「テイストなので~」という言い訳があったんじゃないかなと。
私のように店頭で表示みて「なにこれぶどうジュースじゃん」と棚に戻す人もいれば、一定数「おっメロンジュース美味しそう!」って買って家に帰ってから「ぶどうジュースじゃん!」って人もいるだろう。
苦情が入った時にコールセンターの人が答えられる問答集くらい用意されてると思います。

ニュースの記事で法務どうなっとるんやってコメントも見ましたが、結局のところ景表法はこれがNG!という決まりだけでなく、誤認させる、って話だからね、競争が苛烈な飲料部門であれば、皆ギリギリ狙っていくのもわからないでもない(昔からです。
元のパッケージに紐づく商品設計で絶対引っかからないようにしたければメロン果汁の割合をかなり上げないとだめだろうけど、トロピカーナの紙パックジュースが値段高かったら誰も買わないでしょうからねぇ。
中身に合わせて絶対引っかからないようなパッケージにするなら、メロンの存在感が凄く薄れる訳で、それはそれで誰も買わなくなる。
じゃあそんな商品作るなよ!って話ですけど、客が安くて美味しそう、と思ってくれないと手に取ってもらえないですからね。
実際消費者庁とかも、販売するにあたって多少良く見せるのは仕方ない良くあることっておもっていたはずです。
じゃあどこまでが許容範囲なのか、それは多分とても難しいところだと思います。
まあ、時代によっても変わってきますが、この辺は昔からいたちごっこだったのでしょうね。

「生クリームは飲み物」ネット通販中止

2021-09-23 20:04:58 | 表示に関する話題
「生クリームは飲み物」というものを通信販売していた会社があったらしいのですが、保健所から指導があって販売中止になったらしいです。
お詫びの文書はこちら

お詫び文書から一部引用すると---
当初「生クリームは飲み物」は「洋生菓子」として開発をしましたが、保健所からのご指摘で「社会通念上、製品の形状からして飲み物ではないか?」「乳製品を使用しているという観点から乳飲料ではないか?」というご指摘をいただきました。
---引用ここまで

実際の製品の写真と思われるものがネット上にありましたが、飲料が入るようなプルタブ缶で、中からどろっとした乳飲料が出てくるような商品だったようです。
そもそも「飲み物」と製品名をつけてしまった時点で、お上に対しては負け戦になっていたのではと思いますね。
「カレーは飲み物っていうけど実際は食べ物だろ!」とかいう反論も承知しますが、カレーは確かに社会通念上食べ物としての実績がありますし実際咀嚼しないと食べられないゴリゴリの食べ物であると思いますが、具材もないどろっとした製品を飲料缶に入れて出してしまった時点でこの製品は飲み物としての体を作ってしまっています。
また、ネットの記事でオンラインショップからの引用として「超濃厚生クリームを飲み物にしました。おいしさをギュッと冷凍しお届けいたします!タピオカ用のストローで口いっぱいに広がる生クリームの濃厚な味!」という文言が載せられていて、これが本当なら店側としても飲料として売っていたとしか思えないんですが…。
いずれにしろ、保健所の言う「製品の形状」以外にも飲料と判断できる要素があるような気がしました。

因みに通販サイトのキャッシュを見ると、一応名称的には冷凍の洋生菓子として売っていたみたいですね。
引用開始---
【名称】洋生菓子
【内容量】105g
【消費期限】製造日を含む1ヶ月
【保存方法】要冷凍(-18℃以下)で保存し、解凍後は速やかにお召し上がりください。
【冷凍前加熱の有無】加熱していません。
【加熱調理の必要性】無し。
★原料が新しくなりました!
生クリームを使用した乳脂肪分14%のクリームを使用することでより深い味わいになりました!
【原料名】乳製品(国内製造)、植物油脂、還元水飴、砂糖、洋酒/乳化剤、カウコーヒー、メタリン酸Na、香料、セルロース、安定剤(増粘多糖類)、(一部に乳成分・大豆を含む)
---引用ここまで

更に保健所から商品名に対しても指摘があったとことで、お詫び文書には以下のような記述があります。
引用開始---
「生クリームは飲み物」という製品名についても、「クリームという言葉を製品に使用するには、昭和二十六年(1956 年)にできた乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(通称は乳等省令)に準拠したものでないといけない」というご指摘をいただきました。
---
お、おう…。洋生菓子だとしても、生クリームそのものと誤認させるような名称だとやっぱNGなのかなとも思いました。乳等省令だからな…飲料には限らないもんな…。
最近は乳等省令を気にしていないのでは?と思うようなネーミングも増えてきているので、引き続ききちんと取り締まってほしいものです。

この保健所の指摘に対し企業は謝罪文の中で以下のようにコメントしています。
引用開始---
現在、「生クリームは飲み物」は弊社のハワイカウコーヒー新宿御苑本店の店舗内で製造しています。
店頭販売(飲食店の営業許可)では皆様にすぐにお飲みいただくため問題は無いのですが、通信販売で「飲み物」を販売するとなると、法律上、専用の工場レベルの設備・営業許可が必要とのご指摘でした。
---引用ここまで
その後コンセプトとか色んなことを勘案すると、洋生菓子として咀嚼するような製品にするとコンセプトに合わなくなるとか色々な話をしたのち、いったん製造中止としたとの結論が語られています。
うーん、そもそもこれ、洋生菓子だとしても、飲食店の営業許可では通販できないんじゃないかな???って思いました。
食品の製造業とか取るの、そんな簡単じゃないような気がするんですが…。

日刊スポーツの記事によると
引用開始---「飲むヨーグルト」を製造している業者など、約50社に製造工程を依頼したが、粘度が高い生クリームは排水管が詰まるなどの理由から全ての会社に断られた。---引用ここまで
とのことで、自社の構造設備では無理だから外注しようとしたけど断られてしまったようです。
まぁ凄い大量に製造してくれるとかで業者側に大きな利益が出るなら、色々改善して手を貸してくれる業者もあるかもしれないけど、飲料なんてそもそも水物ですぐ売れなくなる商品が多いから、無理してまでやりたがる会社はないでしょうね。

店舗側にしてみると、コンセプトにあわない製品にはしたくない、でも今の仕様のままでは作れない、製品名も変えなきゃいけないと厳しい状態ですね。
騙そうとしてわざとやっているわけじゃないんだし…みたいな擁護の声が出ているのも見かけましたが、こちら衛生上の問題になるので怖いですし、名称についても、他の企業が守っていることを守らないのはやっぱだめです。
インパクトがある商品名だから話題になった、というのもあるでしょうし、だます意図はなかったとしても、消費者がある程度「商品名につられて購入している」以上、結果だましていることになると私は思います。
これが激化していくと、消費者が製品を選ぶときにも支障が出てくるからね。そして規制が強くなると。誰も得しないです。

因みにお詫び文書を見ると、製品名については「生ホイップは飲み物」として店頭販売を再開するようです。
新ロゴを見ると「生クリーム入りホイップを使用」って書いてありますけど、大丈夫?生クリーム(乳等省令上の規格を満たす)本当に入ってる?と若干不安になりますね。
流石に一回やってしまっているので、その辺担保するようにして…いるのかなぁ…???
いつの間にか仕入れてる原料の仕様が変わってたけど気づきませんでした!とかないといいね?
そんな長寿商品にはならないか…。

コロナ禍で飲食店は風当たりが強くて大変だと思いますが、新しいことをやるときはぜひ関連法規を確認して、問題ないよう(特に衛生関連)引き続き頑張ってほしいと思います。
私の好きだった飲食店もいくつか閉店してしまって本当に悲しいのですが、だからといって法律守らなかったお店の売り上げが高くなって、やったもん勝ちってなるのは真面目なお店のことを考えるととても悲しいので…。
私はまだワクチン打ててないですけど、ワクチンパスポートでもなんでも活用して、早く飲食店の商売が再浮上できますようにと願っています。

なんとなくツイッターで呟かれたことに対する企業の対応。

2021-04-11 01:13:09 | 表示に関する話題
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あけくちの下のレシピが真っぷたつ、消費者に不便では? 販売元「アレルゲンや原材料の情報が切れないためです」

“あけくち”の切り込みに沿って、スープの素のパッケージを裂いたら裏面のレシピが真っぷたつに…。子育て中のイラストレーターのオヨネ(@Dq4O...

gooニュース

 

「“あけくち”の切り込みに沿って、スープの素のパッケージを裂いたら裏面のレシピが真っぷたつに…。」というツイッターのつぶやきが話題になったようです。
これに対するメーカーの反応は
「2017年にパッケージデザインを変更した際、アレルゲンや原材料が切り取られた場合にアレルギーを持つ方にリスクが大きいとの理由で、あけくちを現在の位置に変更しました。その際、作り方がわからなくなってしまう可能性もあるため、小袋にも作り方を入れるようにしています。本商品は2回分入っているため、2回目にご使用の際にもお客さまに重要な情報が残るようにパッケージにも情報を配置しています」
うん、そうなんだよね、消費者の皆さんの気持ちもわかるけど、メーカーの皆さんも意外に色々考えて配置してたりするんですよね…
私も昔食品企業に勤めていた時に、キャンペーンのシールを貼るときに表示が隠れてしまっていは駄目だから、そして製造ラインの都合上~だから、表示をこの位置にして…みたいな調整をしていたのを思い出しました。

で、本題はこの先です。
このつぶやきに対して、
「なんでもかんでもクレーム言い出す人がいるけど、切ったところで切れ目のところでつなぎあわせれば大体読めるでしょ」という呆れの声と
「こうやって声をあげることで消費者にとってより良い商品ができるよ」という喜び?の声と
「単なるネタでしょ」という冷徹な声と
色々な反応があると思います。

多分ですけど、呟いた本人が単なるネタと思ってツイッターに載せたとしても、メーカー側としては「単なるネタでしょ」とスルー出来るかは難しいところだと思うんですよね。
過去に虫が入っていた!とツイッターにあげた例などもありましたが、ツイッター上のクレーム的な案件を企業も無視するわけにはいかない時代になっていますので、自社や自社製品に関するツイートがあればモニタリングしているような企業も多いと思います。
本人が大したことないと思っていてネタとして呟いて、実際大したことない内容だとしても、モニタリングの担当者が「対策しないと!」みたいになって社内で対策する羽目になるなど、メーカーにとっては多大な労力がかかる可能性があります。
それがコストとして製品にのっていく可能性ももちろんあると思います。

そうは言っても包装をちょっと変えるだけでしょ、と思うかもしれませんが、こういったクレームを元に対策をした場合、それを他の製品にも展開することになります。
そうすると、何気なく呟いた一言が大きな仕事に変わっていくわけです。
この場合対策をしようとすれば、レシピもアレルギーも切れないような配置を全ての製品で考え直し、印刷会社とやり取りし、新しい包装資材の表示事項に間違いがないかなどいくつもの部署でチェックする、という作業が生じ、かなり時間と手間と人員がかかります。
それも、沢山製品のある企業であれば、包装資材の在庫を確認し、どの製品から対応していくか決めるなど管理上の手間もかかります。(最悪前の在庫を廃棄するお金もかかるかも)急いで対応しなくて良いのであっても、次回何かのタイミングで変更する、となればその場合対応済みかどうかの情報を保持するなり改版の都度チェックする…とかいう手間が出てきます。

企業側も、ツイッター上の「単に呟いてみただけ」とかある程度不便を感じている客がいるようだが、それよりもっと重要なことが他に沢山ある、などのケースについて、冷静に対応することが求められると思いますが、担当者が本当に冷静に対応できるか、とか、たまに存在する「小さな問題を大きな問題にする」タイプが周りを巻き込んで滅茶苦茶していくパターンもありますので、難しいところですね。
ねがわくば、呟く側の人も、製品名や企業がわかるようなことについて呟くときで、「いいネタだ!」と思ったとしても、それが悪質クレームだ、と思われないような配慮をいただけるといいのでは?とおもったニュースでした。

某大手コンビニのイチゴ模様の詐欺飲料容器。

2021-01-27 23:19:00 | 表示に関する話題
某大手コンビニの練乳イチゴミルクの容器に、まるでイチゴの果実が入っているかのような模様が入っている、詐欺パッケージだ、という話を見かけました。
うん、まぁ、私も独断と偏見で言うならば詐欺だと思います。

では法律的にどうか。個人的にはかなり薄いグレーくらいかなと思いますが難しいところですね。

果汁感とか果実感とかいったものを増強するパッケージという観点で言えば、「果実飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」が連想されます。
かの有名な「100%ジュースでなければスライスの絵が載せられない」というルールはこちらで定められています。
ちなみに公正競争規約ですが、これは業界が自ら制定しているルールであり、破ったからと言って直ちに何かが行われるわけではないものと思われます。
消費者庁のウェブサイトにも記載がありますが、「公正競争規約は、事業者又は事業者団体が自主的に設定するルールであることから、規約に参加していない事業者には適用されません。公正競争規約に参加していない事業者が行う不当表示や過大な景品類の提供については、消費者庁が景品表示法の規定に基づいて措置を採ることになります。」ということでおそらく参加していない事業者の場合は個別に判断されるものと思われます。
実際に私が昔食品表示モニターをしていた際、食品表示法で定められている原産地表示をしていなかった八百屋さんを報告したところ後日その八百屋さんは原産地表示を行っていましたが(多分指導が入ったと思われる)、輸入の清涼飲料に果実の輪切りが表示されていて公正競争規約に反しているのを報告したところでそのパッケージは何年たっても変わることはありませんでした。(輸入者の会社が公正競争規約に参加していないんでしょうね…)
とはいえ、公正競争規約の内容については公取や消費者庁で検証されるようですので、消費者にとって良くない表示であるかどうかを判断する材料にはなると思います。

なお、飲料コーナーで明らかに果汁が少ないのに輪切りのリアルな絵が記載されているパッケージの飲料に出会うことがありますが、実は紅茶飲料や野菜飲料は「果実飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」の対象外だったりします。
ちなみに件の飲料は「清涼飲料水」のようですので、もし事業者が公正競争規約に参加していれば適用されるはずですので、詐欺的かどうかの判断材料として差し支えないと思います。

まず「果実飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」では「絵表示の基準」が定められていて、これがスライスなどを規制している項目です。
「ア 果汁入り飲料及びその他の飲料にあっては、果実から果汁のしずくが落ちている等の表示及び果実のスライス等の表示は不当表示に該当する。
イ 果汁の使用割合が5%未満のもの及び果汁を含まないものにあっては、果実の絵を表示することは不当表示に該当する。ただし、図案化した絵は差し支えないものとする。」
以前この「イ」について過剰に反応した人がいて、幼い子供が描いたようなミカンのイラストを指して、「果実の絵を表示しているから不当表示だ!」と言っていた人がいましたが、単純な絵についたは「図案化した」と判断されていると思います。
不当表示とされる「果実の絵」はリアルな絵の場合です。
どこまでが不当表示でどこからが図案化したといえるのか?というのは、2016年に出ている「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」における規定の解釈についてを見ると「消費者に当該製品に使用したフレーバーの味や香りを伝達する手段として果実の形や色を示す程度に描かれたものであって、果実の「立体感」、「地肌感」あるいは「グラデーション」が無く、単なる平面的な「絵」については、「図案化した絵」として例外的に認めている。」と記載があるので、いらすとやはグラデーションついてたりするので微妙にアウト…?グラデーションない絵ならセーフ?みたいなレベルです。
件の飲料にもイチゴのイラストがありますが、のっぺりとしたものですので、図案化したものと言って差し支えないでしょう、ここはセーフ。
問題となっているイチゴの果実を連想させるモヤモヤした赤い模様については、「果実からしたたるしずく」の図案ではないですし、リアルな果実の絵でもありませんので、公正競争規約では規制されていない表現になるかと思います。
じゃあ、あとは個別に判断するしかない、となります。

本来優良誤認かどうかというのは総合的に判断されるので、もやもや模様だけでなく他の要素も勘案して考えましょう。
さて、「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」では、果汁の使用割合を、商品名を表す文字と同一視野に14ポイント以上というかなり大きめの文字サイズで表示するという規則があります。
14ポイントがどれくらいのサイズかといえば、通常Microsoft Officeのソフトで書類を作るとデフォルトの文字サイズが10.5ポイントまたは11ポイント程度で作られる、食品の一括表示は8ポイント以上と規定されているので、やや大きめな見出しサイズの文字です。
果実飲料等においては、どれだけ果汁が沢山入っていると誤認させないか、というのは大変重要なポイントなのでしょうね。
では件の飲料の果汁の割合はどこに記載されているのか?を見てみると…
商品名を正面とすると、左下の方に「無果汁・果肉5%」の文字がありますが、これ、棚に正面向けて並べられた時に「無果汁」の部分は見えないのでは?と思いました。また、商品下部のパッケージの色が濃い部分に黒文字で記載されており目立ちません。位置的にも棚に置いたらポップアップされている値札などで見えなくなる可能性も高いように思います。
「※写真・イラストはイメージです」を入れれば何でも赦されるわけでもないですが、その文言すら裏面に記載されていて正面からは見えません。
さらに言えばパッケージ正面右上に「ゴロッといちご果肉入り」の文字があります。
この文言、イチゴのもやもや模様で沢山いちご果肉が入っているように見せておいて、実際にはイチゴ果肉が5%(目立たない表示)であり無果汁(目立たない)であるという、総合的に消費者をだます気満々に見受けられます。
しかしながら、じゃあこれを優良誤認として何かできるか?といえば、見えにくいとはいえ無果汁である旨やイチゴ果肉の割合も記載されており、難しいのかなと思いました。
私がこのパッケージ見たら、この赤い部分はイチゴ果実とは思わないまでも、人工イチゴ味のソースが入っていると思って飲んで失望すると思いますが、それは優良であると誤認させたというには難しい内容ですしね。

表示上の話で言うならば、むしろ「ミルク」にまつわる表示の方が気になりました。
「飲用乳の表示に関する公正競争規約」というものがありまして。
こちらは牛乳や乳飲料の表示などを定めているものなのですが、「ミルク」という商品名を使う場合の基準が存在します。
件の商品は清涼飲料水なので対象外ですと言われればそれまでなのですが、乳飲料でも基準があるのに乳ほとんど使っていない清涼飲料でミルクを名乗るのは優良誤認じゃないのか?って思いますね。
さらに言うなら裏面の煽り文句で「つぶつぶのいちご果肉とミルク・練乳のまろやかな甘酸っぱさが…」と記載されていますが、原材料にはいつもの「乳等を主要原料とする食品」「脱脂粉乳」が使用されていて「ミルク…?」という気持ちにさせられます。

色々書きましたが、赤のもやもや模様のだまし絵は珍しいパターンではありますが、私がもやもやする他のポイントについては、割と他の商品でも見られる事案のようでした。
私が昔表示に関わる仕事をしていた時は(コンビニ系ではないですが)もう少し消費者に寄り添っていたんですけどね。
打消し表示は消費者の目につくように記載するのは当然でしたし(クレーム除けという面もありましたけど)別に公正競争規約に参加していなくても、他の業界団体が禁止しているような表示は極力しないよう、煽り文句ひとつでも気を遣っていたものです…。
まぁ、昔は昔で明らかにアウトなだまし討ちをやり逃げしている企業もあったことを考えると、いつの時代もそういう企業はあるものなのかもしれませんが、そういう企業が増えたように思います。
日本の企業が少しずつ苦しくなっているのがこういった部分にも表れているのかもしれませんね。

実際のところコンビニの商品のライフサイクルは非常に短く、見た目のインパクトでいかに購入してもらうかが大切だ、ということは古くから言われてきたことではあると思います。
だからこそ余計にコンビニの商品ではこういったことが起こりやすいのかもしれません。
いいものを作れば売れる、というのは素人考えだとマーケティングの話ではよく聞きますしね。
某大手人材派遣の会社の社長も、「悪名は無名に勝る」とか言っていましたが、まさに無名であれば売れもしないので炎上したほうがまだマシなのかもしれません。
しかしながら、その商品単体の売上としては確かに悪名は無名に勝るとなるかもしれませんが、そのコンビニ自体の評判は下がっていくのでは?と思いますね…。
信頼を得るには時間がかかりますが、信頼を失うのはたやすいですからね。
少なくとも私は今後しばらくはセブンプレゼンツのお高めの飲料は買わないと思います。