消費生活アドバイザーが食品表示をわかりにくく解説するブログ

消費生活アドバイザーが、食品表示を、妄想や推測、人から聞いた噂などを交えて、わかりにくく解説していきます。

容器包装の進化が止まらない飲料

2017-07-23 22:23:38 | 表示に関する話題
最近はっとした商品として「蓋を開けたらレンジでチンできます」というお茶が売っていました。
衝撃的でしたね。
割と多くの容器に「容器のままレンジに入れないでください」という注意書きがありますが、ついにレンジOKのペットボトルが開発されたのか、と。
昔のペットボトルは凍結NGだったので、凍らせて持ち歩けるペットボトルが出た時もそれなりのインパクトでしたが。
こういうものが発売されるたびに、一般の「容器のまま凍らせないでください」「容器のままレンジにかけないでください」という商品たちで何等か事故が発生するのでは、とヒヤヒヤします。
まぁ、発生しても、「メーカーは注意喚起を行っている」「改善策として文字色を目立たせるようにした」とかそういう無限のリピートが予想されます。

凍結よりもレンジの方が怖いのは、凍結の場合は静かにばりっと容器が割れる程度で済みそうですが、レンジだと蓋を外し忘れた挙句加熱しすぎてボーンみたいになりそうで怖いですね。

昔口をつけた飲みかけのペットボトル飲料を常温に放置した結果蓋が吹っ飛んで怪我をするなどの事例が続発した時期がありまして。
今はもう充分あちこちで周知されていると思うんですけど。
当時は「飲みかけのものが腐ってある程度容器内の圧が高くなったら、蓋からガス抜きをするような構造にできないか」などの試みもありましたが、ガス抜きをするような構造、というのは、結局気密性を下げるのでは、ということもあり、その後どうなったことやら??です。
まぁ、ネズミ返しみたいに、一方通行的な何かの仕組みを作って出来ないこともなさそうですが、炭酸飲料の場合とかどうなるんだ???とか色々ありそうな気がしました。
それが実装されて爆発の確率が下がったとしても、メーカー側としては消費者には教えてくれないでしょうね~。
というのも、「飲みかけで放置しないで、とか書いてあるけど、蓋には実はこんな細工がしてあるから現代では爆発なんてしないんだよ」とか油断されても困りますし…。

この「レンジで加熱可能」なペットボトルについては、蓋を外し忘れて、という事故を防止するために、どのような取り組みをしているのか?というのがちょっと気になるところですね。
蓋にデカデカと表示を行う??
ネットで容器の画像を見ると、カップめんや冷凍食品のようにデカデカと調理方法(再加熱方法?)が記載してあるので、これだけ大きく書いていれば大丈夫、というところでしょうか。

新しい技術が出ると、誤使用による事故が起こったり、それによる表示の煩雑さが増えて必要な情報が読み解けなくなっていきます。
便利になるのは良い事ですので、消費者側としても適切に使っていきたいところですね…。
まぁ、私緑茶飲まないので、当分ペットボトル再加熱の恩恵にはあずかれそうにないですが。

ずるい健康食品

2017-07-13 21:15:45 | 表示に関する話題
機能性表示食品、というものが出来ましたね。
これまで所謂「健康食品」とされてきたものが、色々分類されてきました。
はい、非常にわかりにくいです。

もとより私は健康食品というものは購入しません。
なぜか。
高いから。
効果の程が疑わしいから。
体調が優れないなら病院へ行くか保健指導を受けた方が良いと思うから。

因みに私が宗教の勧誘を受けたときに「健康が心配だとか、家族の事が心配だとか、色々ご不安があると思います」としんみりインターホン越しに言う布教者に対し
「健康に心配があれば病院へ行きますのでご心配なく」と言った記憶がありますが、これは非常に正しいです。
どこぞのガンでお亡くなりになった方の旦那さんが怪しい宗教にはまって治療が遅れた、という疑惑がありますが。
正直治療がどうだったらどう、みたいなもしも論は言うつもりはないし、その人の事を知っている訳ではないので、その話の真偽は不明ですが。
少なくともそういうことを発想する人がいる、ということは、一定数「怪しげな宗教にはまったせいで治療が遅れた人がいた」という事があったのではないか?とも思えます。
また、先日「がんに効く!」と水素水を売ったスーパーの部長が逮捕されていましたが。
今まで小売り業の人が勝手に作ったPOPで逮捕に至るなど、あまり聞いたことがありませんでした。
多くは商品パッケージ、チラシ、パンフレットなどが薬事法(今は薬機法)に引っかかっても問題になっていましたし、「ガンに効く!」などというのは、ずいぶん昔に規制されて以来(アガリクスあたりですかね…)しばらく聞いていませんでした。
店頭POPなどはいざとなればはがしてしまえば何とかなるから、少しくらい大げさに書いてもOKみたいな話もありましたが、今回はやり過ぎたのか、それとも取締の範囲を広げたのか。
今まで野放しだったネットの動画CMなども手を入れていく予定のようですが。
健康食品も良いけど、原料原産地どうした??と謎に思いつつ。

消費者の関心は兎も角、原料原産地より健康食品の方が余程深刻な話題だと思います。
過剰な効能・効果を謳えば適切な治療を受けられず病気が悪化する可能性がある。
粗悪な成分・不足している成分・実際には健康被害を引き起こす成分が含まれる、など問題は山積みですが、消費者はメーカーが提示する情報を信じて選ぶしかない状態です。

薬事法違反か、健康増進法違反か、景品表示法違反で怒られていた健康食品メーカーが居ましたが、
機能性表示食品でもなければトクホでもない、そんななかでエビデンスを示して効能効果を謳って「事実なのになぜ、業界の委縮を産む」と申し開きをしていましたが。
エビデンスがあるなら機能性表示又はトクホの申請をしましょうね~というのが国の考えなので、ちょっと思い違いなのでは?と思います。

食品企業の中には、食品に関わる表示の法の書き方が緩いのを逆手に取ったつもりになって「私たちの方の解釈では」とドヤ顔で語りだす連中もいますが。
法の書き方が緩いのは政府が時と場合によって、法の条文を変えずに取締る為ですよ、多分、と思うのは私だけでしょうか。

国の審査が入るものではなく、企業の責任でエビデンスを揃える、というのは非常に危険だと思うんですよね。
これまでは「都合の良いデータを集めているのでは?」「反証の論文も出ている」「○○の危険性が報告されている」といった反論が期待されていたのが、企業側のみの情報収集になると、収賄どころか社内で適当に握り潰しが発生すると思うんですよね。
あと、どんなに情報が開示されても、その調査方法が「ビボです」「ビトロです」「シリコです」「ヒトです」「マウスです」からどうやって読み解けばいいのかわかる人が果たしているのか?
食品会社勤務でもADI知らない人がいるこんな世の中でポイズン。

というわけで、なんだかわけがわからないうえに高額な健康食品を買うよりは、医者にかかった方が良いでしょう。
医者にかかるのが面倒くさいからOTC医薬品を買う、という人もいるでしょうが、OTCの医薬品は比較的効果が緩和なものが多いです。
また、総合感冒薬のように、何にでも効くように作られているものも多く、ピンポイントでは効かない場合があります。
一番いいのは時間がかかるけれど、病院で診察を受けて単一の剤型のものをせいぜい数種出してもらうのが限界でしょうか。
あ、処方される医薬品でもPL顆粒のように総合感冒薬が混ざっているので注意してください。
あれは眠くなるうえ、凄く色々効くので、症状が色々で困っている人は良いですけど、のどだけなんですけどー、とか言う人には向いていません。

一日一粒食べれば一日持つ、という某漫画のアイテムみたいな健康食品がでたら高くても買いたいですが。
現状の何が何だかわからないうえ過剰摂取が心配な感じだったり、匂わせてるっていうかそのまんま効果みたいなことが書いてある健康食品を見ると、「ずるいよなぁ」という感想がひしひしわいてきます。
まぁ、いつ一網打尽にされるかわからないので、仕事にはあまりしたくないです…

米の産地偽装の続きのお話

2017-07-02 11:47:47 | 表示に関する話題
はい、以前中国産の米を魚沼産コシヒカリに混ぜるという嫌な事件がありましたが。
私も踊らされたものよ…
某週刊誌が勝手に調査に持ち込んだことがニュースになっていたようですね。
一方農林水産省での米トレサ法に基づく調査では産地伝達でおかしなところは見つからず。
ていうか、この記事読むと3年間帳票等を保管する義務があるのに、一部の取引先が3年分保管していなかったことがわかっていますが、こういう業者は放置なんですかね。
週刊誌と名指しで偽装を訴えられた事業者側は現在訴訟になっているようです。

確かに「安定同位体」を使った調査というところでまず「なぜその方法???」みたいな疑問がありましたし。
逆に入手困難な外国産米を混ぜるの大変じゃないのか???みたいな疑問もありましたけど。
ただ、だからといって、この記事が本当に妄想なんだよ、中国産の米なんて全く混ざっていなかったんだよ!と証明するのはなかなかすぐには結論が出ないと思います。
週刊誌がどういった経緯で入手した米を調査したのか?その調査方法は妥当なものであったのか?
対抗する事業者が如何に適正と思われるサンプルを適正と思われる方法で分析し、かつ流通段階を調査し、悪意のある第三者も含め混入させなかったことを証明し…。
たった一つの結果をもとに「あったんじゃないですか?」と投げかけるのは簡単ですが、「ない」ことを証明するのは非常に大変です。

私はたまたまネットニュースで農林水産省が調査した結果を見て、あー、偽装でなかった可能性が高かったのか~と思ったものですが。
逆に言うとショッキングに「中国米混入!」という見出しで当該事業者から米を買うことをやめた人たちはこんなニュースに目を留めないでしょうから、混入していないと証明するのも難しければ、名誉を回復することも相当難しい、という、事業者にとってはかなり痛手の事件ですね。
裁判で損害賠償を請求してお金が戻ったとしても、信用とか色々回復しきれない何かが残りますからね…。

踊らされた私が言うのもなんですか、本当に最近のニュースの不公正さみたいなものはビックリしますよね。
いや、昔は昔で国の報道規制とかあったのかもしれませんけど。
勝手にスキャンダラスな記事を書いた雑誌やネットサイトなどのニュースを、さも事実のように垂れ流す。
ネット上で拡散されることで事実のように定着していく。
情報ソースをきちんと確認しなかった私が悪いと言えばそうなんですけど。

うーん、まぁそれにしても、
BSEの時も「人には感染しません!」どこぞの首相が笑顔で子供とハンバーガーをほおばる→やっぱりだめかもとか
O-157かいわれ大根原因説も国が調査中なのに当時の首相がぱっと発表して収集つかなくなったりとか
国から出たと思わせておいて、やっぱりそうでもなかった!みたいにひっくり返しても、取り返しがつかない、みたいな状態だったりもしますしね。
情報ソースが信用できるはずの筋だとしても、誰かの独断専行だったり、研究が進めばそれすらひっくり返ったり、
ニュースは「その後どうなったか」を見守るのが大切なのかもしれません。