消費生活アドバイザーが食品表示をわかりにくく解説するブログ

消費生活アドバイザーが、食品表示を、妄想や推測、人から聞いた噂などを交えて、わかりにくく解説していきます。

製薬メーカー紅麹サプリの健康被害

2024-03-26 22:09:21 | 直接表示じゃないけれど

やっちまいましたね、小林製薬。

 

【最新情報・随時更新】腎疾患で死亡の高齢者 小林製薬の「紅麹」サプリ3年間継続摂取 因果関係疑われる事案として調査 自主回収メーカー問い合わせ一覧(関西テレビ) - Yahoo!ニュース

小林製薬は、生前に「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた人が、死亡したと発表しました。事実と因果関係を確認中だということです。小林製薬によると、「紅麹コレステヘ...

Yahoo!ニュース

 

紅麹サプリで健康被害の疑いが報告されています。

『3年間継続して摂取していた高齢者が、腎疾患により死亡』『26人が腎疾患などで入院し、このうち2人は一時的に人工透析が必要な状態に』『新たに50人が入院したことも判明』

なお原因は今のところ特定できていない模様。

『小林製薬は、紅麹原料の中に“未知の成分”が入っていて、これが腎疾患の原因となった可能性を否定できないとしています。 この「未知の成分」と健康被害との関連はまだ分かっておらず、原因の特定には少なくとも1、2カ月かかるということです。』

原因がまだわからないなんて!と憤る人もいるかもしれませんが、医薬品もそうですけど、人間って日々色んなものを食べたり色んなものに暴露されているので、体調を崩した時何が原因かを調べるのめっちゃ大変。

同じものを食べた人の体調が同じように悪いようだ、これが原因かも、までは比較的辿り着けますが、典型的な食中毒のような「菌が出たぞー!」やアレルギーのように「たんぱくでたぞー!」なら兎も角、何かの化合物が体内で代謝されてうんぬんかんぬんで腎機能がうんぬんとか結構むずかしいのです。

普段できないはずの成分が出来てた、とかも、科捜研の女みたいに、機械にセットすれば一瞬でピピッ!これは××という毒物です!みたいにわかる訳ではないですからね。

 

サプリはね~お勧めしません!

私はずっと思ってたけど、機能性食品とか何で作ったんだろうって。

だって大体何かを濃縮しましたとか、何かの成分を沢山入れましたとか。

濃縮とか成分を沢山入れたときに起こることは「リスクの増加」ですからね。

濃縮したら健康にいい成分も濃縮されるかもしれないが、危険な成分も濃縮される可能性がある訳です。

壊れてしまったら戻らないものもありますからね、健康になるかどうかもいまいちわからないサプリを採って体を壊しては…と思います。リターンとリスクがあってない。

リスクってのは「毒性」×「量」なので、毒性が強ければ一発アウトも有りえますが、毒性が低くても量が多ければやっぱりアウトだったりするんです。

だから同じ成分を採るんであっても、同じ食品ばっか食べるんじゃなくて、色んな食品食べた方が本当は良い、そこまでできなくてもサプリに頼るのはやめた方が良いです。

身体に影響が出るほどの成分を入れているのに、食品ていう時点でもうおかしいんですよ。

 

何年くらい前からだったか、製薬メーカーが「製薬メーカーだから安心!」とうたって健康食品を売り出すようになりましたね。

でもああいうのって、多くはOEM。

ニュースの画像見ても、販売者は小林製薬ですけど、製造業者は健康食品のOEMで有名な会社です。

まあ原材料については小林製薬バリューサポートというグループ企業っぽい会社が提供してるっぽくて、その紅麹原料をどこで作っているかは謎なんですけども…。

いずれにしろ、製薬メーカーが売っているからとて、医薬品と同じ製造管理や品質管理がされている訳ではないんです。

ビタミンだったりアミノ酸あたりなら、まだ製造の歴史も長いし医薬品でも使われるものなので、ある程度製造途中のリスクも知られていたり管理すべき項目も知られているでしょうけれど。(こういうのは実際原材料を作ってる会社が同じラインで作って医薬品と食品のメーカー両方に出しているような会社も居る)

他であまり見ないような原材料を主成分としているものをサプリで積極的に採るのはある意味実験に参加しているようなものなんじゃないかな~と私は思います。

製薬メーカーがやっちまったことで、各種サプリへの不信感もそうですが、医薬品への不信感が出て飲むべき薬を飲まない人とか出たら大変な二次被害だなと思いました。

とは言え、従来も健康被害を出してきたサプリは沢山あるので、もう本当サプリはやめた方が良いと思うよ。(まあ認めないと認めないで勝手に効能効果を謳って食品売り始めるからお上もいたちごっこで何ともできないんでしょうけど)

 

正直今回の件は原因がわかっていないというところで何ともですね…。

早く原因究明されるとよいのですが。


日本の狂ったSNS事情(食品表示編)

2023-11-06 17:10:08 | 表示に関する話題

とあるXのポスト

 

 

『日本の狂った表示制度(おにぎり編)

原材料の塩飯の中に合成保存料や化学調味料が入っていても「塩飯」とさえ表示すれば、その塩飯に使われている合成保存料や化学調味料については記載しなくてもOK。

いつの間にかこんなことになっています。

キチンと表示してほしい。って思った方はリツイート。』(2023/11/3午後2:22)

リポストは11/6午後5:13現在で6553。 これについてのコミュニティーノートは以下の通り。

『根拠不明です。

食品に含まれる添加物表示が免除されるのは、栄養強化、加工助剤、キャリーオーバーに該当する場合のみです。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0323-3e.html

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_kakou_additives.html

塩飯の中に保存料や化学調味料が含まれる場合はそれらのケースに当てはまらないため、表示義務があると思われます。記載しなくてもよいとする根拠はみつかりませんでした。』

 

必ずしも使用されている添加物が全て記載されているわけではないのは確かです。

コミュニティーノートの通り、栄養強化、加工助剤、キャリーオーバーは表示されません。

が、コミュニティーノート記載の通り、この事例は「記載しなくてもOK」ではありません。

何故なら味に影響する化学調味料が入っていれば、それはキャリーオーバー出来ないからです。

 

 

栄養強化とは、その名称の通り、栄養を強化するために添加された添加物です。

例えば「ビタミンC1000mg配合!」と言ったときに、添加物としてのビタミンCを表示しなくても良くなるわけですが、実際問題表示しない意味があまり無いので、通常多くの事業者は表示しているでしょうね。

ビタミンC強化と書いてあるのに、原材料にないよ!となると、消費者が混乱しますし、謳わない栄養強化はあまりする意味がないでしょう。

書かない事業者がいたとすれば多くが「栄養強化」と言い訳しつつ、別の理由で添加しているアカン系事業者なのでは?と邪推しています。

ただ、目的が本当に栄養強化であったら、それに対して苦情を言う消費者は少ないのでは?と思います。(だからこそ免除されてるんですかね

 

キャリーオーバーは、最終製品中の量が少なくなって、効果がなくなったものは表示しなくていいというものですね。

キャリーオーバーについてネットで検索すると、誤解されているらしいケースをよく見かけますね。

上記のXのポストもそうです。

副原料として表示しているからと言って、添加物が全てキャリーオーバーに出来るわけではありません。

塩飯として購入しておにぎりに加工した、よって原材料「塩飯」とした場合に、そもそもの塩飯をターゲットにして化学調味料や保存料が使われていたのであれば、それらは形を変えただけのおにぎりでも効果が残るものと考えられますので、表示は免除されません。

塩飯の塩が塩だれの塩だったとして、塩だれにわずかな保存料が使用されていたが、塩飯の中ではもはや量がわずかで効果が無いというのであればキャリーオーバーになるかもしれません。

「最終製品に効果が無い」というのがポイントになるので、基本的に味、色、香り等、五感に影響するものはキャリーオーバーできないと言われていますので、いずれにしろ化学調味料は表示対象です。

炊飯された飯には色々なものが添加されているのに、最終製品ではなかったことにされると主張している方も居ましたが、弁当などの場合では他のおかずなどの添加物とあわせて最後に表示されています。

自分の納品したご飯で表示されるべき添加剤が本当に表示されていないのであれば、Xで呟くより消費者庁へ通報すべき案件です。

 

加工助剤は運動家にとっては悪名高いものが多いですね。

有名なところでミカン缶詰の皮を除去するのに塩酸が使われていて、「そんな危険なものを使うなんて!」とか言われていますが、水酸化ナトリウムで中和したら食塩と水になるんだよなあという…。

工場の人の安全衛生を考えての話であれば「優しいね」と思いますが、「そんな危ない物食べたくない!」という観点であれば、理科の授業をやり直しましょうという話になりますし、「手で剥け!」というなら、この先の人手不足を少し考慮すればミカンの缶詰は超高級品になるでしょう。

抽出等に使われるヘキサンなども加工助剤とされますね。

なお私は学生実験の時はゴーグルも手袋もなしにヘキサンをじゃぶじゃぶ使っていましたが、今でも元気です。(約四半世紀前の出来事です)

これが体に悪くないとは言いませんけども、一応科学に基づいて減圧蒸留などによって除去されているはずです。

ごくわずかでも毒性がありそうなものは許さん!とか、除去されても許さん!というのであれば、多分この世界では生きていけません。

天然自然のキノコを採ってきて食中毒をする人が居るように、自然物にも毒はあり、我々が通常食べている野菜や肉なども「食べてきて取り立てて健康被害が無かったので」という歴史から「無毒であろう」と推測しているだけで、実は自分の持病の原因が生涯食べ続けた食品が原因だった、といった可能性も否定されてはいないのです。

 

私は以前は企業での情報コントロールに係るコストが消費者に跳ね返ることを懸念していた訳ですが。

最近思うことは「多くの情報を開示したところでそれを基に合理的な判断が出来る人がどれくらいいるのだろうか」ということ。

お前は出来るというのか!と言われれば、私も別に科学知識が凄く豊富な訳でもないですし、各物質の有害性の論文などを読み込んでいる訳でもないので、情報あっても判断できません。

大体表示には量的な要素が無いので、ADIなどの情報を持っていたところで厳密には役には立たないなあと思ったりもします。

逆に言えば量的な要素を無視してキャリーオーバーや加工助剤を表示すれば却って判断しにくくなるかもしれません。 

今の表示が最善、と主張するつもりはないですが、では何もかもを出して全ての食品に関する情報がA4一枚くらいになったら、誰が真面目にそれを見るんだろう、という気はしています。

(PL対策表示とかまさに、誰も読んでいないのでは状態…)

 

あと、途中にも書いたけど、本当に違法な表示されているという確信があるなら、SNS上で「こんな世の中だよ!」と言うのではなく、通報しようね!

真面目に法律守って表示している食品メーカーは沢山ありますので、こんな世の中でなく、表示をしていないその企業が問題です。


腐ってやがる…早すぎたんだ

2023-04-26 18:03:31 | 当り前が失われるこの世界で

「素手でシロップかき混ぜ」物議のホテル謝罪 問題のジュースは提供中止、保健所が現地調査へ(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

 静岡県沼津市のホテル・AWA西伊豆が提供する「酵素シロップ」が、手の常在菌を使って夏みかんを発酵しているとテレビ番組で紹介され、衛生面を問題視する声が相次いだ問題...

Yahoo!ニュース

 


うーん、これ、ホテルもホテルですが、放送したテレビ局もテレビ局ですよね。
ちらっと見たときは、手袋付けなかっただけで炎上するなんてかわいそうと思ったのですが、よくよく読めばわざわざ手の菌を入れたと喧伝していたらしくびっくり。
放送されて炎上するまで誰も気づかなかったのか?っていう…。
普通に「発酵」ではなく「腐敗」しているのでは?常識的に考えて。

なお既にホテル側は謝罪文書を掲載しています。(テレビ局はみつからなかった)
4月23日TV放映の内容に関する謝罪 / AWA西伊豆【公式】西伊豆×発酵をテーマにした沼津市戸田の温泉宿

引用開始---
4月23日TV放映の内容に関する謝罪
この度、4月23日TV放送の「ビートたけしのTVタックル」にてご紹介されました、
当施設が提供している発酵ジュースの製造工程におきまして厳しいご意見をいただきましたこと、
大変申し訳ございません。
私どもの発酵に対する知識不足でこのような事態となりましたことを、深く反省いたしております。
現在、管轄の保健所さまに確認をお願いし、製造工程等につきまして、現地にて確認を頂くこととなっております。
しかるべき指導を受けて適正な対応をして参ります。
また、ご指摘頂いております発酵ジュースにつきましては、現在提供を取りやめております。
重ねてお詫びを申し上げます、本当に申し訳ございません。
管轄保健所さまのご指導を頂きました後に、
今後の対応につきましてもご報告させて頂きます。
この度、ご迷惑やご不安・ご不快な思いをさせてしまいました、
お客様、ご関係者さま、全ての皆様に深くお詫びを申し上げます。
本当に、本当に申し訳ございませんでした。
---引用ここまで

変な言い訳をせずに保健所に相談する姿勢は偉いと思う、ウェブサイトを見ると「発酵の世界」というページが特設されており、「発酵ガストロノミー」「発酵深海カレー」「朝食の発酵バー」とあるので、他にも自称「発酵」しているものが「腐敗」してないか見てもらうといいね。
ホテルのウェブサイトには流石に「手の常在菌を使って」とは書いていないのですが、客にはどう説明していたんだろうなぁと思います。
これまで燃えなかったのは今回のテレビ番組が初公開だったのでしょうか。
今炎上しているのを見て、過去に飲んだ客はうえっと思っているかもしれませんね。
当該ホテルのウェブサイトを見ると、ホテルを3つ、宿泊コンサル、ヘルスケア・食事業もやっているそうで、『新しい専門家育成の資格「メディシェフ」の推進などを展開しています』とか書かれているのを見ると、ご冗談でしょう???という気持ちになりますね。
ホテルの一つが勝手にやっていたことなんて会社全体では把握できませんよってことなのかもしれませんけども。

でもふと思ったんですけど、このご時世に手を洗わずに口に入れるものを手で混ぜるとかありえる??
正直いくら何でも手を洗ってアルコール消毒くらいしてたんじゃ…?と思うんですけど。
常在菌を使ってと言ってるってことは洗ってなかったんかな…。
いやー…えー???
あまりに意味が分からな過ぎてどういう状況だったのかがわからないですね。
正直言うと、食品を作るときに素手ということは普通にあり得ますよね。
高級寿司屋に行けば職人が素手で握っていたりもするし、工場における食品加工でもどうしても素手でないとできない工程も実はあります(多くの工程は青い手袋してやってると思いますけど)。
食中毒の三原則として「つけない」「ふやさない」「やっつける」というのがありますので、素手だとしても消毒などをして出来るだけつけないようにする(そもそも出来るだけ素手の工程を減らす)、作ってすぐ食べるか冷凍輸送をすることでふやさない、食べる前に加熱することでやっつける、といった対応を取ればよいのです。
が、このホテルの場合は、あえて手の菌をつけて、あえてふやして、やっつけずに飲ませている訳ですから、褒められた話ではないですね。
現代は「人の握ったおにぎりを食べられない」と言う人も多いですが、人の手の菌を喜ぶ人がいると彼らは思ったのでしょうか。
純粋に謎です。

スナック菓子容器包装の悲哀。

2023-04-24 19:34:23 | 直接表示じゃないけれど
某円筒形容器入りスナック菓子の、価格と内容量を変えたけど、円筒のサイズは変更していない事件がありまして。
予めサイトで発表していたにも関わらず、「空気と箱を買わされてる」とか「優良誤認」みたいな批判が出ているようです。

「空気と箱を買わされてる」チップスター、内容量が容器の約半分…メーカーの複雑な事情(Business Journal)

上記記事からの引用でメーカー側の見解としては
「――コスト削減や消費資源削減の観点から、内容量に合わせてパッケージのサイズを変更したほうがよいのではないかという声もあるが。

ヤマザキビスケット 原材料価格やエネルギーコストの上昇に対して早急に対応するためには、パッケージサイズ変更までの対応に至りませんでした。お客様の声を真摯に受け止め、今後も製品施策の検討を進めてまいります。」

消費資源削減という話で言えば、確かに容器のサイズを小さくすればそれだけ紙の消費量が減るんでしょうけども。
そんな単純な問題じゃねえんじゃねえのかなって思うんですよね…。
どうせデザインも変えるんだし、資材切り替えることになるんでしょって言われたらそうなんですけども。
製造機器の都合上簡単に変えられないファクターがあるとか、そういうこともあるんですよねぇ…。
某メーカーに勤めていた頃に、「何かこの製品の形バランス悪いですよね、直径もう少し小さくすればいいのに」と言ったら、「径を変えるとなったら機械を全部入れ替えないといけなくなるから無理なんだよね…」と言われたことがありますが、メーカー側の人間もちょっと気にはなっていても色んな都合でなかなか難しいということはあるようです。
まあ上記スナックがそういう事情なのかは知らんけども。
現状他のメーカーでも短期間のうちに二度値上げした、みたいな話を見るに、設備とか変えてる場合じゃないんじゃないのかなぁと。

じゃあ、内容量変えずに値段だけ変えたら良いじゃない!ていう人もいると思うけど、値上げもしてるんだよなぁっていう…。
多分価格上昇だけだと一気に上げるには忍びないほど上がるから、値段を上げつつ内容量も減らしたんではないでしょうか。
一部の人は「値段が上がったって買うのに、こういうずるいことをされると購買欲が失せる」ようなことを言うこともありますけど、正直言って「本当に値段上がっても皆買うの??」と私は疑っている。
このブログで昔から散々言ってる気がするけど、自分なら値段が安いものを買ったりするから。
内容量あたりで換算することもあるけれど、一食で食べてしまうおやつ、となると単価もある程度考慮するようになる。
最近は子供が遠足で300円分のおやつを買うとかそういう時代ではないのかもしれないけれど。
皆が皆金持ちで一回に食べるおやつにいくらでも出してくれる訳じゃあないですからね。

個人的に一番悲しい変更は、中身をマイナーリニューアルして味が落ちる、という変更です。
例えば、原材料を安いものに変える、味のキモとなるような原材料を減らす、などの顧客が気づきにくいマイナーチェンジを繰り返すうちに製品がくっそ不味くなったケースが過去にありました。
「美味しくなってリニューアル!」(価格据え置き)と言うときの、えも言われぬ不安。
それに比べれば外装サイズ据え置きで内容量減らすなんて可愛い変更だと私は思います。

100%メロン

2022-09-06 23:43:22 | 表示に関する話題

トロピカーナ「100%メロンテイスト」 実はメロン2% 景表法違反(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 キリンビバレッジ(東京都)が販売するメロン味のミックスジュースについて、消費者庁は6日、原材料の大部分がメロン果汁であるかのようなパッケージ表示が景品表示法違反...

Yahoo!ニュース

 


トロピカーナさんはね…いつかこんなことになるんじゃないかなって気がしていました。
私もトロピカーナの100%ジュースは何度か手に取って原材料表示見て棚に戻したことがありますね。

公式はこちら
景品表示法に基づく措置命令に関するお詫びと再発防止策について | 2022年 | キリンホールディングス
『あたかも本商品の原材料の大部分がメロン果汁であるかのように示す表示をしていたが、実際には原材料の大部分は「ぶどう・りんご・バナナ」果汁を用いている。これにより、お客様に実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものであること。』
具体的にはあんま書いてないっすね。

実際にはパッケージを変更して今も販売しているようですので、具体的にどこが問題だったのかを替えられた部分から考えると
・「100% MERON TASTE」→「100% FRUITS JUICE」
・正面の写真を、ちらっとだけバナナ、下の方にちらっとリンゴ断面、ブドウが入っているもの→手前のリンゴ、ぶどうの存在感が強いものに
・正面下部にある果汁割合の表示について、「900mL まるごと果実感 (改行文字サイズアップ) 濃縮還元 メロンテイスト 果汁100%」→「900mL まるごと果実感 メロンテイスト (改行文字サイズアップ) 濃縮還元 果汁100%」としていますね。

ニュースの記事中では『「100% MELON TASTE」「厳選マスクメロン」といった表示や、メロンにストローを刺したイラストが注ぎ口の部分などに表示されていた。』といった記載がされていますが、「厳選マスクメロン」やメロンにストローのイラストは残存。
まあ、2%だろうがその2%果汁がすべて厳選したマスクメロンを使っていれば「厳選マスクメロン」と書くことに問題ないだろうし、他の果物も見えてるんだから、注ぎ口にストロー刺したメロンが入っていたところでメロン100%とは思わないでしょってところでしょうか。

なんとなく企業が考えそうな理論としては
「100%」→果汁が100%なので嘘ではない
「100% MERON TASTE」→英語だから表示というほどのこともない、また、TASTEと述べており、果汁が100%とは言っていない、正面画像も見えにくいが他の果物もうつしている
「濃縮還元 メロンテイスト 果汁100%」→メロンはあくまでテイストであり、果汁100%は法に従った表示であり、メロン果汁とは言っていない
とか言ったところでしょうか。
濃縮還元の後にメロンテイストを置いてから果汁100%と書いていたのも、誤認を招こうという意図はあったけど、「テイストなので~」という言い訳があったんじゃないかなと。
私のように店頭で表示みて「なにこれぶどうジュースじゃん」と棚に戻す人もいれば、一定数「おっメロンジュース美味しそう!」って買って家に帰ってから「ぶどうジュースじゃん!」って人もいるだろう。
苦情が入った時にコールセンターの人が答えられる問答集くらい用意されてると思います。

ニュースの記事で法務どうなっとるんやってコメントも見ましたが、結局のところ景表法はこれがNG!という決まりだけでなく、誤認させる、って話だからね、競争が苛烈な飲料部門であれば、皆ギリギリ狙っていくのもわからないでもない(昔からです。
元のパッケージに紐づく商品設計で絶対引っかからないようにしたければメロン果汁の割合をかなり上げないとだめだろうけど、トロピカーナの紙パックジュースが値段高かったら誰も買わないでしょうからねぇ。
中身に合わせて絶対引っかからないようなパッケージにするなら、メロンの存在感が凄く薄れる訳で、それはそれで誰も買わなくなる。
じゃあそんな商品作るなよ!って話ですけど、客が安くて美味しそう、と思ってくれないと手に取ってもらえないですからね。
実際消費者庁とかも、販売するにあたって多少良く見せるのは仕方ない良くあることっておもっていたはずです。
じゃあどこまでが許容範囲なのか、それは多分とても難しいところだと思います。
まあ、時代によっても変わってきますが、この辺は昔からいたちごっこだったのでしょうね。