消費生活アドバイザーが食品表示をわかりにくく解説するブログ

消費生活アドバイザーが、食品表示を、妄想や推測、人から聞いた噂などを交えて、わかりにくく解説していきます。

中国産の米を魚沼産コシヒカリに混ぜる案件が発生

2017-02-13 23:50:09 | 表示に関する話題
とある業者によって魚沼産コシヒカリに中国産の米が混ぜられ、いわゆる「偽装」が行われているかも?という疑惑が発生しました。
うーん、以前、事故米を流通させた騒ぎがあったために「米トレーサビリティー法」なる法律がわざわざ作られたというのに、どうしてこうなったのでしょうか。
狡猾に偽装されたのか?
それとも米トレサ法自体が実はザル法なのか?(すみません、米の流通状況については割と無知なので、米トレサが果たしてどれだけ実効性があるのかさっぱりわかりません)
はたまた部下が勝手にやったんです系なのか?

米については…実はあまり詳しくないです。
あまり、というか、全く詳しくないです。
加工食品ばかり勉強してきて、生鮮系はさっぱりなんですよね…。

一応、知っていることとしては。
・国産の米については、産地と銘柄がセットで登録されている
・米トレーサビリティー法により、伝票等に書くこととかが決められている(米単体だけでなく、一部米加工品も産地管理が必要)
・銘柄を検査する機関?みたいなものが存在するが、DNA検査などはめったにしないで、主に目視でおこなわれている
とかそういった雰囲気のことあたりです。

1番目はあれですね、魚沼産+こしひかり、というか、北海道+きらら377とか、新潟県+こしひかりとか、県ごとに銘柄が認定されている、みたいなシステムですね。
昔はこれが厳しくて、こしひかりを作っているけど、県がこしひかりと連動していないからこしひかりとして売れないんじゃー!とかいう悲劇も起こっていた記憶がありますが。
現在は相当登録が増えて、消費者ももう、何がブランドなんだかわからなくなりそうな勢いで増えているようですね。
「まっしぐら」とか猫がぴゅんとしそうな名前や、「萌えみのり」とか萌えキャラにいそうな名前など、一覧を眺めているだけで楽しいものです。
製造業の人達は地獄なのかもしれませんが…。

2番目は…自分で言っておいてなんですが、コメ関係本当に疎くてですね。
一応生産者から農協から加工品の工場から店舗から何から何まで米という米に伝票とかをつけて管理しているくらいの漠然とした知識しかないですね。
お店とかで「国産米使用!」と書いているのは、別にアピールでもなんでもなくて、米トレーサビリティー法のなせる業だという程度の認識しかないです。
トレーサビリティーと言っても、最終的に消費者へ届ける情報は「国産」程度でOKということです。
国産程度、といいますが、多分それが消費者にとっては非常に重要な情報だし、県名まで表示しろと言われたら事業者側も大変なのでしょう。
先に書いたように、事故米事件があってからできたものという認識でいましたが、国産でも事故米ってあるんじゃあ…?とか思うけど気にしたら負けな気がしました。
県まで書け、でも使ってない産地を書くのは駄目だ、とか言われると、その年台風で大打撃を受けた県がある、とかいう度に包装資材を変えたりしないといけませんから、コストが割高になって商品価格もぐんとアップしそうです。
何事もバランスが大切です。
因みにこの前オムライス食べた店では、米トレーサビリティー法に対応していなかったような気がしますが、あまりにも小規模な店に法律論をかざして乱暴に立ち入っていくのも可哀想なものがあるのでそっとしておきます。
法律は「知っていないと罰せられるけれど、誰も教えてくれない」というのは、誰かが言っていましたが、私の座右の銘です。

3番目は割と最近興味を持ってたまたま調べていたことです。
参考にしたサイトはネットの海でみつけたもので、ちょっと元ネタが見つからないんですが。
やはりDNA検査とかはお金がかかるんでしょうね。
多分タレこみとかがあった時にやるんじゃないでしょうか。
大体目視みたいなことが書いてあって「目視!」と思った記憶があります。
まぁ、それと生産記録とか伝票とか状況証拠も勘案するのでしょうけど。
因みに今回の事件?は安定同位体から産地を調べる方法が使われているとのことで、誰かが産地偽装をタレこみした結果行われた検査ではないかな~と個人的に妄想。

今回のような件に対して表示を行う人間がまず真っ先に思い浮かべるであろう法則は、おそらく、遺伝子組み換え食品の表示にある文章でしょうね。
「意図せざる混入」
これを言うと法律論に疎い消費者の方からは「そんなん詐欺じゃないか!」と思われるかもしれませんが。
遺伝子組み換えには三つの区分があります。
1.組み換え=間違いなく遺伝子を組み換えました!という作物。
2.不分別=一応遺伝子は組み換えていないつもりだったりするけど、特に組み換えたものと区別してないよ、という作物。
3.非組み換え=遺伝子組み換えしていないし、組み換えた作物が混ざらないよう特別な管理をしています!という作物。
遺伝子組み換え反対派の消費者の方は当然3をご所望な訳ですが、3には「意図せざる混入」として「5%以下の遺伝子組み換え作物が結果として混ざってしまっていても、きちんと管理していれば非組み換えと言える」というボーダーラインがあります。
混ざっているのか!ふざけんな!と思われるかもしれませんが、やはりそこは農作物、頑張っても頑張っても、黒いあの虫のように意図せざる何かが発生するものです。
因みに、意図してなくても5%を越える混入があるとNGですし、5%以下でも意図して混入させるとNGです。非組み換えとは名乗れません。

つまり、遺伝子組み換えだって5%の混入が許されているんだから、米もその程度の許容範囲なのではあるまいか!と応用的に考える人が一定数います。

しかし私はそうは思いません。
遺伝子組み換え作物における混入と米の混入は割と性質が違うと思います。

まず、米で起こりうる混入としては、銘柄に関して言えば、もう農家レベルから割と混入が起こると思います。
なので、銘柄混入は5%より比率が高くてもやむを得ないように思います。
遺伝子組み換え作物を作るような海外の広大な農場と違い、日本の家族経営的な米作では、隣の畑の米が混入するとか、そういったものを厳重に管理するのは無理だと思います。
遺伝子組み換え作物であれば、農場が広大であればあるほど、畑での混入率は低いですし、広大な農場であれば、遺伝子組み換え作物とそうでない作物の機器を分けることも容易でしょう。
しかし、日本の狭い田んぼで作られた米が、何等か隣の田んぼの米と混ざらないようにするような工夫をしているようにも見えませんし、米トレサで伝票管理等はしているとはいえ、それほど目くじらたてて絶対混ざら無いように、と管理しているようにも思えません。
実際銘柄の検査では「うっかり」で別の銘柄だったり、ということもあるようです。うん、うっかりさん。

次に、生鮮食品として、袋詰めにされて売られている精米された米の場合を考えてみると、外国産の米が混ざるのはそもそも「なぜ?どのタイミングで?」と思います。
日本では外国産の米を探す方が難しいですからね…。
確かに一定量輸入されているみたいなのですが、買おうと思って探してもなかなか見つからないという代物です。
スーパーは国産米一色、飲食店なども米トレーサビリティー法に対応している店は大抵「国産米使用」の文字。
農家では海外の米を運び込む必要はないでしょうし、玄米が農家から精米工場へ持って行かれたとしても、通常ルートでは殆ど国内に流通しない外国産の米をわざわざその工場で精米することがあるのか疑問ですし。
一度包装されてしまえば、中に混ざる可能性は限りなく低くなるでしょうし。
まぁ、農業は「若者が参入してこない」と嘆く割に間口が狭くて謎が多いので、私も何が起こっているのやらさっぱりなのですけれども…。
良くも悪くも米トレーサビリティー法の影響で、加工食品を取り扱う業者も、外国産の米を仕入れるメリットが偽装の場合を除き低いように思います。
わざわざ表示に「国産・A国産」と書いて管理しなければならない面倒と、客の反応を考えると、海外産を使わないメリットの方がずっと大きいでしょうから。
外国産の米が5%以下、といった低い割合で混ざる理由がいまいち想像できません…。
私の認識不足でしたらコメント頂けると幸甚です…。

遺伝子組み換え作物については、遺伝子組み換え作物が商業生産されていない国については、そもそも管理するような定めはありません。
遺伝子組み換え作物が商業販売されている(=ある程度大規模に生産されている)国においては、IPハンドリングという厳格な管理をしています。
遺伝子組み換え作物が作られている国から来た遺伝子組み換え作物が別の国の同じ作物に混入する、といった事態は多分想定されていません。
5%の意図せざる混入、も、この「IPハンドリング」の中で起こることが恐らく想定されています。
つまり、同じ国の中で、厳重にわけて管理しているものが何らかの要因で混ざってしまって許される量が5%。
なので、国産の米にどれだけ海外の米が混ざっていた、とか、さして厳重に管理していない別のブランドの米がどれだけ混ざっていた、というのを、遺伝子組み換えにおける意図せざる混入と並列で語るのはあまり意味が無いように思います。

まぁ、その「食品」ごとに個別の事情があるので、原料原産地とか、ブランドとか、そういったものを表示するときに、何パーセントまでの混入なら許されるのか?という議論はなされてはいないと思うんですよね。
勿論製造側はわざと消費者を騙すような意図で別の産地のものを入れるつもりなどない場合が殆ど(わざと混ぜる場合は割合表示)ですが、じゃあ100%って何?と言われると、う~ん?という。
例えば流通途中で取り違えられたり、加工された原材料の中に微量に産地を表示しているのと同じ原料が含まれていたり、アレルギーばりに同じラインで別の産地の原材料を使っていたり…?
事業者の苦悩は技術の進歩と共に深まるばかりですね。

何をどうしようと、偽装する人は偽装を続けるし、取締れば頑張っている小さな事業者も潰れかねない、世知辛い世の中ですね。(という誰も得をしない終わり方)
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