濁っていた空は夕暮れが近づくにつれて薄雲を含んできた。これでは星の撮影は難しい。今日は帰るかな。
温度調整のために開いていた観測デッキの南の妻を閉じて階段を降りようとしたとき、ふと頭の上が騒々しいのに気が付いた。なんだろうと見上げると、屋根裏の合わせのところに黒くて丸い影が有る。それは紛れもなくスズメバチの巣だった。
直径およそ15センチ。高さは20センチほどだろうか。二週間前土星を撮影した時には見かけなかったと思うが、僅かな日数でここまで頑張ったのだろうか。褒めてやりたいが、居候としてこれほど迷惑な奴はいない。一度下に降りた後、EOSkissX4を手にもう一度階段を上がった。巣のアップをきちんと撮るためだ。そしてフラッシュ撮影をして判ったのは、こいつらが悪名高いキイロスズメバチだという事。
こっちに敵意が無いと分かっているのだろうか、それとも巣作りに忙しいのだろうか。いくらフラッシュを炊いても僕の方には目もくれない。そう言えばこの前から、竹取庵に入るとなぜかスズメバチの死骸がいくつも転がっていた。きっと巣作りの場所を物色していたのだ。
やれやれ、この休みが無い中でスズメバチ退治までしなくてはならないのか。同じ居候でも、何年か前に同居したジョウビタキ君とはえらい違い。まったく迷惑千万だ。
でも、不気味な巣だゎ(^_^;)
キイロスズメバチの巣、初めて見ました!