お盆期間中はずっと仕事だった。それが明けた今日、スズメバチ退治を依頼した業者と合流して丘に上がる。巣を発見してから二週間が経っていた。まずは二人で竹取庵に入って巣を確認。巣は明らかに一回り以上大きくなっている。蜂の羽音も確かに前より大きい。良く見ると、巣の途中に何か所か出入り口が作ってあった。
巣の状態を確認した業者の男性は、これなら巣の撤去にそれほど時間が掛からないと教えてくれた。どんな装備か気になって尋ねると、スズメバチ専用の防護服が有るという。見せてくれたのはまるで宇宙服のような白いコスチュームだった。さすがにミツバチ用のネットガードとは違う。
これなら大丈夫ですねと言うと、いや、このままではやられます。と言いながら下に長袖の厚手のシャツを着てその上にコスチュームを着込み、さらにゴムの手袋をはめた。この人は今までに9回も刺されているそうだ。防護服を貫く蜂がたまに居ると言う。9回無事でも10回目が大丈夫とは限らない。私が上に登ったまま降りてこなかったら会社に連絡してください。と言い残して、笑いながら観測デッキに通じる階段を上がっていった。冗談じゃない、僕も行きます。というと、下の階の隙間からなら写真も撮れますよと教えてくれた。
巣の撤去にはまずネズミを捕るときのような粘着ボードを使う。それで巣の周りの蜂をからめ捕るのだ。そのあと彼は巣に直接殺虫剤を吹き込み、静かになったところで、巣に袋をすっぽりかぶせて屋根裏からもぎ取った。その間わずか3分。やっかいな居候はあっという間に一網打尽となった。
作業の後見せてくれた袋の中には5層になった巣と、その中の幼虫。そしてその幼虫を育てていた働き蜂が居る。巣を取り去った後には強力な殺虫剤を塗り、さらに虫よけをぶら下げて、スズメバチが近づけないようにしてくれた。一週間は観測デッキに入れない。せっかくのお盆明け休みだが、星の撮影はお預けとなった。こいつらのせいだ。
無事で何よりでした!
経験豊かな業者の方にしてみれば、チョロイ代物なのでしょう。
危険が無ければ、オブジェとして、竹取庵に似合いだと思うのですが・・・
残念です。
ハチの子・・・美味しいそうですね!
いりませんけど・・・(爆)
白いものはキイロスズメバチの幼虫です。蓋が出来ている巣の中には蛹が居ます。
それにね、出来て間もない巣は柔らかくてオブジェとして置いておけるほどの強度が有りません。実際、業者の男性が袋をかぶせて動かすとすぐに砕けてしまいました。
経験。そう、この人の手際を見ると、僕が自分でやらなくて良かったと思います。すべては経験が作り上げた手際です。
蜂の子、おいしそうですか。信州で働いていた時、お酒のあてに何度か食べました。1センチほどの大きさでコロコロしていて、つくしの穂の様な味がしたという記憶が有ります。
でも、キイロスズメバチの幼虫は体長が3センチ以上あります。そして、コロコロと言うよりブヨブヨしています。僕はパスです。ちなみに幼虫は殺虫剤では死なないそうです。この子たちはその日のうちに焼却処分されましたが、このまま放って置くと、働き蜂が居ないので飢え死にするそうです。
お送りしたいのですが、いりませんか。そうですか。残念です。