今回GPz1100Fのエンジンフルオーバーホールの依頼です
お客さん曰く、アイドリング時は勿論高速走行時も振動が多く、とても乗っていられない状態でした。
テールレンズにまでクラックが入るほどの振動がありました。
エンジン分解清掃し
クランクケースシリンダーデッキの歪み測定で、弓形に0.08mmの歪みがありました。
修正面研が必要です。
ミッション分解清掃
各部測定
ベアリング、ブッシュ、カラーなどを交換し再組立
初期は純正オーバーサイズピストンの予定でしたが、コスワースに変更
バルブはリグラインドにて再使用、IN、EX共バルブガイドは1mm短いスペシャル品を使用
シリンダーヘッド燃焼室はピカピカに仕上げております。
使用するカムは純正からヨシムラST-L2を使い、各部寸法を取っておき、ステム突出し量設定検討のデータとします。
Z用のカムですので、J系カムスプロケットは使えません、社外カムスプロケットを純正位置に合わせて仮組みしておきます。
肝心のクランクは動的バランスを取り、重い部分にはドリリングで軽量加工してあります。
全ての加工、前準備が出来たら一気に組み立てます。
ピストントップを測定し、クランクTOPを出しておきます。
シリンダーヘッドを組み、カムを付けバルブクリアランスを出した後、バルブタイミングを合わせます。
ヘッドカバー、オイルパンを付ける前に車体に載せます。
よりハイパワーになるので、純正のカムチェーンテンショナーは使わず、S1用を使います。
5分程アイドリングで暖気させシリンダー内の油脂を焼切り、一旦冷却
再始動後白煙の有無を確認、全く出てません・・・一番安堵する瞬間です。
出来あがってお客様に車両をお渡しし、慣らし終了後にメールを頂きました。
とてもスムーズで振動が殆どなく、中速域からは怖いくらいの加速力があるととの事でした。
どうも、ありがとうございました。